◆ 職 人 の 道 具 ◆



 お客様が普段目にすることのない、菓子作りの道具達。わたしの祖父からの大切な贈り物でもあります。そんな彼らに日の目を当てるこのコーナー。楽しくみていただけたら幸いです!

■木型
 木型は練り切りや焼き物の型押し、打ち物などにつかわれます。打ち物には茶席用の干菓子のほかに、慶事や仏事の引き出物として使われる鯛、松、竹、梅、鶴、亀、蓮華などの大きなものもあります。
 木型の材質は桜がほとんどです。なかでも山桜が最適とされています。

 この台材にいろいろな模様を彫り、種を詰めて打ち出しますから、鋭角的で、しかもふくらみのある彫りでなければ、きれいな仕上がりにはなりません。
 一本の台材だけでは打ち出す時にくずれたりして、模様には限界があります。

 そこで考案されたのがゲソ板と呼ばれている板で、種を詰めたら、ゲソ板をはずしてから打ち出します。
 ゲソ板を使う事によって、立体的な厚みとふくらみのあるお菓子を打つことができます。

 木型によって作られた、お干菓子の一部です。