健康コラム


脊髄小脳変性症について

手足、身体のバランスの障害がありフラフラして歩きにくい、手足が震えて力はあるのに思うように動かない、しゃべりにくい、飲み込みにくい、排尿障害、手が震えてうまく字が書けない等の症状があります、病型によっては起立性低血圧、発汗異常などの自律神経症状も伴います。小脳、脳幹、脊髄などに病変があり、遺伝するものと遺伝しない型があります。症状は徐々に進行し、脳のCT、MRIで特徴的な病変が認められます。

脊髄小脳変性症の分類

孤発性(非遺伝性)

●多系統萎縮症

オリーブ橋小脳萎縮症 脳幹(オリーブ核、橋)、小脳の萎縮
線条体黒質変性症 大脳基底核の線条体、脳幹の黒質の障害
シャイ・ドレーガー症候群 小脳症状の他に、著明な起立性低血圧、立ちくらみ、 インポテンツ、性欲減退、無汗、排尿障害、便秘などを伴います。

●皮質性小脳萎縮症
脳CT、MRIで小脳の皮質の萎縮が認められます。 永年アルコールを多飲すると発症する場合があります。 癌に伴って出現する場合があり、癌の発症以前にこの症状がある場合がありますで、この病気があれば現在癌が隠れていないかを精査し、癌がなければ、近い将来癌を発症する可能性があるとして注意深く病状を観察する必要があります。

遺伝性(優性遺伝と劣性遺伝の型があります)

●優性遺伝性

脊髄小脳失調症1型〜17型
(SCA1〜SCA17)
遺伝子の異常の部位により1型から17型と分類されていますが、さらに増える可能性があります。SCA3はマシャド・ジョセフ病ともいわれ、ジストニア、錐体路徴候、眼球運動障害、びっくりまなこ、筋萎縮などを伴います。
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA) 運動失調症状の他に、ミオクロ−ヌス、てんかん発作、舞踏病、痴呆、性格変化などの症状を伴います。
無βリポたんぱく血症 運動失調症状の他に、眼筋麻痺、眼瞼下垂、色素性網膜症を伴います。

●劣性遺伝性

フリードライヒ病 運動失調症状の他に、足の変形、脊椎の側弯などを伴います。
ルイ・バー症候群
(血管拡張性運動失調症)
運動失調症状の他に、舞踏病、眼球結膜・皮膚の毛細血管拡張、再発性上気道炎、血中のIgA欠損があります。
遺伝的ビタミンE欠損症
遺伝性皮質性小脳萎縮症

脊髄小脳変性症には上記の疾患以外にも分類不明なものもあります。

脊髄小脳失調症の治療

内服剤、注射剤がありますが、病状の進行抑制が主体です、リハビリテーションによって筋力をつけたり、バランスをとる練習も有効です。


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