「おーい、お前ら、ちゃんと笑えよ!」
「ねぇねぇ、ただ三人並んで撮るのってつまんなくない? なんかこう工夫しようよ、旗振ってみたりとかさ」
「なっ! 記念写真で白旗を振ってどうするんだ! 縁起が悪すぎるだろう! せめて国旗を使えーーー!」
「えーそんなの持ってないもん」
「なんで、白旗は持ってるのに国旗がないんだ……」
「んーじゃあ投げキッスとかはどう?」
「キッスはさすがに……。我が愛刀で構えをとって宜しいのでしたら、私はそうさせて頂きますが」
「イタリアに乗せられないでくれ、日本。いいから少し落ち着け、イタリア! 普通だ! 普通が一番だ!」
「えええ〜そんなのつまんないよードイツー」
「おーい! いい加減にしないともうとっちまうぞ!」
「ヴェ〜、じゃあこれで我慢する〜」
「ルート、お前顔が硬いぞ、笑顔だ、笑顔!」
「いいから兄さん、さっさと撮ってくれ」
「よっしゃ撮るぜ! せーの、ビール!」
* * *
「おい、日本! 懐かしいもんが出てきたぜ!」
いきなり押し掛けてきたプロイセンと掃除と一緒に倉の掃除をしていた日本は、柳行李の山の陰から叫ぶ声に顔を上げた。
「ほらよ、見てみろよ!」
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