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１ 親と子の安らぎの浜南風吹く
２ 白い花 青葉輝く緑雨かな
３ 有珠山に抱かれて芽ぶくふきのとう
４ うぐいすの音に馴れ初めし童女かな
５ 鯉放つ山古志村の若葉燃ゆ
６ 鯉のぼり大魚が群れる旬の空
７ 山古志の仲間達者か鯉幟
８ 縁側に湯浴みのあとの初夏の風
９ 青梅にそっと触れてみる雨静か
１０ 初夏の風喰ひて鯉の水しぶき
１１ ほぐれては光眩しき木の芽かな
１２ 春浅く街の灯函館山の宵
１３ 蛙鳴く棚田の水に朝日映ゆ
１４ 老人の里にたなびく鯉のぼり
１５ 茶を摘みてホットプレートでの製茶かな
１６ こがれつつ深山遥かに天女花
１７ 卯の花が腐る長雨（ながめ）も心晴れ
１８ 里の春パトカー洗う駐在所
１９ 夜回りのナースの影や白牡丹
２０ 夕映えの古城を彩る躑躅かな
２１ ばら咲けばさつきの空が戻り来る
２２ 闇夜ゆき蟇の初音が燈りけり
２３ あさの雨遠くに低く春の雷
２４ 菜園の追肥作業に夏の風
２５ まだとちる鴬も居て谷青葉
２６ 春の水共に歩めるはやさかな
２７ 春先の着合わせ思案北の旅
２８ 山藤が七つの緑に紅をつけ
２９ 夏場所や明日を夢見る浴衣かな
３０ 菖蒲湯に浮かぶや遠き母の影
３１ はくれんの映りし水面に緋鯉かな
３２ 日を浴びてつつじ火の色国に妻
３３ チビ茄子の主張しつかり辛子漬
３４ ルピナスの溢れて鉄路さび赤し
３５ 春風はバス回数券を飛ばしたり
３６ ビロードの肌かと思う薔薇赤し
３７ 赤子泣く空に大きな鯉幟
３８ 洗濯を終えて天下は五月晴れ
３９ 春の闇そこはかとなく物芽かな
４０ ひと去りて消えし部落や柿若葉
４１ 曳舟は川面の霧のシルエット
４２ 五月雨に打たれる花に思い遣り
４３ 喧騒の都会にみどり帰り来る
４４ 牡丹散るまったり重き夜の風
４５ 初孫の生まれたらしき鯉のぼり
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