「ローライフィクス」とは、簡単に言えばクイックシューのようなものです。しかし、これまた非常に特徴的なアタッチメントでもあります。 今、巷で普通に見られるクイックシューというものは、だいたいカメラに取り付けるプレート部分と、三脚につけておく台座部分とからなり、必要に応じてワンタッチで、正に「クイック」に付けはずしすることを目的に作られているように思います。しかし、このローライフィクスは、三脚に取り付ける部分だけです。しかも、すばやい三脚への付けはずしというだけでなく、「裏ブタの変形を防ぐ」という意味も持っているようです。 ローライの二眼レフは、裏ブタから連なる底部に4本の突起があり、カメラを立てて置いた場合の「足」となっています。その足によって本体が浮いた状態で置かれることにより、裏ブタを閉じた時に固定しておく留め金や基底部が、直接的な圧力を受けることから守られているわけです。まわりくどい説明ですが、実際そういう構造になっています。で、それは何故かと言えば、恐らくはローライの裏ブタと言うものが、およそその頑丈そうな本体自体に比べて不似合いなほど華奢なアルミ板(?)で出来ているからではないかと思います。もし、これらの足が無かったら、三脚ネジ用の穴が付いている基底部の突起部分が、使い込んでいくうちに内側へめり込んでいってしまうのではと思います。 逆に、中判用の三脚を使いローライをセットする場合、つまり、大き目の雲台にローライをセットする場合に、あまり固定ネジを強く締めすぎると、基底部が外側へ膨らんできてしまうこともあるようです。この場合、4本の足が「アダ」となり、それよりもやや引っ込んでいる基底部を、ネジを締めることで引っ張り出して変形させる「支点」になってしまうわけです。 この矛盾を、ローライフィクスは解決してくれます。ローライフィクスは、三脚ネジまたネジ穴に頼らず、その基底部自体を本体固定の取っ掛かりとし、しかも足と基底部の「段差」分を計算して作られているため、変形の原因になるような力の掛かり方を極力少なくしながら、本体の三脚への固定を可能にしてくれます。 説明している方も疲れるような文章ですが(笑)、要はこのアタッチメントはローライの2眼を使う人にとっては、ファッションだけではなく、実に実用性、実効性の高いアタッチメントであるということです。 もちろん、巷で売られているクイックシューでも、サイズなどをきちんと考慮して購入すれば、実用上ローライにもかなり有効であります。しかし、ローライフィクスもコンパクトで、何より値段もそれほど法外ではない場合が多いようですから、ローライユーザーとしては1つ持っていてもいいアイテムではないでしょうか。最近の再発売品もあるようですので、比較的手に入れやすいと思います。 |