2003年4月30日

 本日は塾日でした。かすかにかすかに苦の向こうに光が‥‥。針先ほどでございますが。

 長野県・伊那でお医者さんをなさっている北原文徳さんから、わたくしのHPをリンクしてくださったメールをいただきました。去年の年、伊藤秀男さんの絵本原画展(山梨・絵本の樹)でお会いした方です。早速、北原さんのHPを見せていただきました。うーん、また、また、わが不勉強ぶりを‥‥。絵本の紹介がどっさりです。そのご勉強ぶり(お楽しみぶり!)がつらすぎるのでつぶやいています。「知識は作家にとって毒なのだ」。そうだ、そうだ、まったくだー。やけくそです。

【北原こどもクリニック】北原文徳 http://www.clio.ne.jp/home/kita/index.html

 伊藤秀男さんから絵本『ぼくはいかない』(文/柴田愛子/ポプラ社)をいただきました。なんと帯が表紙と同じ4色刷です。そのコスト! 売れてるんですね、この「あそび島シリーズ」。うれしくなりました。わが友よ、わが畏友よ、いっぱい稼いで、幸せになろう! とオランデオリマス。
作品ですか? あーた、伊藤秀男ですよ。
 その伊藤さんとの絵本『うみのむにゃむにゃ』(佼成出版社)は9月に出ます。

 某社の編集者Aさんより童話『へんてこ森のヤー・ヤー』は[不思議で笑えて、感動的な場面もあって、とってもおもしろく読ませていただきました]と、ご返事を頂きました。ほっとしています。たかどのほうこさんに「へんてこもり」シリーズがあるとのことで、題は変わります。

2003年4月29日

 同人誌の詩三篇を読み返しました。二編はまったく使い物になりませんでした。そこに「正義」があったからです。正しい人内田麟太郎さんがいました。ケッ!めちゃくちゃにぶっこわして、やっと一編が読めるようになりました。結びは「くそまみれ」。また変わるでしょう。もうくたくたでございます。
 と、そこへ、岐阜の児童書専門店大きな樹の杉山平四郎さんから、あの異才竹内通雅さんとの絵本『ぶきゃぶきゃぶー』がこどもたちに大人気とメールをいただきました(掲示板にmieさんからも)。杉山さんはすでに『がたごとがたごと』と、この『ぶきゃ』を歌ってくださってますが、今度は『しんじなくてもいいけれど』を歌ってくださるそうです。同書は帯広図書館の沼田陽子さんによれば、彼の地で「内田さんの絵本のベスト1」と評価されているそうです。わ、わたしが‥‥、いったんじゃありません。 

2003年4月28日

 昨日はムジナと春の奥多摩路を歩いてきました。いいえ、奥多摩釜めしというお店で釜めしを頂いてきました。そして春の野道をのんび〜りと。日向和田の神代橋から多摩川と若葉の緑を眺めていましたら、ふと、「この地球に自分が生まれ、生きて、死んだことは確かなことなんだな」と思えてきました。生命のバトンです。わたくしは、その一コマを生きたのでしょう(まだ、死んでいませんが)。そう思ったら、急に恐竜がなんだか親しい仲間に感じられてきました。「きみの一コマ。それにつづいた、ぼくの一コマ」と。

 今日は絵本文章「ぼく わらわないもん」を書き、夕方、某社へ送りました。
 10月に講演をとの依頼を頂きました。よって?講演は月2回の内規に従い、本年10月の講演は満了とさせていただきます。スンマセン。

2003年4月26日
 
 なんとも蒸します。どの窓も開けっ放しなのに、なんと26度。まだ4月なのに。扇風機を買ってこねばと考えております。クーラーは据付てあるのですが、わたくしはこれに弱いのです。かならず9月に倒れてしまいます。‥‥軽井沢に別荘か。アハハハハ。
 紙芝居を書いておりました。

2003年4月25日

 童話「へんてこ森のヤー・ヤー」の4回目の推敲を終え、夕方、某社へ送りました。どうととでもなれい!─という心境であります。
 ムジナは碁仲間と奥多摩の国民宿舎へいそいそと。亭主(わたくしですよ)は仕事部屋でしこしこと。いそいそとしこしこ。如実ですなあ。

 これあたりまえのことなんですけど、金正日もブッシュも死ぬんですよねえ。だって毛沢東も田中角栄もわたくしの父も‥‥わたくしも。これって、すごいですねえ。なんだかんだといっても、金正日もブッシュも死ぬんです。本人は知っているのかなあ。すごいなあ。

2003年4月24日

 某社へ「一行詩」アンソロジーの作品を送りました。採否はあなた任せの春の空であります。 そのあと午後3時30分まで絵本の発送作業。そして電車に乗り子ダヌキのところへ。じいさんがボールを投げ、少年が打ち、走り。じいさんも球拾いに走り。‥‥じいさんはくたびれております。

2003年4月23日

 本日は塾のため、朝から手紙も書かず、推敲などもせず、ただひたすらに復習をして、先生のところへ。62歳の脳味噌の可能性について、ふと駅のホームで考えてました。結論は「3年ぐらいしたらわかるだろう」でありました。
 昨日の朝。多摩川の土手を散歩しながら「こんなに美しいものがあったのか」となんどもつぶやいていました。若葉と、風と、光と、野の草花に。宝石はすぐそばにあったんですね。

2003年4月22日

 四谷で梶山俊夫展を見た足で、ご近所の童心社へふらりと寄りました。わたくしを絵本界へ出してくださった千々松勲さんとよもや話。今江祥智・長新太コンビによる絵本の割付をちらりと見せせていただきました。うーん、マイリマシタ。下園昌彦さんからは<わたくしの絵本>評を頂きました。そのあと紀伊国屋書店新宿南口店でうろうろ。文庫本など6冊買って某ホテルへ。田島征三さん、編集者の永牟田律子さんと、紙芝居の検討です。まだまだ一苦労せよというのが結論です。

 日販主催による鹿児島市の講演は、7月20日(日)・午後2時・鹿児島総合卸商業団地協同組合会館と決まりました。

2003年4月21日

 たまりに溜まっていた詩誌や手紙のお礼状を書いていました。それでもまだ受贈本の山がありまして‥‥。横着を決め込んでいるわけではありませんが、誠実を貫けば締め切りが守れず、かといって両方を叶えれば‥‥。まあ、確実にばったんQと倒れるでしょう。「それは、いやだよね」とわたくしの体はいい、「そうだよね」とわたくしのこころが答えるのであります。というわけで、今日もわたくしはほどほどの誠実というか、「まあいいか」という調子で生きております。

 本日の我が家の構図は、ばあさんは山にお遊びに、じいさんはお部屋でお仕事でした。

2003年4月20日

 雨なのに羽村の堰にはレインコートを着た釣人が三人、入っておられました。今日は日曜日。「ああ、明日は出勤なさるから、雨でも‥‥」と、その貴重な休日にいささか感動しました。
 毎朝、郷土紙「有明新報」と「大牟田からの独り言」をネットでのぞいています。どちらかといえば独り言さんのほうが体温があって魅力的です。その、独り言さんの情報に「有明新報によると、4/16、有明高専ロボット大蛇山プロジェクト支援協議会が設立された」とありました。ややこしいですか?

 童話『へんてこ森のヤー・ヤー』(仮題)の三回目の推敲を終わりました。

 市議選のスピーカーがうるさくて「昼寝ができんなァ」とぼやいていたら、こてーんと眠っていました。鈍感のようです。

2003年4月19日


 二日酔いのぼんやり頭で仕事部屋へ行きましたら、伊藤秀男さんからFAXが届いていました。『うみのむにゃむにゃ』を描きますと。傑作だからうんぬんともありました(伊藤さんはヨイショをなさらない方です!)。版元は佼成出版社。いつ、出るのかはまだ決まっておりません。いずれにしてもまだ頭はぼーっと春霞です。

 野も山も頭の中も春みたい

2003年4月18日

 新宿で講談社の塩見亮さんと会い、絵本『白鳥』とナンセンス絵本の打合せ。ナンセンス絵本の絵は異能の人Tさんにお願いすることで二人の思いは一致しましたが‥‥。さて、さて。
 そのあと、第22回損保ジャパン美術財団・選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館)を観て、詩誌『騒』の同人会へ。二次会でビール。もちろん、断固として明日は二日酔いになります(というその明日の朝、これを書いている、へんてこさ)。
 アメリカが崩壊するときが、なぜかぼんやり浮かんできます。アメリカが大勝利したはずなのに。

2003年4月17日

 そうなの。
 
テレビで偶然に、そして初めて、「剣客商売」を観たのは、昨日だったでしょうか、今日だったでしょうか(日記を一日休んだので「?」状態です)。梶芽衣子さんの衣装にうっとりしていました。その粋なこと。変わるたびに「お!お!」と目が悦んでで。堅気ではないその着物の柄と着付けではありますが、それがまた‥‥たまりません。
 「また、観ようっと!」と決めました。

2003年4月16日

 今日は塾日です。いつものように朝から復習、復習。昼からも、また復讐。そして塾へ。体も脳味噌もぼろぼろへとへと。老人がかくも過酷なことを始めるものではありません。合掌。

 ひかりのくにの岩井紀子さんから、絵本『かあちゃんかいじゅう』が届きました。書店に並ぶのは来週でしょうか? わかりません。絵は今年の講談社絵本賞受賞が決まったばかりの、旬のひと・長谷川義史さんです。文はともかく絵は実に笑えます。

        ひかりのくに 定価1200円/税別

2003年4月15日

 20000万人目のお客様は、神奈川県のYさんでした。ありがとうございました。
 本日も童話の推敲作業です。そこへ偕成社の小柏香さんより電話が「リンリン」とわたくしを呼び捨てるように。でも、うれしい報せでした。「『ありがとうともだち』の発売が6月3日に決まりました」。全国のみなさん、よろしくよろしく喧伝してくださいまし。

 8月28日。筑後市へ行くことになりました。講演は月2度だけの掟破りですが‥‥。「義理と人情を秤にかけりゃ」、義理が重たいこの世でございます。夕方、お隣の最上一平さんちへ。話題はいつものように本が売れてほしい、でありました。 
                         
  

2003年4月14日

 おれって、罪なことをしているのかなぁと、ふと思っております。2万人目の訪問者の方に─と書いたためでしょう。今日はHP日記への訪問者数が異常です。きっと「わたくしこそ」「われこそ」と何度も同じ方が訪ねてくださっているのでしょう。ありがとうございます。

 本日は童話の推敲をしたり、絵本作家浜田桂子さんの短歌を読んだりしていました。多摩川の土手はスミレがいっぱいです。

 絶対に殺されないやつの賢そうなリクツ。殺される人間はどこにもいません。ひとりもいません。このバーローです。

2003年4月13日

 ムジナと一緒に若い人たちの絵を見てきました。川端理絵さんと佐藤寛之さんの「古今」展。場所は池袋駅から地下鉄丸の内線で一駅。新大塚下車徒歩2分のところにある大塚公園画廊です。川端さんとは、すずき出版の月刊絵本『あらあら』でご一緒しています。今回も、「えいーっ!」と気合が前へ吐き出されている絵でした。「若者でござる」。そう思って帰って来ました。
 帰りに疲れたので新宿高島屋で、葛きりそうめんを食べました。ガラスのような透明さで、それにまた透明の蜜と、緑が。涼しさを感じました。450円ポッキリ。これポッキリ?

2003年4月12日

 昨夜、お猪口一杯ほど梅酒を。そのせいでしょうか、今日は頭がぼんやり。仕事にはなりませんので、手紙を書いていました。お礼状ばかりです。外もぼんやり、雨が降っています。

2003年4月11日

 山梨県一宮町立南小学校の2年生のお招きで、桃の花を見てきました。まだ三分咲きでしたが、子どもたちの笑顔は満開でした。なぜかみょうになつかれ‥‥、おててつないで散歩をしてきました。写真はわたくしの<へんな詩>に笑ってくれている子どもたちです(2年生から6年生までが聞いてくれました)。お土産もどっさりいただきました。お酒にワイン、信玄餅にクッキー。おいしいクッキーは真木福祉作業所のみなさんが作られたものです。智彦くんのお母さんにいただきました。智彦くんは、去年の秋に学校を訪ねたとき「また、来週来てね」とモノスゴイコトをいってくれた子です。志村校長先生、筒井先生、そしてみなさん、ありがとうございました。  
●写真は後日入れます。


速報  7月25日〜9月30日 安曇野・ギャラリ-「森のおうち」で伊勢英子さんの個展が開かれます。絵本『白鳥』(講談社)の原画も展示されます。


2003年4月10日

 午前中、立川にて文溪堂の編集者大場裕理さんに会い、絵本『ワニぼうのかいすいよく』のラフを見せていただきました。絵は高畠純さんです。あらためて絵描きさんってすごいなあと思いました。わたくしの[まずしい]物語がふっくらとふくらんでいました。ほのぼのと、ぼのぼのと。

 午後、電車に乗って子ダヌキのところへ。99円ショップで買ったゴルフに付き合いました。ボールが風にふうわふわと飛んでいくところが、おかしくもあり、あわれでもあり‥‥。要するに子ダヌキは、自分のプレーをわたくしに見ててほしかったんですねえ。(ああ、おれと同じだ)と思いました。わたしも、また、自分の絵本をだれかに見てもらいたくて‥‥。

2003年4月9日

 今朝、esbooksの「昨日のランキング・絵本」を開いてびっくりしました。なんと幻の傑作『あれってしってる』が第3位になっていました。「ルックはもう存在しない会社なので、早い者勝ちです」と、このHPで流したのが効いたのでしょうか。それとも‥‥。(ぐわ〜ん! 10日の朝には大陥落、行方不明となっておりました)
 どこかの出版社で、この傑作を復刊してくれないかなあ。
 本日は塾でありました。 

 水内喜久雄・編『詩は宇宙』(ポプラ社)の2年生と4年生が届きました。2年生に「なみ」が、4年生に「たいくつ」が収載されています。           

      1300円(税別) まど・みちお 工藤直子 谷川俊太郎‥‥

 
7月25日。福岡県瀬高町で講演します。

2003年4月8日
 
 午前中は版下を描いていました。課題図書になった『ワニぼうのこいのぼり』(絵/高畠純/文溪堂)の販促用です。指定図書になった各社が、今年は書店用に作家?の手描き(を印刷)POPを作るんだ、そうでありす。
 午後は童話の推敲をしていました。

 偕成社の小柏香さんから電話がありました。「『ありがとうともだち』が校了しました」と。これで6月発売は間違いありません。
 文溪堂の大場裕理さんからも。「『ワニぼうのかいすいよく』のラフがとどきました」と。こちらも6月発売です。
 季刊『この本読んで!』の小林絵里子さんからも。「『麟のひとりごとA』、いただきました」。なぜか笑っておられましたねえ。

  たぶん、わたくしの友だちでもあるはずなんですが、長谷川義史さんが『おたまさんのおかいさん』(解放出版社)で講談社絵本賞を受賞されました。編集者の綱美恵さん、おめでとうございます。綱さんはわたくしの『ひたひたどんどん』(絵/ 伊藤秀男)『つれたつれた』(絵/石井聖岳)もこしらえてくださった名編集者です。この絵本を選ばれた選考委員のみなさんを尊敬しながら。

2003年4月7日

 先ごろからしこしこと(もしくは、ちんたら)と書いていた童話が、やっと書き終わりました。といってもまだ初稿です。これから「ああでもない。こうでもない」と推敲の日々が始まります。
 というわけで夕方、ムジナと近くの多摩川へふらりと花見に。土手の桜は満開でした。でもねえ、酒を飲まない花見というのは、あれですなあ。

 名古屋にあるメルヘンハウスの三輪哲さんから、お電話をいただきました。5月の作家コーナーは「内田麟太郎さん」だそうです。現在、取り寄せ可能な本はすべて展示してくださるそうですから、よろしくお願いします。名古屋・岐阜・三重方面への広告でありました。

2003年4月6日

 昨日の雨は夜になり霙や雪になったようです。仕事部屋(6F)から眺める奥多摩の山々も丹沢も白くなっています。羽村の堰の桜は満開なのに。その桜に見とれながら郷土博物館で地元在住のアーチストたちの野外展を観てきました。なにかしらうれしい気持ちでした。

 紙芝居をなんとか書き上げました。あとは編集者にお任せするしかありません。面白かったのは、手に絵葉書を持ちながら、紙芝居を演じている気持ちで、文章を推敲?していくと、文体が変わっていくことでした。書きの文体から、演ずる文体へでしょうか。ささやかですが得るものがありました。

                 「あめだま」 文/新美南吉 にっけん教育出版社 

 長野ヒデ子さんから絵本『あめだま』をいただきました。新美南吉さんって、やさしい人だったんですね。そのやさしさを、長野さんが春風のようにふ〜わりと描かれています。

 追伸●のような広告。幻の傑作絵本『あれってしってる』(絵/かわむらふゆみ・ルック)は、まだYAHOOで入手できるようです。ルックはもう存在しない会社ですから、絶対、希少品です!

2003年4月5日

 お花見予定→雨→娘宅でおにぎり、お弁当、手作りウインナーで小宴会→全員ごろ寝(子ダヌキのみ活発に活動)→テレビで焼肉の場面→ムジナ、発作的に「焼肉が食べたい!」→カワウソ夫婦、イタチ夫婦、子ダヌキ、ムジナ、わたくしの七人で焼肉屋へ=外は雨。

2003年4月4日

 紙芝居を書いていました。子どもたちが笑えて、どきどきできるもの。そのことを考えながら‥‥。でも、わたくしの中では、紙芝居は絵本にくらべたら、かなり保守的な世界です。まだ、紙芝居の『うそつきのつき』にも『もこもこ』にも出会った記憶はありません(わたくしの不勉強かもしれませんが)。このあたりのことは、やはり考えないわけにはいかないでしょう。「物語は外せないのだろうな」といささか計算が働きます。

 羽村の桜はまだ五分咲きです。

2003年4月3日

 俳諧というより俳怪をいくつかひねっておりました。『この本読んで!』の「麟のひとりごと」の飾り用です。しみじみとしたものは出来るのですが‥‥。しみじみじゃねぇ、麟さんにはふさわしくありません。どこかおかしい。それが求められているいるんでしょ。そのいくつかを河童と狸に見せたら大笑いされました。「わかっちゃいねえな、おまえ」。ふん、です。これがそのふたりがお手本に置いて行ったものです。

         なめくじをふとまた舐めし蟇蛙    河童
     海開き人民大衆どっと混む         狸候

 狸はどうやらわたしとおなじレベルのようです。

2003年4月2日

 子ダヌキとカワウソとムジナの4人で箱根へ行っておりました。ユネッサンというところでお風呂(温泉)に入ったり出たり十数回。お風呂は疲れをとるところではありません。実に疲れるところです。あとは、まあ子ダヌキ中心のプランですから、登山電車に乗り、ロープウエイに乗り、海賊船に乗り、東海道の杉並木を見上げ‥‥。わたくしはときどききれいなお姉さんを眺め‥‥。小田原では桜が春雨に濡れていました。

 

2003年3月29日

 昨日書いた「麟のひとりごと」を推敲し、立川へ。長谷川義史さんとの絵本『かあちゃんかいじゅう』(4月下旬発売)を担当してくださった、ひかりのくにの岩井紀子さんと楽しき密談。どんな内容か。それはいえませんよ、それが密談というものでございます。

 長野ヒデ子さんより、ご出身地今治のタオルのポスターをいただく。バスタオルの母子像がいいんです。ことにお母さんのスタイルが純日本風(つまり8等身ではありません)でたまりません。「おかさ〜ん」という声が聞こえてきます。

2003年3月28日

 多摩川の土手に土筆を二本見つけました。辞書を引いたら、古称は「つくづくし」とありました。筆の花、とも。
 『この本読んで!』夏号の「麟のひとりごと」を書きました。目が疲れているのでチーズを食べたらよく効きました(わたくしは肉をあまり食べません)。人間にはときどき肉系が必要なんですねえ。
 追記・児童書専門店エルマーの前園敦子さんにいただいた、おばあちゃん秘伝「幸茶」(霊芝、どくだみ、はと麦、ほか‥‥)も飲みましたから、もしかしたらこちらが? わかりません。

2003年3月27日

 詩「ちんたら」を書きました。ちんたら、ちんたらした、いいかげんなものです。そのあと童話をしこしこ、3時に仕事部屋を飛び出し子ダヌキと不二家へ。ひさしぶりにショートケーキをいただきました。

 NHK教育テレビで、「あしたもともだち」も“こどもにんぎょう劇場”に登場することになりました。放映は10月です。10月は「ともだちや」が3回、再放映されます。「あしたもともだち」も4回。それで10月は計7回、あのオオカミとキツネがしっこくお邪魔します。スンマセン。

2003年3月26日

 晴。羽村の堰、釣り人6人。桜蕾。ぽぺ。

2003年3月25日

 朝から、せっせと手紙を書いたり、メールの返事を出したり。3日も家を空けた罰であります。
 午後2時、仕事部屋に南谷佳世さんがお見えになりインタビューを受けました。月刊『MOE』特集「絵本作家になるために」の企画です。絵詞作家としてのノウハウを全公開しました。南谷さんは絵本評論も書かれ、『この絵本が好き!』(平凡社)で山本孝さんとわたくしの『十二支のおはなし』を「昔話に新しい生命を吹き込みました」と紹介してくださっています。一言にしてなかなかと、わたくしは思うておるのですが、いかがでしょう。

2003年3月24日

 22日 小さな小さな村、矢部村(福岡県八女郡)へ。「世界子ども愛樹祭コンクール受賞式」(前夜祭?)です。子どもたちによる記念樹の植樹と、受賞作品の除幕式などがありました。

 23日 受賞式。昨日は来れなかった長野ヒデ子さんも駆けつけて来られました。福岡飛行場から車で2時間の山村です。午前6時ころには、もう羽田だったことでしょう。スリランカとタイからも絵画の部門の受賞者が。お二人とも小学生の女の子でした。タイの女の子の繭から糸を紡ぐ踊りには、ただただうっとり。その指のしなやかさに、ぼー。
 いつものことながら村役場の「行事」ではなく、村の仕事という情熱が伝わってくる矢部村です。

 光村図書の方に車で送られて、長野さんと春日市の児童書専門店エルマーへ。二人でせっせと絵本にサインをしました。明日、モンゴルへ絵本の読み聞かせで行くという娘さんが三人。長野さんとの『こちょこちょ』『ほっぺっぺ』を買ってくださいました。いまごろは(25日・朝)はモンゴルで子どもたちに。うれしいですね。

 あわただしく西鉄電車で大牟田へ。旅館に着いたらおかみが「麟太郎さん、急いで!」。おかみは同窓生です。荷も解かず、魚半へ。楽しき同窓怪? 6月の上京の打合せのようでした。
 おかみのひとことで、わが部屋で二次会。はやはや。男より女が元気ですネェ。いずこも。

 24日 二日酔いの頭で、旅館(清風荘)に預けられてあった色紙と絵本にサイン。西鉄電車もひたすら眠り、JASもひたすら眠り、青梅快速もひたすら眠り、自宅へ。山形から帰ってこられたばかりの最上一平さんと、たがいに郷土のお土産を。どちらも饅頭でしたなァ。

 〒。産経新聞18日号が届いていました。絵本『しんじなくてもいいけれど』の紹介です。ほっ。

2003年3月21日

 (昨日の日記)偕成社の小柏さんから『ありがとうともだち』の三校が届きました。色が深くなり、いい上がりでした。いまごろはスロヴァキアの降矢さんのところへも、同じものが飛んでいることでしょう。

 新宿で詩誌『騒』の同人会。子どもの本の世界に居ると、世間的にいいひとになっていくような気がします。「もっとヤクザにならなくてはいかん」と自戒しながら詩友とビールを飲んでいました。つまり‥‥、また、本日もトドしてます。

 宇多田ヒカルさん(20)が「正しい戦争なんてない」といった日。娘もラムズフェルド国防長官に抗議のメールを(アムネスティ経由)。

 

2003年3月19日

 岩崎書店の島岡理恵子さんより、絵本『たぬきのおつきみ』のダミー(ラフ)が届きました。その絵にただただ驚嘆、感嘆、大笑いしています。絵は『十二支のおはなし』で“世界を震撼させた”あの山本孝さんです。あえて断言的に、然り、断言的に申しませう。この秋、とんでもないお月見絵本が出ます。笑いとパワーに、どっとあふれにあふれた。
 昨日、詩「同窓会」を書きました。そのひとへの鎮魂歌です。本日は塾であります。

2003年3月18日

 昨日は童話を書き、夕方から中野へ。詩誌『方方』の同人会です。ビールSAIGONを飲み、2次会で詩友の歌う「望郷酒場」を聴きながらの、なぜか「これでいい、これでいい」と、こころで繰り返していました。今日は、また二日酔い的トドをしています。

 イラク攻撃反対に署名した娘から、つぎのようなメールが届いていました。案内します。

日記を見ていたらサイバー署名をしているようなので…。下記のページでも3月20日まで受け付けてるよ。

http://homepage2.nifty.com/mekkie/statement_j/index.html
(イラク問題の平和的解決を求める日米市民のアピール ブッシュと小泉宛に提出される署名 byワールド・ピース・ナウ)

私はココで署名した。説明が日本語だったから…。アムネスティでもやったんだけど、2月いっぱいで終わったみたい。
グリーンピースでは、小泉&川口&国会議員に戦争不支持意見メールを送る署名ページがあるよ。

http://www.greenpeace.or.jp/cyberaction/nowar_iraq2_html

2003年3月16日

 羽村にお住まいの西湖純子さんから葉書をいただきました。
 また柳田邦夫さんがわたくしの絵本の名前を出してくださったそうです。ことばあそびの絵本として(13日・NHKラジオ)。またと書いたのは、いろんな方から「柳田邦夫さんが、内田さんの絵本をほめておられたわよ」と何度も耳にしていたからです。そのたびに、わたくしは「ああ」と溜息をつかされています。まだ一度もお礼状を出していないからです。‥‥ハズカシイ。この一語に尽きるのです。好きな人と話すのが(手紙を出すのも)、なぜだか、どうしてだか、だめなのです。だから沢口靖子さんとも、まだ一度も‥‥。
 今日も、柳田さんの息子さんがお好きだった、バッハのマタイ受難曲「憐れみたまえ、わが神よ」を聴こうと思っています。


NHK教育TV・こどもにんぎょう劇場「ともだちや」の放映は次の通りです。
320日(木) 午前9時15分〜9時30分 


 やすこさん(掲示板をご覧ください)をはじめ多くの方が、アメリカのイラク戦争に反対されています。今日も人形劇「ともだちや」を公演してくださっている、おひとり座の西川禎一さんから、世界中をめぐっている反戦メールが届きました。署名して友人へ転送しました。愚かさと崇高さの間で、おろおろしつづけるただのひととして、戦争に反対したいものです。 

2003年3月15日

 ごろんと転がって‥‥。ただただトドをしております(二日酔いです)。

 そんなところへ山梨県一宮町立南小学校の一年生のみなさんから、おなじ絵柄の絵葉書が24枚も届きました。絵柄と書きましたが写真です。桃の花咲く一宮町の風景です。葉書の一枚一枚には「りんたろう先生、ももの花がさく四月にあそびにきてください」。‥‥‥‥。「あそびにいかざぁ〜なるまい」とつぶやいています。

 ところで赤木かん子さんが、諸所方々で褒めてくださっているからでしょうか。絵本『ぶきゃぶきゃぶー』(絵・竹内通雅/講談社)が不思議な動きをしております。香川の山地洋子さん(子どもの本の店・ウフー)も「なにかが、ぶっとぶかんじ」と『この絵本が好き!』(平凡社)で。むっむむむ。

2003年3月14日

 ムジナと映画「戦場のピアニスト」を観ました。戦場の廃墟を流れるショパンに、不覚にも涙が溢れてきました。ムジナも涙をぬぐっているようでした。人間の愚かさと崇高さ。わたくしは、ささやかにもいわなければならないでしょう。イラク戦争にハ・ン・タ・イ

 その後、ムジナと別れて、吉祥寺へ。トムズボックスで飯野和好展(へんな絵ががあって「いいなあ」と思いましたが売薬の赤札が)を見て、偕成社の千葉さんと小柏さん、わたくしの三人で、絵本『ありがとうともだち』の打ち上げ会をしました。絵本はまだ出てない(6月刊)というのに。降矢ななさんが居られないのが残念でしたが‥‥。島ずしや明日葉の天麩羅など、おいしくいただいてきました。「こんどは降矢さんと」と、三人でいいながら。

 

                         

2003年3月13日

 手紙をいくつか。童話をしこしこ。そしてあわただしく子ダヌキのところへ。このごろ一時間早く呼びつけられております。大人の事情も知らないで。

 昨秋。緋メダカを七匹、睡蓮鉢に放しました。春がきたら‥‥。なんとそのうちの一匹が黒いメダカに変身しておりました。先祖返りでしょうか。わたくしは嬉しいんですけど。

      ニューヨーク市議会、イラク戦争反対を採択。ロス、シカゴ市議会も。

2003年3月12日

 昨夜、好きな女優さんをつぎつぎに想っていたら、眠れなくなりました。「ああ、明日は塾だから眠らなくては」とあせるのですが‥‥。靖子さんが微笑み、ルリ子さんが笑い、りえちゃんが見つめ。つくづくとワレはあほやなぁと知りました。おかげで本日の塾のテストはやや迷走。
 でも、後悔などしておりません! 絶対に! 男は女によって磨かれる、はずです。‥‥たわし?

2002年3月11日

 だから‥‥のんびりしていました。

    梅一輪それがどうしたぼくドラえもん 呆哉    

2002年3月10日

 旅の疲れにぼんやりしていると‥‥、子ダヌキから電話がありました。元気のない声に「風邪をひいたの?」と聞くと「うん」。「ゆっくりお休み」といって電話を切り、あわてて電話を。「あと3分で、NHK教育テレビで『ともだちや』の人形劇がはじまるよ」。すると「おっ!」とも「うおっ!」とも聞こえる歓声が。感想は「おもしろかった」そうです。

 バナナとアンパンを、豆乳で食べ、新宿へ。童心社の永牟田律子さんと田島征三さんの三人で紙芝居の打合せを。旅の疲れは明日、回復しませう。

2002年3月8日

 8日午後15:30 羽田発JALで恵庭へ行きました。うーん、若いお母さんたちでした。その美しくも若いお母さんたち(やや、おべんちゃら?)3人と危うく遭難しそうになりました。地吹雪です。さすがは北海道でした。おいしいタラの白子天麩羅をいただいて、日航ホテル555室で就眠。

    東京・大阪・札幌などでアメリカのイラク戦争に反対するデモのあった日。東京4万人。

 9日 恵庭市立図書館で講演しました(主催・竜の子ネットワーク)。内容はいつもの通り、かあ〜るい漫談です。でも、200km以上も離れている帯広市や、これもまた遠方の白老町からも来ていただきました。みかん3号さんも車で1時間を走ってきてくださったそうです(掲示板をお読みください)。いくら鈍感なわたくしでも‥‥胸がペケペケになりました。おかげで会場は定員を越え、絵本の追加注文もいただきました。やさしく、そして‥‥、限りなく目いっぱいに内田サンを利用してくださった、ネットの皆さんありがとう。そして司会をしてくださった福田洋子さん、図書館みなさん、お元気で。

2002年3月7日

 本日はぼんやり休んでおります。沖縄の宮城隆子さんからお葉書をいただきました。そういえば、宮城さんに、4月に開通する沖縄のモノレールの駅壁画に、儀間比呂志さんの作品が採用されたと教えていただきました。うれしい話でした。
 明日は、北海道の恵庭へ行きます。呼んで下さるのは、竜の子ネットワークのみなさんです。

2003年3月6日

 休むつもりが‥‥やすまぁ〜れませんでした。なんでやろ?
 ひかりのくにの岩井紀子さんから、絵本『かあちゃんかいじゅう』の原画コピーが送ってきました。「ええやん! ええやん!」と長谷川義史さんご自身も言われているそうです。わたくしも「ええやん! ええやん!」。ところで、この岩井さんが担当された『なつのいけ』(絵・村上康成/文・塩野米松)が、本年度の日本絵本大賞を受賞されました。村上さん、おめでとうございます。岩井さんは、めちゃくちゃ喜んでおられました。いいですなあ。

 二週間ぶりに子ダヌキに。頭が一休さんになっておりました。母親のバリカンなのでところどころがぽやぽやと。

2003年3月5日

 

2003年3月4日

 童話をしこしこ。古本情報誌「彷書月刊」(インタビューオー)のゲラを校正。かなりアブナイことも喋っていましたが、なるべく直さない方向で朱を入れました。

 『ありがとうともだち』本文の色再校が届きました。発売は6月初旬になるでしょうか。
 どこが2日働いたら1日休む宣言でしょう。 7日(木)は朝から休むゾ!と固く決心しております。  
                        自分はヘンな人が好きだとわかった日。

2003年3月3日

 ウオーッ! おわったぞ。おわったぞ。税金の申告書、書きが終わったぞ。ウオーッ! ああ、すっきり。

 ひかりのくにの岩井さんから電話が。「長谷川義史さんの原画が出来上がってきました。いいですよ、いいですよ」。うれしくて声が笑っています。「笑えるんですよ。いろんなところで。長谷川さん、きっと楽しんで描かれてたんです」。編集者がしゃわせだと、わたくしもしゃあせになってきます。長谷川さん、あ・り・が・と・う。

2003年3月2日

 栃木県宇都宮市では家が倒れておりました。散歩で多摩川に架かる橋を渡るわたくしも、強風で反対側の欄干へよろよろよろ。こんな日にまで散歩をしている「おれは、馬鹿じゃないかしら」と思いましたナァ。
 童話をしこしこと。 トルコ国会がイラク戦争での米軍駐留を否決した日。

2003年3月1日

 雨です。本にどっさりサインしていました。それから三田村邦彦さんの刑事ドラマを見ていました。仕事部屋で。ひさびさにの〜んびり。

 故郷の川、大牟田川です。昔は悪水川とも、七色川ともいわれていました。日に何度も川の色が変わっていたのです。工場の排水で。でも、今は魚も寄り、小鷺も寄っています。大正時代は白魚がいて、「おれどんは、泳ぎよったたい」と父は言ってました。

 2002年/秋