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１ 山茶花のつぼみ庭師の日をずらし
２ 山路遥か笹竜胆を求め行く
３ 寄せ鍋や話題を残し宴果てる
４ 柿吊るす老母の肩に赤とんぼ
５ 吹き溜まり落葉休んでまた転げ
６ 今感謝先祖の墓に菊を挿す
７ コスモスの叢しとどなり霧深し
８ 秋晩き日ざしに白き検査室
９ 三門の飛天に高く共命鳥（ぐみょうちょう）
１０ 蕗の花古賀メロディもやや旧く
１１ 振り向けば高きに登る峪紅葉
１２ 遠霞瞬いて来る通勤車
１３ 落葉松の木の間を梳いて嶺光る
１４ 朝霧の川面にうすく草紅葉
１５ １００均で枚数チェックメモ用紙
１６ 朝靄に籾焼く匂い溶け入りぬ
１７ 冬近し北国よりの使者来る
１８ 秋の夜を映して池は夢幻境
１９ 抜ける蒼冷気の軽くアドバルーン
２０ つわぶきや何を見るやら垣根越し
２１ 青春の残影重ね雪の峰
２２ 鍋つつきし友の一人逝き又一人
２３ 葉を落とす木立包むや朝霞
２４ 車椅子銀杏並木の御堂筋
２５ 腰かけし石の冷たき紅葉狩
２６ 現世（いま）ならば華ある暮らし一葉忌
２７ 鍋突いて家族団欒紅葉狩り
２８ 菊の香がほのかに流る法話かな
２９ 鍋の具は旬の野菜のてんこ盛り
３０ 冴え渡る月に映るやはなれ妻
３１ 散り紅葉色どり締めて時雨去り
３２ 色づきぬ里山捲きて霧一条
３３ 釈迦堂に風吹き抜けて草紅葉
３４ 朱一色全村染める柿すだれ
３５ すき焼きに松茸入りし遠い日々
３６ 冬の湖清浄として風渡る
３７ 過去遠く未来つれなし秋の暮れ
３８ 朝寒や蜘蛛の巣一つ路地の奥
３９ 一人二人の重ね着を見る霧の朝
４０ 女子高生淡き思い出鰯雲
４１ 山あいに透かして映えるいろはかな
４２ 店先の鍋の魚菜に冬を見る
４３ 登校の子らの呼ぶ声霧の中
４４ 冬めきて部屋の奥まで射す陽かな
４５ 線路沿い春の桜が秋紅葉
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伸平
鵜雪
如水
汗水
居倉
南圃
梧葉
行雲
花風
居倉
如水
伸平
行雲
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