●120/220

 ローライフレックス(またはローライコード)は、基本的には120フィルムを使い、1本あたり12枚の撮影が可能なカメラです。
 しかし、「F」の後期には「12/24」という切り替えレバーが装備されたものが発売されました。これらは120、220両方のブローニー版ロールフィルムを使用することが出来ます。
 この仕組みたるや、また「からくり」といった感じの機構です。まずレバーの「24」の数字を正位置にして撮影を始めます。すると12枚撮ったところで巻上げが出来なくなります。そこでレバーを180度回転させ、「12」の数字を正位置に。するとクランクが回るようになり、残りの12枚の撮影が出来ます。この時、1枚分余計に進ませることになるので、12枚目と13枚目の間にはその分の未露光部分が出来ます。(別なタイプの切り替えレバーもあるようですが、未確認なのでここではご紹介しません)

 その製造数の少なさから、このタイプのものは珍重されている(されすぎている?)感がありますが、実用上はどうでしょう。やはり切り替えが付いているものの方が、ないものよりいいのでしょうか?
 私見としては、「まあ、どちらでもいいのでは?」というのが結論です。何故なら、レンズや基本的な機能は全く変わらないので、「ローライの味を楽しむ」という観点から言えば、差はないと思うからです。
 220フィルムを使えることは、確かに便利なときもあります(1度フィルムを入れて外出したら、なるべく外でフィルム交換したくない場合など)。が、絶対的なメリットと言うほどでもないでしょう。経済的にも、220フィルムの現像代は、120フィルムの約2倍取られるので、よほど本数を撮る人ならまだしも、あまりメリットはありません(店によっては全くなし)。プリント代は変わりありません。「120より220の方がフィルムの平面性が高いというメリットがある」とする方もいらっしゃいますが、圧倒的なアドバンテージとまでは行かないように思います。
 一方、人によっては、見ようによってはいかにも「後から付加した」といった感のあるこの切り替えレバーを、かえって頼りないと思うこともあるようです。最悪の場合、「24」位置で撮影中に、誤ってレバーに触ってしまって動かしてしまうと、例えまだ数枚しか撮っていなくても、カウンターが0に戻ってしまい、そこから12枚しか撮れません。
 にもかかわらず、この切り替えレバーが付いているかいないかで、同じような外観程度なのに本体価格が大幅に違うこともあります。
 「だったらその分、実際の撮影費に当てた方がいいや」、…という人がもっと増えれば、中古カメラも全体にもう少し安くなる…、でしょうか?(笑)