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1 風すさび羽もどかしく秋の蝶
2 里芋の花めずらしく月まろし
3 彼女並み待てども待てども来ぬ台風
4 音たてし秋刀魚に搾る酢橘かな
5 五輪旗や亀競泳の真似すなり
6 秋風が呼んだ秋刀魚に海光り
7 湯の音に虫の音清く入り混じる
8 かの人の住めば台風身近なり
9 媼来て川面波立つ日の盛り
10 薄立つ熊野古道の二人連れ
11 台風の一夜誦えてカネタタキ
12 栗のいが通い路ちりばめ嵐去り
13 先ほどの雲消え去りぬ秋の空
14 風速を聞きて案ずる安否かな
15 一羽二羽どっと飛び立つ稲雀
16 台風の過ぎて青空高くなり
17 落ちる葉のひとつ耳立つ小屋ひとり
18 月澄みて星かとまごう航空機
19 嵐去りて観音の笑む白露かな
20 慰霊碑の何かも知らづ彼岸花
21 彼岸花稲穂に媚びず背を伸ばし
22 実り田に通潤橋の水豊か
23 見合いして向日葵咲く道歩いたっけ
24 過疎の墓供華(くげ)の代わりの彼岸花
25 銀杏の匂ひに秋を覚えけり
26 街灯を過ぎればまっくら秋の暮れ
27 コスモスと萩を観せてと車椅子
28 トップでもびりでも走れ運動会
29 霧深し阿蘇の棚田の稲穂ゆれ
30 朝風に野分を混ぜて庭仕事
31 水溢れ穂を泳がせるすすきかな
32 老媼もわらべとなりて月のお湯
33 大風に落ちたリンゴが届けられ
34 濁り酒浮き世は澄んでをりもせづ
35 竿灯の消えて北国夏は逝き
36 満月に観たやと願う雁の列
37 鈴なりの実り枝垂れる槐かな
38 秋雨に由布岳けむり露天風呂
39 虫の声杜絶えて読経の声高し
40 秋光の街水彩の絵の如し
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梧葉
南圃
汗水
如水
鵜雪
行雲
伸平
居倉
鵜雪
汗水
行雲
梧葉
伸平
如水
居倉
南圃
行雲
伸平
鵜雪
如水
梧葉
南圃
汗水
居倉
如水
居倉
汗水
鵜雪
南圃
伸平
梧葉
行雲
伸平
如水
行雲
汗水
鵜雪
南圃
梧葉
居倉
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