第四〜六回
第六回【白一面種漬花
の巻】('03/3/18〜4/13)
初折表六句
1発句 白一面種漬花の彼岸かな
2脇句 下萌えの花鳴く初雲雀
3第三 イン1番白球伸びる春の空
4四句 成層圏にも飛行体あり
5五句 名月や団子のせたるシャトル哉
6折端 虎さん稼ぐ秋祭りきて
初折裏十二句
7折立 天高し唐黍の皮積みあがる
8二句 西瓜二皿秋波そえて
9三句 頬染めて寄り添ひ食むや爺と媼
10四句 梢揺らして森の人たち
11五句 御柱地を響かして山下る
12六句 諏訪の大社に木遣りの美声
13七句 貯木場に月影映えて夕涼む
14八句 30階の風鈴の音
15九句 風除けの石塀の中低き屋根
16十句 庭にブーゲン垣根ハイビス
17十一句 酒つれてさくらさくらと北上す
18折端 春の宴に黒田節かな
名残表十二句
19折立 槍草やなにゆえ雀の鉄砲か
20二句 田に群がりて食う米二俵
21三句 ねずみの娘婿はどなたが良いのやら
22四句 真紀子推薦変人純ちゃん
23五句 支持率も株価も下がり景気冷え
24六句 日本列島春風を待つ
25七句 知らぬ間に移り行く四季風で知る
26八句 二皮むけたあの娘にほれる
27九句 磨かれしマイフェアレディー愛を知る
28十句 熱き想いに名車復活
29十一句 月代や日の丸残れル・マン島
30折端 牛蒡抜きした運動会や
名残裏六句
31折立 芋堀や孫押しのけて顧みず
32二句 菜の花の土手泥鰌をすくう
33三句 宍道湖の水面に流る安来節
34四句 思い起こすはM氏の勇姿
35五句 琵琶の音の嫋々と鳴り椿落つ
36挙句 落人の村ものみな芽吹く |
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春・花
春・花
春
雑
秋・月
秋
秋
秋・恋
恋
雑
雑
雑
夏・月
夏
雑
雑
春・花
春
春
秋
雑
雑
雑
冬
雑
恋
恋
雑
秋・月
秋
秋
春・花
雑
雑
春・花
春 |
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鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水
鵜雪
居倉
如水 |
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1 【彼岸の入り】奇しくも今日は彼岸の入り、水辺一面に咲く種漬花は殊の外白い。
2 昨年より1月遅い春、彼岸の声を聞いてようやく梅、椿が咲き出しました。
(世話人)仰せのとおり定座は「春」でした。ミスごめんなさい。乞う、ご指摘。
3 スタートを待つ間、タンポポの野に仰向けに寝そべっていると揚雲雀。
前句「下萌えの花鳴く初雲雀」の情景そのものでした。
4 【悪い連想】今日、アメリカ・イラク戦争はじまる。日本はどうか?
白球を追っていたら、遥か上空に不明の飛行体あり、テポドンか?
万が一にも、あることが無い連想である事を祈る。
5 【月への旅は何で行く】
かぐや姫は牛車、アラジンは絨毯、ETは自転車(?)、満天はシャトル、空に
上がった白球は団子に変わり月のクレターにホールインワン。めでたし目出度し。
6 虎さんの実家は柴又の団子屋。団子に「てっぽうだま」の意あり。満天は無事帰還 。
7 【とうもろこし】もいで、むいて、ゆでて、皆でかじる玉蜀黍の甘さは格別。
縁日の付け焼きもまた、懐かしいけれど。
8 気付いているやらいないのやら。あの手この手とつくしてみるが朴念仁には
腹が立つ。ぼやく年増の独り言「西瓜」が秋の季語、陽暦と陰暦の違いで
しょうがぴんとは来ない季語ですね
9 冷たい西瓜は、上気の二人に口当たりがよい。恋せよ恋。恋に歳は無関係。
恋は無季がよいのでは?。「そえて」と「添ひ」は同意語か?。乞う、ご意見。
10 【森の人】森の人・オランウータンは、老人そっくり。二人でバナナを食っている。
11 森の住人は太古よりの真直ぐな巨木を祈りを捧げ伐り、峻厳な山より地に
降ろす。木は御神木となり神殿を支える。その数6本、柱に支えられた社は
高さ50数mに及び天にも届かんばかりなり。
12 諏訪大社の御柱祭りは、長野オリンピックで一層有名になる。七年毎の祭りは
来年に。主役の木が底をつき、林国日本と同様に将来が案じられる。
13 永年お世話になった木場の周りは一面貯木場、夏の間は夜業の合間に、
水辺に出て頭を休めたものです。愛を語り合った方も居られる事でしょう。
14 江戸の風情の木場も都市再開発で高層マンションの並ぶ街になりました。
気風が自慢の深川芸者もオババばかり、黄桜の三浦布美子の妖艶なポスター
も夢は昔・・です。「大川の花火を下にみる」。東京新下町の風情です。
15 沖縄は台風の通り道、列島も様々。屋久島の皆既日食は見られるか、
きょう満天の最終回。月日の速さを感じる。
16 西表の印象。南の島には熱帯の花がいつも咲いている。
17 熱帯花は色、香り、バトンを受ける敷島の大和の春は「さくら」のみ。
色付いて良し、咲いて良し、散るも良し、愛でて良し、酔うてよし。
18 「花見」が自然だが「花」は避けた。入社当時の宴席で、年配の先輩が
よく歌っていた。今の若者は返杯など知っているだろうか。
19 【槍草】 春の田圃に生える槍草、穂先が槍のようだからそういうのだろうが、
又の名は雀の鉄砲、面白い連想ですね。
20 「猫に鰹節、雀に稲穂」秋に雀が失敬する量は一反に付き約120kgだそうです。
わが三老の食う米は180kg/年。草でも槍襖、雀を撃つ鉄砲ならもっと嬉しい。
とにかく雀を田に寄せるな、米作農家の願いです。
21 ♪俵のねずみが米喰ってチユー。青い鳥は身じかにいるのかも・・。
22 【改革の人】兎に角,変わり映えしないでは困るのだ。
真紀子に変人といわれた頃の純一郎に戻って、
ねずみの世界をも変えてもらわねば。
23 【昔鍋底】春闘から闘が抜け元気の無い春。労働歌が渦を巻いた日比谷公園も
昔話となりました。「日出る国」の早い復活を待ち焦がれる日々です。
24 医療費負担増・年金初給付減・時価会計中止案浮上等々、'97年の再来か?。
25 【風というもの】 昔、風の音で秋への移ろいを知った歌人がいましたが、
日本という風土に住む人の感覚、そのものだと思います。春を待つではなく
春風を待つとは、新しい期待を風に託して、妙を得た表現だと感じ入ります。
26 浅黒く今一ながら好きだった、時が来てあのアヒルの子は白鳥に。
好きの二乗は惚れるに変わる。
27 言葉は人を育て人を創る。言葉は概念、よい言葉を使いたいものである。
28 わかっているだろう、フェアレデイーよ、皆が君を愛しているのだ。会社再建の
象徴として、君を復活する。美しいオードリーも君のファンだった。
29 エコノミーカーとしては世界を制覇した日本車。然し、ベンツ、ジャガー、BMW、
フェラリーなどの欧州の高級車には二歩も三歩も遅れています。欧州の名車
に勝ってこそ世界が認める。その場がル・マン。正装の紳士が淑女をエスコー
トするに選ぶ日本車を早く見たいものです。「車文化」と称される「文化」は
欧州のみのもので金持ちはいても貴族のいないアメリカにもない文化と言われ
ますが・・・
30 国民学校二年生のとき、徒競走で先行グループが方向を間違え退場門の方へ。
おかげで小生が一等賞。あとにも先にもこのときのみ。
31 【芋掘り】芋堀というのは、子供が主役になるもののようだが、ついつい夢中に
なってしまって、『どいて、どいて、芋っていうのはこうやって掘るんだよ』とか
いいながら、何時の間にやら孫がいることすら忘れてしまう。
いい年をしてと、いつも反省する。
32 孫を押しのける元気者、今日は小川で泥鰌をすくう。「熱燗やあらありがたの
泥鰌汁」 孫は又々まごまごと、爺曰く「可愛い孫には旅をさせよ」と
33 「♪出雲名物荷物にゃならぬ覚えてお帰り安来節」関東の方はご存知でしょうか。
山陰旅行の宴会出し物の定番。いつ見ても可笑しく、こころが安らぎます。
34 【好漢】思い出は懐かしい。泥鰌掬いは今は亡き森山さんの十八番であった。
手ぬぐいをかぶって、掬うしぐさは絶妙な手つき腰つき。好漢よ、静かに眠れ。
(如水)昨秋、元特品:小西さんらと京都を歩いたとき、墓参りにいきました。
墓参二句「墓参りあまねく木の実に忍び足」「夕暮れや一緒に呑みたい友は墓」
35 旧木場の事務所前でバレーボールを楽しんでおられた姿を覚えています。
入社時の記憶です。沙羅双樹の花の色緒行無常の響きあり・・。
当時の紅厚顔の美青年も今は昔の枯れ尾花。
36 挙句は春爛漫を謳歌したかったのですが、流れから故人に遠慮した句になって
しまいました。が、氏のこと、彼の世でも賑やかなことを望んでおられるのでは。
第五回【きのふまで雪の巻】('03/2/19〜3/14)
1発句 きのふまで雪でありしや雨水かな
2脇句 土艶やかにいぬふぐり咲く
3第三 会う毎に姿を変える若芽あり
4四句 おませ奧手の彩り豊か
5五句 月満ちて五穀豊穣祭り笛
6折端 家毎に秋刀魚焼く煙立つ
初折裏十二句
7折立 秋愁ふ春夫の歌碑や影ながく
8二句 冷風ふきて秋蝶むつむ
9三句 雲早しそっと女の背に寄り添いぬ
10四句 肩に手拭い風呂屋へ急ぐ
11五句 角帯や粋な師匠の稽古受け
12六句 夢は果て無し俳諧の道
13七句 千住発ちはや白河や夏の月
14八句 思ひめぐらし聞く青葉木莵
15九句 古人行き今やまびこが後を追う
16十句 海越へ偲ぶ五稜郭かな
17十一句 武蔵野や新撰組と梅の花
18折端 春まだ浅し上水の流れ
名残表十二句
19折立 雪解川日ごとに波の高なりて
20二句 球けり遊ぶ子らの声する
21三句 いにしえの政治改革蹴鞠から
22四句 今なほ憂ふ飛鳥大仏
23五句 屋根の雪細き柱の家に居る
24六句 強き心材寒風育む
25七句 白神や世界に誇るぶな林
26八句 笑顔まぶしく囀りを聞く
27九句 そう急くなこれはわが手ぞ蛙ども
28十句 鳥獣戯画の面白さかな
29十一句 月の夜や佳き狐いる古き店
30折端 新酒片手に砂鉄のごとし
名残裏六句
31折立 からすみを肴に友と語らむや
32二句 秘密兵器で百を切る夢
33三句 白寿過ぎデフレ時代の懐かしき
34四句 戦後闇市ゆび咥へ往く
35五句 池の縁大樹となりしさくら咲く
36挙句 父母の金婚めでて散るらん
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春
春・花
春
雑
秋・月
秋
秋
秋・恋
恋
雑
雑
雑
夏・月
夏
雑
雑
春・花
春
春
雑
雑
雑
冬
冬
雑
春・恋
春・恋
雑
秋・月
秋
秋
雑
雑
雑
春・花
春
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大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
大谷
居倉
鵜雪
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1 きょうは雨水です。雪解け水が小川のどじょっこを目覚めさせ、田畑を潤すのも
もう直ぐでしょう。あと二週間もすれば啓蟄です。
2 春は名のみの風の寒さよ・・・福寿草は咲きましたが梅はまだまだ色気なし。
それでも雨水。乾いた土が濡れると春を感じます。
(鵜雪)図鑑を見ると、いつも見ている鮮やかな青のいぬのふぐりは『おおいぬの
ふぐり』或いは『たていぬふのぐり』で外来種、在来種の『いぬのふぐり』は小さな
くすんだ紫の花をつけるそうです。これは『絶滅危惧種』に指定されいます。
赤城山麓で見つけたいぬのふぐりは、大変珍しいものかもしれません。
(居倉)寒風にさらされて赤城のふぐりは小さいのでしょうか。他に大きなふぐり
があり、小さいのは絶滅に瀕しているとは知りませんでした。根はしっかり
張っているのですが・・・。
「春冷風晩生の梅は固く綴じ」蝋梅の後の花暦は1回休みです。
3 【若芽】はこべの花も咲き始めました。
顔を上げると芽吹きが目立ちます。季節の芽吹きは雪柳とバラですね。
4 当地では、生け垣の常緑樹の赤芽が目立ちます。バラはまだです。
木蓮は芽より蕾が膨らんでいます。
5 記述なし。
6 【秋刀魚の煙】秋刀魚の季節になると毎日秋刀魚、何処でも秋刀魚。
新米に熱い秋刀魚、堪えられない味でしたね。
7 夕餉の用意か、酒が欲しくなり「新走り下戸の春夫は食むばかり」ぐっと我慢する。
ここ勝浦も日は釣瓶落とし。歌碑:秋刀魚の詩は駅前にある。「あはれ秋風よ
情あらば伝えてよ 男ありて 夕餉にひとり秋刀魚を食らひて・・・」
8 本日は3月中旬の陽気。「夜は熱く昼は冷酒が良くにあい」 陽射しを愛でて
ほろ酔いです。
9 【いたわる】丁度居合わせた妻にこの句を聞かせたら、
『そんなことされたこと無いわよ』。そうでしょう、これは創作だから。
早春の箱根路は、思いのほか寒さ厳しく、そっと風上に立ちました。
10 雲が早いのは風がきついのだろう。本当は首に巻きたいのだが、粋に気取って。
寒いと口にできないのが辛い。こんなのが季語かと、その多さに驚いてしまう。
恋から抜け出そうとすると、連想が離れてしまう。難しい!。
11 カラカラと神田川か迷ったのですが。時代不明の角帯で受けました。
12 【向上心】これ正夢だろうか?
ふと関西弁あり,『鵜雪君!そんな不真面目な気持ちじゃあ、上達せえへんで。』
13 俳諧の道とくれば、奥の細道。道中、天候不順で月の出た日を探すのに苦労
した。やっと見つけた日は満月で、秋の季語。次に月が出たのが、ここ白河の
元禄2年(1689)陰暦4月21日。定座どおりの「夏の月」は詠みたくなかった
が、上・中に夏の季語を詠むと奥の細道を表す「旅程」が詠めないので涙をのむ 。
14 知識があれば奥の細道シリーズだと思ったのですが旅程すら知らない身にはと
諦めました。
15 先人の切り開いた道は偉大ですね。みちのくのその先まで、今や新幹線で瞬く
間に行けますが、これは考えてみるとなんと味の薄いことか。私は今、車輪の
付いたものは出来るだけ使わない生活をしていますが、すると昔見えなかった
いろいろなものが見えてくる。日々これ新たという気持ちは、古人と同じなの
でしょうか。
16 新幹線もいずれ札幌まで。榎本・土方らは今日を思い描いていただろうか。
17 榎本武揚、土方歳三→近藤 勇→土方、近藤は武蔵野国の出身です。
そして我が青春の舞台です。歳三の血筋の蕎麦屋、青梅の梅林、
(最近は青梅マラソンで有名です)玉堂記念館、吉川英治記念館、
「手をにぎるフォークダンスの動悸かな」 ご当地ソングになりました。
18 【玉川上水】武蔵野台地は、江戸初期玉川上水が作られるまでは無人の荒野。
梅の季節多摩川はまだ渇水、上水の流れも今一つ。
この荒野を開墾した人たちの中で、不屈の剣が育まれたのでしょう。
19 春一番の南風が吹き始めると、やがて山の雪も解け出すでしょう。
20 「鈍いろの海青くなりゆく」と迷ったのですが掲句にしました。春の気配を描こう
とすると終季語を使います。雑と言うのも気楽そうでさもあらずですネ。
21 【政治の時代】昔蹴鞠は、今サッカー。大化の改新は蹴鞠の謀議から、
今は大衆の時代、サッカーは有力なメデイアの一つ。少子高齢化を前にして、
経済の改革とともに、日本のあるべき姿を踏まえた、教育・政治の改革が急務。
22 蹴鞠会(けまりえ)があったのは、法興寺(今の飛鳥寺)。ここに大仏が鎮座。
23 【ミシリ】神の留守したい放題自民党 が本命でしたが国の憂いより我が家の
憂いを優先しました。小市民万歳。
24 まるで今の日本のようですね。国内外で重い雪がのしかかってきている。
しかし、朝青龍や秋田杉を見ても、細くても強いものは強い。
日本も居倉さんのお住まいも、これがあれば大丈夫。
25 ブナも寒風あってこそ。南限は和泉葛城山。原生林は'93年12月世界遺産に。
26 囀りは春の繁殖期の求愛、縄張り宣言の声である。
これに対し普通の鳴き声を地鳴きと言う。(歳時記)
浮気とか不倫は連想の範囲ですが恋はあまりにも遠く、いささか苦労をしま
した。「囀りが地鳴きとなりてダミ声となる」合掌。
27 【蝦蟇の恋】『蛙合戦』、蛙の恋は激しい。土から這い出した蛙は、動くものに
手当たり次第抱きつく、但しオスだけだが。『恋は盲目』は人だけではないようだ 。
28 教科書でお馴染みの「鳥獣戯画」は、紅葉の名所、京都栂尾山「高山寺」にある。
29 【銀座の柳】月世界、ムーンライト、月の名のつくお店は数々ありました。
良き先輩に連れて行ってもらったものです。「アラッ○○さん・・・」
昼も夜も先達でした。「キャバレー太郎」さんがもう一度夢あるキャバレーを
展開すべく準備をすすめているとの記事がありました。ガンバレ
30 【女は磁石、男は砂鉄】『あーら、ケンちゃん、しばらく振り、ご無沙汰ね、
どうしたの、元気が無いじゃない、又部長と・・?いいじゃないそんな部長、
やめてもらえば!・・』何ていわれるとその気になって、葡萄酒など持って
又きてしまう。男って単純だね。砂鉄のように吸い寄せられてしまう。
しかし、砂鉄も吸い寄せられて鍛えられて、始めて鋼になるんですよ。
31 新酒と云えばからすみ。越後の酒に長崎のからすみ。持つべきは朋。
32 からすみの肴=リッチ=年配、でした。「百は今でも軽々よ」とうそぶく声も
聞こえそうですが・・・
(大谷)ピッタリの下の句、感謝。当初「語りけり」これでは受け難いと・・・。
秘密兵器も高価ですね。
33 秘密兵器のお陰で如水さんもケンちゃんも百歳を過ぎました。
今や超インフレの時代となり、高い輸入品しか手に入らず、勿論貯金は
無くなり、年金も雀の涙ほど。35年前のデフレの時代が懐かしい。
そういえば調整インフレ何ていう話もありました。
34 デフレとくればインフレ。預金封鎖、新円発行、月給遅延。朝早く、ピース・
コロナ買いの列に並び、闇市で高く売り、雑炊を啜る。当初「・・・雑炊啜る」。
二度と経験したくない。
35 【さくら咲いた】秀吉の茶会も長屋の花見も「花」はさくら。
「一分二分そして満開花嵐」「刺身、兜煮、潮汁」鯛と桜に無駄はなし、
ついた名前は「桜鯛」下手な駄洒落に落ちがない・・・
36 【春の祝事】桜の木そして私たちを、大樹になるまで慈しみ育ててくれた
父母のめでたい金婚式、今日は本当によい日ですね。
語ることの出来ない桜も、同じ気持ちなのでしょう。
【満尾後の感想】
(鵜雪)
数日連句から開放されると、何となく寂しいやらホッとするやら複雑な状態で、
連句が私の日常生活のリズムになっていたことがよくわかります。(苦笑)
さて、5回目が以前に比べて進歩しているのかどうなのか、自分ではよくわかりません 。
これは第三者のご批判を頂かないとわからないのと違いますか。
ただ断片的には、連句の形式が飲み込めてきたこと、
連想を広げられるようになってきた事がよい点で、
逆にそのために味わいの薄いものになってしまったかと危惧します。
比較のために、私なりにこれが良い句かなと思われる句を三人の組合せで、
4回・5回から選びました。
・大谷さん・居倉さん或いは居倉さん・大谷さんの組合せ
4回;「名月や誰も見上げぬ大都会、自然忘れて何の人生」
・・・・大都会の乾いた現実がよく現れている気がします。
人の心も、不夜城の明るさも名月を隠してしまっている。
5回;「きのふまで雪でありしや雨水かな、土艶やかにいぬふぐり咲く」
・・・・春を迎える喜びがいぬふぐりに託して、
艶やかに表現されている気がします。
・大谷さん・鵜雪或いは鵜雪・大谷さんの組合せ
4回;「白菜と懐かしき字の文届く、樽を買ったと我はネットで」
・・・・故郷の良さ、都会に住む人の感覚がよく出ています。
5回;「会う毎に姿を変える若芽あり、おませ奥手の彩り豊か」
・・・・上の句の作者は実際に伸びていく若芽を読んだのでしょうが、
下の句の作者は、若い娘の変り様にも取れるニュアンスを読み込んだのは秀逸です。
・居倉さん・鵜雪或いは鵜雪・居倉さんの組み合わせ
4回;「マリネラの面影求め年旧りて、ほのかな想ひ今まだ温し」
・・・・初老の男の男女の哀歓がよく出ています。
5回;「月の夜や佳き狐いる古き店、新酒片手に砂鉄のごとし」
・・・・いい女がいると直ぐその気になってしまう男の単純さが、
若さの秘訣なんでしょう。
比べてみると、4回目の方が味わいのある句が多かったかな。
(大谷)
・鵜雪さんが挙げられた以外の、小生のお気に入り。
四回「春の日や風柔らかく里を抜け 岸の柳や微かに揺らぐ」 春ー春
「名月や寺暮れゆきて湖の上 その影乱れ野分を知りぬ」 秋・月ー秋
「関東は利根の流れと筑波山 人と文化の渦巻きおりぬ」 雑ー雑
五回「角帯や粋な師匠の稽古受け 夢は果て無し俳諧の道」 雑ー雑
「千住発ちはや白河や夏の月 思ひめぐらし聞く青葉木莵」 夏・月ー夏
「古人行き今やまびこが後を追う 海越へ偲ぶ五稜郭かな」 雑ー雑
「雪解川日ごとに波の高なりて 球けり遊ぶ子らの声する」 春ー雑
「いにしえの政治改革蹴鞠から 今なほ憂ふ飛鳥大仏」 雑ー雑
・直前二句との同意語らしきもの?。
五回20下:「球けり」遊ぶ子らの声するー21上:いにしえの政治改革「蹴鞠」から
「サッカー」と「蹴鞠」は、似て非なるものですが・・・。
・上達の程は分からないが、季戻りもなく、式目に忠実になってきたのは確かですね。
1発句 春の日や風柔らかく里を抜け
2脇句 岸の柳や微かに揺らぐ
3第三 振り向けば雑木山並み赤味差し
4四句 鐘の音ききて山菜をとる
5五句 名月や寺暮れゆきて湖の上
6折端 その影乱れ野分を知りぬ
初折裏十二句
7折立 案山子たて刈り取りまでの見張りさせ
8二句 妹にぎりたる弁当うまし
9三句 マリネラの面影求め年旧りて
10四句 ほのかな想ひ今まだ温し
11五句 駅前で買ひし土産や太鼓焼
12六句 久しぶりだね女将の笑顔
13七句 ほろ酔いの歩みに付くや夏の月
14八句 平手造酒殿花火見物
15九句 関東は利根の流れと筑波山
16十句 人と文化の渦巻きおりぬ
17十一句 川麗らセーヌのほとりリラ匂ふ
18折端 ドーバー越せば萌ゆるバラの芽
名残表十二句
19折立 田の水や燕かえるか去年の巣
20二句 出稼ぎ了へし親父は還る
21三句 荒れ果てし祖国の父母は今如何に
22四句 山の畑うち孫子を想ふ
23五句 白菜と懐かしき字の文届く
24六句 樽を買ったと我はネットで
25七句 集まりて宴はじまる囲炉裏端
26八句 隅と隅とで目配せ送る
27九句 女が瞳紅蓮の如くと感じたり
28十句 木の葉乗せたる銀狐かな
29十一句 夢の中月夜に狸の腹皷
30折端 その音遥か秋風に乗り
名残裏六句
31折立 名月や誰も見上げぬ大都会
32二句 自然忘れて何の人生
33三句 緑派の住むニュータウン森のあと
34四句 小鳥よ戻れ屋上の庭
35五句 菜の花や霞を下に咲きをりて
36挙句 ふと見上ぐれば朧月かな
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春
春
春
春
秋・月
秋
秋
恋
恋
恋
雑
雑
夏・月
夏
雑
雑
春・花
春
春
雑
雑
雑
冬
雑
冬
恋
恋
冬
冬・月
秋
秋・月
雑
雑
秋
春・花
春・月
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居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
居倉
大谷
鵜雪
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1 【春風】当地では節分まで「つべたい」風が吹きいささか参っていました。豆を
まいた翌立春、風もなごみ春到来を喜んだ一句です。もっとも、寒の二月は
これからですが日差しの強さは救いです。
2 流れるような発句。脇句への配慮が感じられ有り難かった。さて、山へ行こうか、
海へ行こうか、千曲川のスケッチを思い出し川へ。風と云えば柳、逆か?。
素直が一番。主客を立てゝ三歩さがる。
3 【雑木山早春】峠に立って振り向くと、阿部倉山が微かに色づき始めている、
私が気に入っている当地の春色です。
早春に色づく柳と雑木林は、雑念を忘れさせます。
4 【若菜つみ】寒さが続いたせいか我が家の蕗董はまだまだ固いのですが立春を
寿ぎむりやり味噌和えに。「春菜の苦味や嬉し白き飯」でした。
5 鐘の余韻が聞こえますか?。当初「夕焼けやかけす帰りて月上る」夕焼けは
夏の季語で「山寺やかけす帰りて月上る」に。月のみでは秋が弱く「名月」に。
寺は三井の晩鐘の三井寺(琵琶湖の西岸)。
本来、季替りは雑(ぞう:無季)を挟むべき。ここの定座が秋・月で、鐘・寺・月が
閃き、是非採りたかった。我が侭ごめん。
6 上の句からは、作者ご期待の通り鐘の音が聞こえます。
直接の表現が禁句となれば、苦吟しますね。鐘の音は水面を流れます。
同じ水面を、嵐のさきがけが過ぎていく事にしました。
小生は、湖面に映る月影が風に揺らいでいると連想しました。(大谷)
7 【祈豊作】野分=二百十日=稲実る。もう少し捻ろうかと思ったのですが速さを
優先しました。末尾「させ」「さす」迷っています。
8 歩こう会で毎回愛妻弁当持参者がいる。他はコンビニ弁当。
9 【マリネラ】昔、私の家の下宿していた大学生が、いつも『マリネラ、恋し懐かしの、
君が歌声に胸はときめくよ・・・・』という歌詞のレコードをかけており、マリネラが、
何時の間にか幼い脳裏に焼き付いてしまったようで、
時々この名前を思い出します。私の最初の恋人かもしれません。
ご年配の方はご存知の歌ではないでしょうか。
私は歌詞のごく一部しか知りません。
10 【セピア色の写真】三太郎の日記、オペラ、よき時代の良き大学生だったの
でしょう。中元、歳暮、クリスマスの皿洗い、鯨のステーキは配送時、アイス
クリームの天麩羅、サーロインステーキ、ブランディは皿洗いでの余禄、
気のいいオバチャンが「ほら学生さん」と取ってくれたデラックス。我がアル
バイトの良き想い出です。
11 「旅先で・・」と旅情豊かに詠みたかったのだが、あまり遠いと冷えてしまうので。
男は未練がましいのか、思いつくのは恋の句ばかり。恋慕を断ち切るのに苦労
した。「雑」の句は難しい。この間まで、季語を詠むのは難しいと思っていた
のだが・・。式目は有り難い。
12 実は大谷さんの呟きを聞いてしまったので。
「太鼓焼きはどうでもええんや、女将さんと話しをしたかったんや」 (苦笑)
「油断も隙もない、まずかった!」これは恋の句か?(大谷)
13 【手の内】男純情手玉に取られ、月に向かって気取りおり
14 造酒さんは、いつもほろ酔い。夢は殿の招きの月見酒。
15 【関東の景色】利根川の河岸に立つと、遥か北の方角に筑波連山を見渡せます。
造酒殿も、この景色に馴染んだ事でしょう。
時代が、天保から平成に移っても、変らない景色です。
16 【首都】大パノラマには平成とマンズパワーで受けました。
17 【パリ】文化と云えばパリ。宝塚の「♪すみれの・・」は白井鐵造が「白いリラの
花が・・」を訳詞したもの。パリ公演ラストで「すみれの・・」を歌うと、客席も
大合唱。宝塚ジェンヌを驚かせたそうな。
18 パリでリラの香り漂う頃、スコットランドでは燃えるようなバラの芽が。
当地では、野イバラが早くも、葉っぱを出し始めています。
19 【ドーバー海峡岩燕】我が家の燕の巣は鴉の目にとまり途中放棄となりました。
20 親父は田起しを終え、水を張ったばかり。気がかりは燕・・。
21 【祖国の父母】戦禍に疲れる中東、そこから出稼ぎに来ている人達にとって、
祖国に残してきた家族の消息は、最も気がかりな事でしょう。
家族を想う気持ちは、世界の何処でも変らないものです。
家貧しくして孝子顕わる 逆境こそが人を磨くのですね。
新風連句も、日本の春の里を出てから、パリ・スコットランドを経て、
中東まで来ました。
22 【仕送り】山はアフガンにもソロバキアにもあります。国とは民族とは、そして金の
ための市町村合併とは???
23 余りに付き過ぎ。つぎの方、飛躍させてください(笑)。
24 【都会の暮らし】田舎の暮らし振りが伝わってきます。それに対して都会の私は?
漬物にと思ったら、樽は捨ててしまった。パソコン頼りで、10年来筆を取って
手紙を書いたことがあるだろうか。しかし便利だからついメールにしてしまう。
パソコンは人間関係を乾いたものにしがちですね。賀状ぐらいは自筆で、
とは思うのですが。
25 情けとは唾の届くところまで」と言う諺はありませんでしたか。
26 昔の合コン。
27 【思い出】女の眼差しは只者ではない、火のようだ。もう我慢できない、早く
藁小屋へ行こう。そのとき隣に座っていた伯母が,『鵜雪ちゃんどうかしたの、
全然食べないじゃない』といった。更に私の手に触れて、『あら、熱があるよ』
私は心の中で、『何いってるんだ、ほっといてくれ』と叫んだ。そして女を見つめ
ながら、黙って立ち上がった。
28 【ほろ苦く】若者?に紅蓮の、藁小屋と投げると強烈フックのOBが出ます。
またそれも楽しいのですが今回は鴉雪チャンに水をかける事にしました。
「花はバラ・・・」いきたいのですがネ〜
29 騙されたのか、夢なのか。ここは秋・月が定座、雑を挟まずの季変わりを避ける
ため敢えて冬に。名残裏も直ぐ、後の方上手く収束してください(無責任)
30 【冷気】いい夢ですね。
鼓の音は、晩秋から初冬の冷気の中を伝わり、私の住む隣村でも聞こえました。
31 【喧騒】村からの風も偏西風となり再びジャポネに帰って来たようです。
32 都会人は多忙。忙中こそ自然が癒してくれるのだが・・。渦中では気づかない。
33 【人生】矛盾だらけなのが人生ですね。緑保護を叫ぶ緑派の人も、森という
大きな緑を破壊した後に住まねばならない。その代償としてだろうか、少しでも
この街が緑を壊して広がろうとすると反対する。あまりがつがつしない人生が
一番ですね。
34 【共生】21世紀スローライフの始まりです。
35 ヒートアイランドの抑制が待たれます。またまた、雑を挟まぬ季変わりです。
最後の一首なので、春・花にこだわりました。
36 【今様春霞】小学唱歌『朧月夜』の現代都会版です。横浜・ランドマークタワーの
屋上に菜の花畑があったなら、排気ガスの靄を下に菜の花を背にして、
春の朧月が見られることでしょう。
【当巻の感想】
(梧葉)
第四集は実に素晴らしいと、感動しております。連想も豊かで、品格もほのかに
高く、詠み人が第三集後半と同じ方々であるとは到底思えません。私と、お三人との
距離が、益々遠くなりそうです。感動の余り思わず筆ならぬ、キーボードに向かい
ました。
(居倉)
月、恋の定座は 守るべきと思いますが他は前の句のイメージで良いのではと
思っています。座の指定はそのまま継続して下さい。参考にしています。早さ。
お二方の反応が早くそれに合わせるべく多少の気忙しさはありましたがまずまず
ではないでしょうか。唯、何方かが入るためには余裕があったほうが良いのでは
ないでしょうか。一句一日でやってみてテンポが合わなければフリーに戻しても
良いのでは・・。
(鵜雪)
第4回終了とは早いものです。果たして、多少は進歩しているのでしょうか。
(梧葉さんは著しい進歩とは評価してくれましたが。)第5回ともなると、なるほど
進んだなと、自他共に認めるようにならないと。連句は長い歴史があり、その上に
色々な形式が整ってきたのでしょうから、一度その形式に忠実に則ってやって
みたら、どうなるでしょうか。又速さより質を求めてやってみたらどうなるでしょうか。
一月乃至一月半の時間をかけてみたらどうでしょうか。私自身の作句上の反省
としては、句だけでは何やら判らないようなものが、多々有ったのではと。つまり、
コメントで説明して、始めてそうかと判るような句。
例えば『春の海ひねもすのたりのたりかな』『山路来て何やらゆかしすみれ草』、
何の説明も要りません。
コメントはコメントで楽しいものです。これはその時々の『呟き』を入れていく。
コメントに頼らない句を求めたいと思います。以上、雑駁な感想。
(大谷)
ご感想ありがとうございました。
これを踏まえて、つぎの方向を目指して歩みたく思います。
1.速さより質
2.なるたけ式目に忠実に(ただし、前句との関連を優先・柔軟に)
3.意識して式目をはずすのは良いが、無意識ではずすのは避けたい
(例えば、季語と思わなかった言葉・季の取違い)
4.雑・恋のあとは、季を変えたい(記載済みの定座にとらわれない)
5.雑・恋を挟まず、季を変えない(記載済みの定座にとらわれない)
以上、小生の反省も含めて。
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