■イチゴを食べながら考えた事
 3月の下旬に、友人とイチゴ狩りに行ってきました!愛知県蒲郡市の「蒲郡オレンジパーク」という所です。20代の男の姿は私ぐらいしかなかったのですが、その恥かしさは考えない事にして、おいしいイチゴを食べまくってきました。といっても、私は小食なので、すぐおなかがいっぱいになってしまいます。それな のに、調子に乗って食べ過ぎ、動けなくなったので、(イチゴはしばらく食べたくないなぁ〜)なんて思いながら、ボケー・・・としていました。

 ボケーっとするのにも飽きた頃に、どこかのお子さんの「こっちのイチゴが甘いよ!」という声が聞こえてきました。それで、ふと、(イチゴの甘味の感じ方は、人によって違うかも?)と思いました。つまり、同じイチゴを分け合って食べた時、甘くておいしいと感じる人もいれば、甘味が少なく物足りないと感じる 人もいるのでは?ということです。これはお菓子にもあてはまることです。いつも同じ配合で作っていても、その時の外気温・菓子の温度・体調などで感じ方は変わります。もちろん、好みの問題もあります。

 梅屋のお菓子は、全体として甘さがひかえめです。正確に言えば、「甘さがひかえめだ」と感じるお客様が多いようです。甘味の強さのかげんは、お菓子屋さんによって違います。それは方針の違いとも言えるでしょうから、どれがよいということはないのです。私は、「なるべく多くのお客様に支持される甘さ」を基準にしています。その上で、出来る限りお客様ひとりひとりのお好みに合わせる努力をしています。「多くのお客様に支持される甘さ」というのは、長い目でみれば変化していくものです。そして、和菓子に限らずにいろいろな物を食べなければわからないことです。幸い私に食べ物の好き嫌いは無く、洋菓子も大好きですから、その努力は楽しい事ですけどね(笑)。

 さて、今の「おいしく感じる甘さ」はどうなっているのでしょう?私は、甘味が強い方へ少しシフトした気がします。特に洋菓子において感じます。みなさんはいかが思いますか?「甘さがひかえめ」=「おいしい菓子」という間違った風潮に流されず、「自分にぴったりの甘さ」=「おいしい菓子」と思う方がもっと増えることを願っています。