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1 太陽もテレビも暑き五輪かな
2 原爆日テレビに向い黙祷す
3 青い眼にお齢きかれるフジ登山
4 目隠しの子等嬉々として西瓜割り
5 親子孫種吹き散らし西瓜食ふ
6 訪ね来てあの日と変らぬ山河あり
7 手応へのありて西瓜の真っ二つ
8 蝉一つ地に這うて鳴く夏がゆく
9 西瓜喰ひ種吐き散らせし庭ありき
10 吾を襲ふ蜂黒面の武者の如
11 現代(いま)の子は線香花火に飽き足りず
12 気がつけば長老にされヒュッテの夜
13 朝顔に着物姿の母を見る
14 油照り砂塵をあぐるダンプカー
15 手洗いに蝉も御用かまようたか
16 喰い終えし白さ愛しき西瓜かな
17 畦を刈る音軽やかや八月尽
18 灯を消して盆僧ついと去りにけり
19 冷西瓜分別もなく腹が冷え
20 蝉取りの篭持ち係りジジの役
21 たたき売り西瓜声ほどうまくなし
22 畦ゆけば稲穂揃うて天を突き
23 舗道燃え猫もたじろぐ昼下がり
24 風に乗り河内音頭で夏渡る
25 孫去りて部屋広々と晩夏かな
26 路地すみに温さ灯りぬ地蔵盆
27 苦瓜の葉は浴室を覗きおり
28 御詠歌の長き息して地蔵盆
29 五輪熱し知らず終わりし甲子園
30 木曽路来て蚊帳の香かぐはし山の宿
31 稲妻の消えたる闇の深さかな
32 タオルケット足でまさぐる今朝の秋
33 宿題の不出来な案山子稲を守る
34 蝉の音のあいを受け持つ鈴の音
35 空蝉のひとつ仰向く秋の風
36 朝顔の花も少なし冷気あり
37 傾けば野原に満ちる秋の声
38 わが家より病院がと言はしむ炎暑かな
39 赤とんぼ何を思案のホバリング
40 炎天にしおれしなびて雨を待つ
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鵜雪
花風
行雲
南圃
居倉
梧葉
如水
伸平
梧葉
居倉
南圃
行雲
鵜雪
如水
伸平
花風
居倉
如水
鵜雪
南圃
行雲
伸平
梧葉
花風
南圃
行雲
伸平
花風
鵜雪
梧葉
居倉
如水
居倉
伸平
行雲
南圃
花風
梧葉
如水
鵜雪
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