CPLDで遊ぼう!(21)
オーディオクラフト工房(32)
更新日:2006年11月12日

デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろう
前回デジタルでダイレクト選局出来るAMラジオを作りましたが、デジタル回路から出るノイズの影響かもしれませんがどうも感度が弱いようです。ローカル局は正常に受信出来ますが、それ以外は全く受信出来ない状態です。(もっとも私の住んでいるところは電波の過疎地域ですから3局程度しか受信出来ませんが・・・)
ということでAMラジオ部は手動の電子チューナーとしてCPLDにてデジタルの周波数表示を行うラジオを作りました。家族みんなで聞くことが出来る様にAC100V対応でスピーカーも内蔵してホームラジオとしました。では製作に入りましょう。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの基本仕様
AMホームラジオの基本仕様を記します。
1)AMチューナーはスーパーヘテロダイン方式とする。ワンチップICで構成。
2)4桁の周波数をデジタル表示する。
3)バリキャップによる電子選局方式とする。
4)選局ボリュームはバーニアダイヤルにて細かい操作を可能とする。
5)スピーカーを内蔵してホームラジオとする。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの全体構成図
まずは全体の構成を示します。
(AMホームラジオの構成図)
今回は難しくありません。電子選局のAMチューナー部とAFアンプ部、CPLDの周波数カウンタ部に分かれています。周波数カウンタ部はこれまでの製作で作ってきたものとほぼ同じ内容です。
電源回路は特に詳細は記載しませんがAC100Vからトランスを介して9Vと5Vを作っています。CPLD基板内部では3.3Vで動いています。電源部は皆さんの環境に合うように各自で工夫してみて下さい。最初はACアダプターを電源にしようとしましたが、最近のはスイッチングタイプのためノイズだらけで使い物になりません。トランスを内蔵してシリーズ電源としました。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうのAMチューナー部品
AMチューナー部をどのような構成でしようかと色々考えました。まず前回の製作で使用したのと同じメーカーの8石スーパーヘテロダインのラジオキットを購入しました。実験を繰り返していくうちにこのキットでは特性が上手く出来ないことが判明し、改良を加えましたが納得の出来る状態まですることが出来ませんでした。昔の雑誌を読みあさっていくうちにLA1600のICで作ったらどうかと思うようになり、私の部品の在庫にも秋葉原で購入したICがものが残っており今回はその部品を使用することに決めました。もちろんスーパーヘテロダイン方式のICです。
(サンヨーのAMラジオ用IC)
スーパーヘテロダイン方式ですので局発コイル、IFTコイルが必要になります。秋葉原に行った時に「東京ラジオデパート」にて購入したものを使用しました。トランジスタにてスーパーヘテロダインを構成する目的で赤色、黄色、白色、黒色を購入しましたが今回は赤色(局発)と黄色(IFT初段)のみを使用します。
(AMラジオ用コイルセット)
バーアンテナも同様に購入しておきます。
(AMラジオ用バーアンテナ)
このLA1600でスーパーヘレロダインを構成する上でセラミックフィルタが必要になります。とりあえず秋葉原は購入出来るとは思いますが、無い場合は市販のラジオから頂くことにします。松下製のAMラジオを購入して取り出すことにしました。(もっとも購入前にセラミックフィルタが入っているのが判るわけないのですが、今までいくつか買いましたがたいがい内蔵されています。ICはSONY製が多いようです。)
(松下製のラジオを分解する)
今回はセラミックフィルタの他にスピーカーも頂戴しました。セラミックフィルタは455kHzタイプです。100円均一で売っている300円ラジオのセラミックフィルタは455kHzでないので購入には充分注意して下さい。
(455kHzのセラミックフィルタ)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうのバーニアダイヤル
周波数を細かく調整するためにバーニアダイヤルを使います。結構お値段が張りますが品位が上がって見栄えが良くなりますね。ボリュームでの選局ですので300度回転のタイプを使用します。
(選局用バーニアダイヤル)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうのAFアンプ部品
ホームラジオとするためにスピーカを内蔵します。AFアンプは簡単に作るためにキットを購入しました。今回は5V電源としましたので皆さんの製作環境に合うものを揃えれば良いと思います。
(AFアンプキット)
(AFアンプの説明書と完成状態)
AFアンプは組み込み後配線しやすいように端子を立てておくと便利です。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの赤色(局発)コイルの改造
AMラジオ用の赤色(局発)コイルはポリバリコンで周波数が合うように設計されています。「オーディオクラフト工房」でAMチューナーを作った時にも行いましたが、コイルを改造する必要があります。まず金属ケースを外します。足が3本側(1次側)に巻いてあるエナメル線を慎重にほどいていきます。私の場合向かって右側の足についている線から外すことが出来ました。中間タップも含めて約100回程度の巻きがあるはずです。今回の場合中間タップは必要ありませんので最後の端子まで一気にほどきます。ほどき始めから中間タップまでの線が長いはずですのでその線を利用して約70回の巻きになるように巻き直します。こうすればバリキャップでもAM帯に周波数が合う局発コイルとなります。
足が2本側(2次側)はそのままのいじらなくて問題ありません。
巻きなおしたらケースをかぶせて改造終了です。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうのAMチューナー回路
LA1600を使用した回路図です。データシートに載っているものをバリキャップ選局にしたものです。
(AMチューナー回路)
バリキャップにはおなじみの1SV149を使います。局発部分は149を2個使用します。バリキャップはDC9Vで駆動します。この電源にノイズが乗ると致命傷になりますので充分注意して下さい。また電圧変動は周波数変動となりますのでレギュレータで充分安定化して下さい。ほとんど電流は流れないので0.1A程度のもので充分です。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうのCPLD内部構成図
ここからはCPLDについて説明します。まずは内部回路を見て下さい。
(CPLD内部構成図)
SWチューナーで周波数カウンタを作った時とほぼ同じ内部構成です。今回は中間周波数が455kHzですので計測した周波数から455だけ引き算する構成にしています。また表示が4桁ですので4桁分を駆動するようにしています。7セグメント表示にはカソードコモンタイプを使用するようにしています。今回はCPLDから外部にトランジスタ」を介せずに直接CPLDで駆動するようにしました。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの4to1セレクターモジュール
今回も新しいモジュールのみ記します。
(4to1セレクターモジュールの入出力)
(4to1セレクターモジュールのVHDLソース)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの4bitリングカウンタモジュール
(4bitリングカウンタモジュールの入出力)
(4bitリングカウンタモジュールのVHDLソース)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの4bit反転モジュール
(4bit反転モジュールの入出力)
(4bit反転モジュールのVHDLソース)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうのCPLDピン接続のまとめ
ピン接続についてまとめます。
(デジタル周波数表示付きAMホームラジオのピン接続)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの局発周波数測定バッファ
AMチューナーの局部発振周波数を正確に計測するために入力バッファ(アンプ)回路を設けます。SWチューナーの周波数表示にも使用した入力バッファです。
(入力バッファ回路)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの7セグメント回路
CPLDとダイレクトに接続します。LEDの電流制限抵抗のみ付けます。
(7セグメント表示回路)
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの大完成の姿
大完成までの姿を見て下さい。
(パネルの加工)
ケースはみなさんの好みで選んで頂ければ結構ですがバーアンテナを内蔵するために必ず樹脂ケースとして下さい。樹脂ケースでも正面と背面はアルミ板になっているものもあります。7セグメントで周波数表示をするので見栄えを考えると正面のみアクリルの板に変えるほうが良いと思います。私はスモークタイプの1mm厚の板を使用しました。アルミ板が入っていた部分にアクリルの板をはめ込むのでケース側の加工などかなり苦労します。バーニアダイヤルの穴とボリュームの穴を開ければ表示のLEDはは内側に貼り付けるだけでOKです。
(全体の中身です)
(電源部とAMチューナー部です)
(バーニアダイヤルとAFアンプ、表示部分です)
(CPLD部とスピーカーです)
(結構品のある姿になりましたね)
(正面と背面です)
バランスの取れた配置に出来ました。アクセントとしてkHzの表示は白抜きでプリンタで印字したものを後ろからLEDで照らしています。
デジタル周波数表示付きAMホームラジオを作ろうの全VHDLソースコード
私と同じ製作をされる方、または勉強される方のために全ソースコードなどプログラム一式を公開いたします。フォルダごと圧縮しましたのでそのままもってって下さい。
全ソースコードはこちらです。
さて今回の製作は如何でしたでしょうか。何回かAMチューナーを作っていますがバリキャップによる電子選局はどうしてもポリバリコンによる選局より感度が低いように感じています。局発部とバーアンテナ部の周波数調整をもっと精度よく行えばよいのかもしれません。まだまだ突き詰める必要がありそうですね。実用的には全く問題の無い内容に仕上がっていますので今回は満足しております。しかしながらもっと感度の良いものを求めて現在別のAMラジオを作っています。やることが一杯あって毎日が楽しいです。
これからもますます楽しくなる「CPLDで遊ぼう!」をよろしくお願いいたします。
これからも「オーディオクラフト工房」もどんどん進化して行きます。

「CPLDで遊ぼう!」表紙へ戻る