|
1 初霜や肌を擦る風ぴりぴりと
2 瞑目す湯船に届く虫の声
3 干し柿の皮剥く長さ競う妻
4 先急かぬ旅にはあれど散る紅葉
5 霜やけや厳しき時代ありにけり
6 いにしえの清泉の面や枯葉浮く
7 兼題や今朝初霜の下りにけり
8 木枯らしの置き土産かな柿たわわ
9 刈りつくし広野に遠き祭り笛
10 法事終へ閑散となる冬座敷
11 枯れ芝に懸崖の菊降り注ぐ
12 秋深し落暉に伸びる影法師
13 カラカラと落ち葉ふかれて一休み
14 残菊といへど香りに翳りなし
15 大根の種蒔き過ぎて間引く手間
16 句を作るひとときの間の夜汽車かな
17 枯れ菊の時雨に濡るる地蔵堂
18 白砂に映えて秋の陽紫宸殿
19 「かき入荷」思わずくぐる縄のれん
20 蒼穹をわし掴みして楓燃え
21 武蔵野の道を迷わす落葉かな
22 異郷の地死場を求め鮭のぼる
23 コスモスに優しき風のソヨと吹き
24 野宿者の秋霜忘る祖国かな
25 冬薔薇に魅入る男に明日の夢
26 去年今年霜月の霜見もやらず
27 木枯らしは暮れた家路を近くする
28 小雀や脚あと残せり霜の朝
29 日の温み蒲団に残る小六月
30 霜おりてみちのくの天重くなり
31 寒風に千切れまいぞと木の葉鳴り
32 流れくる紅葉織りなす錦かな
33 人知れず流れる音に寒き月
34 朝採りの柿デザートにコンチェルト
35 セザンヌの秋の葉色を掃き集め
36 車椅子触れてこぼれし赤き実や
37 旅慣れぬ人何回も戸を閉める
38 蒲団干すけふは娘の里帰り
39 染めあげる山の紅葉や夕時雨
40 上下に弾む声あり稲架きしむ |
|
梧葉
花風
南圃
行雲
如水
伸平
居倉
鵜雪
行雲
如水
伸平
梧葉
花風
居倉
南圃
鵜雪
行雲
伸平
如水
梧葉
居倉
鵜雪
南圃
花風
鵜雪
南圃
伸平
梧葉
居倉
行雲
花風
如水
花風
南圃
伸平
梧葉
鵜雪
如水
行雲
居倉 |
|