名前の由来はよく分かりませんが、「ローライキン」とは、ブローニーフィルム用に作られているローライフレックスで、35mmフィルムを使えるようにしてしまうアタッチメントです。ローライの「これ1台で何でも」思想の一環といった製品です。 具体的には、ブローニーフィルムのスプールより短い35mmのパトローネをはめ込むためのパーツを下のフィルム室に取り付け、巻上げ側にも通常のブローニーのスプールの代わりに、普通の一眼レフの巻上げ側スプールに串を刺して長くしたような部品を取り付け、更にレンズの後ろにも35mmフィルムに合わせた斜光版(と言うか何と言うか)を付けます。(写真参照:手前が装着状態です) これを取り付けることによって、フィルムの巻上げ量も35mm用になり、ブローニー使用時の巻上げに比べて、ハンドルを動かす角度が制限されます。後はブローニー版使用時と同じ要領です。巻上げ側のノブがカウンターの機能も持っていて、1枚撮影ごとに押すと(押さないと次の巻上げが出来ません)、カウンターが進むようになっています。 撮影終了後は、ブローニー使用時と違い、巻上げ側ノブを押しながら、下のノブを回してパトローネに巻き戻します。 使ってみての感想は、「何とまあ、良く出来ていることだろう!」であります。正に精密機械。というよりむしろ「カラクリ」といった感じであります。 しかし、あまりにも凝ったカラクリであるためか、正直、ちょっと不安を感じたのも事実です。時々引っかかったようになり、巻上げがスムーズに行かなかくなったりしました。何しろカメラ本体自体がお安くはないのですから、巻上げも巻き戻しも出来なくなった時は、「まさか余計なものをくっつけて、本体を壊したか!?」と、さすがに青くなりました。(笑) 一応、しばらくしてから改めて上のノブをリリース状態にすることを試みた結果、何とか回復することが出来たのですが、今後も頻繁に使用したいかと言うと、些か自信がありません。どれをとってももはや手に入り難いローライのアタッチメントの中にあって、ローライキンは比較的安価で店頭に並んでいる理由は、こんなところにもあるのかも知れません。(笑) 実際の作例については、後で「比べてみました」のコーナーでご紹介したいと思います。 |