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１ 雑炊が目玉をむいたひと昔
２ 雑炊の蓋取る煙り玉手箱
３ 雑炊や火加減うるさき鍋奉行
４ 親も子も見知らぬ人も火を囲む
５ 迷い猫逃げ足速し冬の庭
６ 人々の喪中葉書や年の暮れ
７ 七色の光の波の師走かな
８ 雑炊の蓋とるまでの静寂かな
９ 雑炊できちっと果てる忘年会
１０ 歯を病みて女房の雑炊旨きかな
１１ 山ゆけば道の先にも散る紅葉
１２ 定番の卵雑炊鍋の後
１３ 住所録消して身に滲む年の暮れ
１４ 雑炊にセロリの香り新時代
１５ 母の味雑煮いつしか妻の味
１６ 声もなく姉旅立ちて冬の朝
１７ 茶箪笥に置きし花梨の香りけり
１８ 明けぬ空寒さ比べる昨日今日
１９ 木漏れ日に葉を敷き詰めて山眠る
２０ 通り雨枯れたる山に虹の橋
２１ 輪を重ね鳶鳴き交わす冬日かな
２２ 熱燗やひと心地つく木曽の旅
２３ 焼き芋や子らいそいそと落葉掻き
２４ 満つる湯に身を沈むれば冬の月
２５ 菊の香は祖父母の汗の匂いかな
２６ 植木屋の狭庭広げて年暮るる
２７ 雑炊をすする間はみな無心
２８ 逝く人に思い交々熱き燗
２９ 小さき湯に肩の痛みを沈ませる
３０ 冬日和将棋指すひと見入る人
３１ 気もせいて投句締め切りつわの花
３２ 山茶花や空き家の庭に咲きこぼれ
３３ 海越えて鳴門に「第九」俘虜残す
３４ 牡蠣殻のはぜて磯の香部屋に満つ
３５ 手のひらに豚汁重し暖かし
３６ 露天風呂凍てつく月を揺れ映し
３７ 炉火赤し五平餅焼く飛騨の宿
３８ 新雪や靴音締まる峠みち
３９ 足傷め外出（そとで）はポストの師走かな
４０ 雑炊を改めて食む孫たちと
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行雲
花風
居倉
鵜雪
梧葉
伸平
南圃
如水
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