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1 窓々を開け放させる早朝(あした)の陽
2 青葉陰暑さ凌ぎて蝉時雨
3 芸術と友とうなぎと昼の酒
4 満月に妻と見つめる半夏生
5 葉朽ちしにけな気ぞトマト赤きかな
6 閨(ねや)みだす蚊の一声のにくらしさ
7 短パンに替へて薮蚊のよろこべり
8 夾竹桃紅も盛りの油照り
9 空うつす水面隠して稲伸びぬ
10 ブランドが競うて登る山開き
11 うすき汗うなじ艶(なま)めく浴衣かな
12 アベックには浜風無用甲子園
13 向日葵は唐きびの背に負けて咲き
14 青田ゆく一両電車の派手な色
15 ランタナの色変わりする大人びる
16 蚊遣火を焚いて浴衣の裾も揺れ
17 川床にゆかた花咲く賀茂の宵
18 幸せか不幸か蚊帳を知らぬ子ら
19 参つたと詫びを入れたき大暑かな
20 車椅子この暑さでは堪忍ね
21 日は昇りウオーカー去り行く猛暑かな
22 声からし炎暑忘るる甲子園
23 ハンミョウの模様鮮やか道を問う
24 にがうりのすだれの向こうは蝉しぐれ
25 簾戸や京の町屋の夏支度
26 水着の子ティーシャツの子の滝すべり
27 素麺の薬味にみょうが加わりて
28 路地裏に花色々と古都の夏
29 塗り替えし鉄塔聳え山滴る
30 炎天に浜木綿白く涼一服
31 風鈴はクーラーの風に泳がされ
32 冷焼酎暑気払いして熱くなり
33 麦茶のむ一息に飲むただいまといふ
34 鉾建てや轍を残し一休み
35 鮮やかに熟れしトマトの青臭さ
36 鎌倉や梅雨に咲く萩人知れず
37 外つ人のゆかた姿や鉾巡る
38 妻の声蚊が鳴くような見合い中
39 蚊遣り火に扇いだ祖母の遠い日々
40 空梅雨のあとに豪雨の置き土産
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伸平
南圃
鵜雪
汗水
梧葉
居倉
如水
行雲
梧葉
行雲
居倉
汗水
伸平
如水
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