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1 木枯しで転がる先に赤提灯
2 寒夕焼け寝床の佳句(かく)の如く消ゆ
3 ひいやりと居並ぶ小船に陽の光
4 被災地の重たき空に雪の舞う
5 年の夜来し方めぐるひとり酒
6 木枯らしの吹いたあの日は待ちぼうけ
7 病窓にもみじ移ろい秋ぞ逝く
8 雪を待つ廃校の里で労働す
9 一夜明け嵐の遺産敷黄葉
10 家々の臼打つかすかな音を聴く
11 酒のめばひとなつかしむ歳の暮れ
12 街寒し自販機に増ゆ赤マーク
13 年忘れ明かり燈かりの梯子酒
14 数え日や寄り眼となりし妻の顔
(数え日=年末の数日)
15 真っ直ぐに水仙の咲き五つ六つ
16 酒酌めばはや日の暮るる冬至かな
17 木枯らしの去りてホスピタルパークに落ち葉踏む
18 車椅子駅員にっこり有難う
19 点滴の腕にほのかな寒さかな
20 踏み込めば真砂の露にびしょとなり
21 紅葉はへ鐘じょうじょうと勝尾寺
22 白障子明るくなりて日の新た
23 古道沿い干し柿触れる家族連れ
24 柿ひとつ枝に残れる小駅かな
25 寒風に千切れて消える波頭
26 歳末の商店街に酒の市
27 木の葉髪鏡の中の親の顔
28 年の瀬はともづな固く泊り舟
29 誰も来ぬクリスマスイブ星ひかり
30 冬麗の海一瞬の日の出待つ
31 やつれ顔風に遊ばる冬薔薇(そうび)
32 病室をひとりで去る朝言葉少なし
33 駒ケ峰(ね)も白馬となりて宙を駈け
34 菜園にそっと水仙かぜに揺れ
35 着膨れて鳩に餌やる爺と婆
36 縁先で陽だまり求む幸せさ
37 箕面滝さざんか高くいろ白し
38 秋空にクライマーの一歩又一歩
39 ウインドウ水滴つたいて点滴想う
40 枯れ山に光る白樺処女眩し
41 エンドウに支柱立ておる農夫かな
42 再びの年の瀬告げる寒椿
43 柚子湯出て冷酒(れいしゅ)で払ふ風邪の神
44 定年後自棄酒やるとは知らなんだ
45 酒だけは切らせてならぬ年用意
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花風
居倉
伸平
南圃
行雲
汗水
梧葉
鵜雪
如水
伸平
行雲
如水
花風
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