[奈良二上山、鳥谷口古墳]    謝辞:写真・文、hahahaさん提供


 鳥谷口古墳は尾根の先端部に築かれた一辺7.6m、高さ2.1mの方墳で墳丘の裾部には河原石が貼りつけられ、古墳の周囲に掘り割りがめぐらされています。墳丘を築くにあたって土砂を版築状にていねいに積み上げています。墓室には二上山産出の凝灰石を使った横口式石郭で、東西方向に長軸をとり、南の開口部にはさらに前室がとりついていたと考えられています。
 石郭内部には長さ158cm、幅60〜68cm、高さ71cmです。また、石郭は組み合せ式家形石棺の形を取り、底石と北の側石には家形石棺の蓋石材が転用されていました。 出土遺物には須恵器や土師器などがあり、これと石郭の構造などから、7世紀後半頃に築造されたものと考えられる。
 また近くの、石光寺や当麻寺がこの古墳とほぼ同時期に建立されていてこれらとの関係が注目されています。

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