ローライのピント合わせは、基本的に上からカメラを覗き込む格好でします。 ローライフレックス、ローライコードともに、1960年前後のモデルからはフォーカシングスクリーンの交換が出来るようになってますが、現実問題として、これから中古で入手する場合は、そんな交換パーツはもう手に入らないと思ってほぼ間違いないでしょう。したがって、ピントが合わせ易いとか難いとかは、現物を店頭で見た印象のままということになります。(まあ、どうしてもという場合には、DIYである程度何とかなりますが) フレックス、コードともに、ファインダー像として見える画像が、ほぼそのままスライド、またはネガの大きさとなるので、その意味では構図は作りやすいと言えるでしょう。しかし、ファインダー像は明るいとは決して言えず、特に四隅はかなり暗いです。また屋外撮影で日光がファインダーに入り込んでしまうような場合には全体が見えづらくなります。夜間撮影などの場合は、被写体にもよりますが、絶望的に暗いです。 私の手元にあるコードIVは、全面マットのスクリーンが付いています。このスクリーンのマットはピントの山は中々つかみやすいです。風景写真などなら、ルーペを出さなくてもほぼ十分だろうと思われるほどです。 フレックスFシリーズのスクリーンは、前面マットの中心にスプリットイメージが入っています。「高級版のフレックス、廉価版のコード」と言われますが、ことこのスクリーンのマット面部分に関しては、むしろコードの方が私としては好印象でした。マット面でのピントの山がつかみ易いのです。せっかく付いているFのスプリットイメージですが、今ひとつピタッと合う感じに乏しい気がします。この他、ローライの純正品には、マイクロスプリット付きなど、4、5種類のスクリーンがあったようです。 あと、コードIVはフォーカシングノブが右側にあります。この辺は慣れの問題でしょうが、フレックスとコードを併用すると、やはり戸惑うことがあります。「フレックスこそローライ」という人の中には、右側フォーカシングに違和感を感じる人もいるようです。フレックスでは、巻上げがクランク式なのでそれだけで右側が一杯になり、物理的にそれ以外のノブは左側に置かれざるを得なかったのだとも思いますが、コードを使ってみると、「左手は本体のホールド、操作は右手」という操作の合理性も中々捨てがたいものがあります(ただしシャッターは左手で「押す」ないし「引く」方が良さそうですが)。事実、コードを愛用していた人たちからは、その後コードがVとなり、更にマイナーチェンジしてVaとなった時に、フォーカシングノブが左側に移動した(フレックスに合わせた?)ことにブーイングが出たという話も聞きました。 |