視覚と光の関係
視覚情報
見る(87%)・聞く(7%)・嗅ぐ(3.5%)・触る(1.5%)・味わう(1%)、いわいる五感の機能のうち、視覚による情報は87%をしめるといわれています。私たちは日常、目でものを見ることによって多くの情報を手に入れながら暮らしているわけですが、暗い場所ではものを見ることは難しく、明るい場所でもまぶしい場合は正しくものを見ることはできません。
視覚反応
目は光の刺激を信号に換え、数百万本の視神経を通して大脳に伝えます。大脳は送られてきた信号を判断して、明るさ・色・形を認識する視覚反応をおこないます。
自然光と人工光
スペクトル(分光)
自然光をプリズムに通してスクリーンに当てると、波長の短い方から、赤紫・青・青緑・緑・黄緑・黄・黄赤・赤などの色をもった光に分かれ、虹のような縞模様として見る事ができます。この縞模様は、光(可視光線)のスペクトル(分光)といい、可視光線の成分を表わすものです。
可視光線・赤外線・紫外線
波長380〜780nm(ナノメートル)の範囲の電磁波は、私たちの目に明るさの感覚をもたらす可視光線です。人間の目に識別できない光には、人の肌に暖かみを感じさせる赤外線や、健康線と呼ばれ、日やけ効果や化学反応効果を有する紫外線があり、さまざまな分野で応用されています。
標準比視感度(明所視)
可視光線の場合、波長の違いによって成分(光の色)が分かれているだけではなく、明るさの感覚も違ってきます。たとえば、黄や緑の光は明るく感じ、赤や青の光は暗く感じます。このように目が感じる明るさは同じエネルギーの光でも、その波長によって異なり、人間が最も明るく感じるのは黄緑系の光(555nm付近)です。
電磁波の波長と光(可視光線)のスペクルト
宇宙線(〜0.0004nm)・ガンマ線(0.0004〜0.002nm)・X線(0.001〜20nm)・遠紫外線(10〜200nm)・近紫外線(200から380nm)・可視光線(380〜780nm)・近赤外線(780〜0.002mm)・遠赤外線(0.002〜1mm)・ラジオ電波(0.22〜100Km)・音(80km〜)。 可視光線は 380nmから、赤紫・青・青緑となり500nmで緑に変わり、緑・黄緑・黄・黄赤で黄赤の真ん中で600nmになり、そのまま赤に変わっていき780nmで終わる。
自然の光
自然の光は、常に一定ではありません。日中と朝夕とでは、自然光の入射する角度や方向とともに、光の強さ・光の色が大きく変化します。また、雲や霧の状態、季節ごとの黄道(太陽の軌道)の位置にも影響されます。自然光で見たときと同じ色に見える照明とよくいわれますが、これだけではいつの自然光のことかわかりません。そこでCIE(国際照明委員会)では色温度ごとの、標準の光を定めています。またJIS規格では、晴れた日の、日の出後3時間から日没の3時間前までで、太陽の直射光を避けた北の窓からの天空の光と実用上定めています。
光の3原色
光の3原色である赤(R)・緑(G)・青(B)を重ね合わせると、人工的に様々な色を作り出すことができます。RGBの比率が変われば、光の性質も変化することから、人工光を作り出す際には、RGBの混合比率が重要なポイントになります。これを応用して作られたのが 3波長域発光形蛍光灯(パルック蛍光灯)です。
光源の発光メカニズム
温度放射
温度放射は、物体を高温に熱すると、そこからエネルギーが放射されるようになります。低温の間は波長の長い赤外線が放射されますが、数百度にもなると、目に明るさとして感じられる可視光線が含まれるようになります。白熱電球は、この温度放射を利用したもので、フィラメントを2千数百度に白熱させて、そこから放射される光を利用しています。
ルミネセンス
ルミネセンスと呼ばれるものは、ある物質が外部から受け取ったエネルギーが、その物質を構成している分子や原子に吸収されて高エネルギー状態(れい起状態)となり、エネルギーを外部へ開放するときに光のかたちで放射させるもを総称します。 はじめに物質が受け取るエネルギーのかたちよって、エレクトロ(電子)ルミネセンス、熱ルミネセンスのように呼ぶことがあります。生物の蛍もルミネセンスの一種です。蛍光灯は、放電によって電子が飛び交っていますが、電子のエネルギーを水銀原子が受け取り、紫外線を放出し、その紫外線がガラス管の内壁に塗られた蛍光体に吸収され、目に見える可視光線に変換されて放出されます。蛍光灯の内部では、二通りのルミネセンスが起こっています。
照明の質と経済性
まぶしさ・陰影
暗い照明のもとで長い時間作業を続けると、目の疲労をまねくばかりか、作業効率の低下にもつながります。しかし、光の量が豊富で明るいというだけでも、よい照明いえません、光源が直接目に入ってまぶしさを感じたり、過度な陰影を生じたりしないように、照明の質を配慮することも大切です。
光色・色の見え方
照明の光の色や、その照明によって照らされる対象物がどれだけ自然の色に近づいているか、また美しく見せられるかという条件を満たすことも重要です。
ランプ効率・寿命
適正な照明でも、不要に電力を消費したり、ランプの寿命が短くては、すぐれた照明とはいえません。よい光源は光色と色の見え方などの質と、ランプの効率・寿命などの経済性を総合的に備えていることがポイントになります。
光源の光色(色温度)について
光色と色温度
光源の光色には、赤味を帯びたものや青味を帯びたものなどがあります。しかし、光の色を人間の主観で表わす場合、見る人によって微妙に異なってしまいます。一般に、光色を物理的・客観的な数字で表わしたものが色温度です。
色温度
色温度は、K(ケルビン)で表わされます。色温度が低くなればなるほど赤味がかった光色になり、色温度が高くなればなるほど青っぽい光色になります。その関係について、自然光を例に紹介します。晴天の日の昼間の光は色温度が高めで、白に近い色に見えます。さらに色温度が高くなって約7000K以上になると、青味を帯びはじめます。これに対して、日の出後や日没前の光は色温度が低めで、約2300K以下で赤味を帯びはじめます。ただ、赤味の強い色温度の低い光源が赤い物を綺麗に見せるということではありません。
自然光の色温度
快晴の北空(12,000K) 雲天(7,000K) 晴天昼光(5,800K) 正午(5,400K) 午前9時・午後3時(5,000K) 満月(4,200K) 日の出1時間後・日没1時間前(3,500K) 日の出40分後・日没40分前(2,900K) 日の出30分後・日没30分前(2,400K) 日の出20分後・日没20分前(2,100K) 日の出・日没(200K)
演色性について
演色性とは
光源の種類によって、対象物の色の見え方が異なってきます。色の見え方に及ぼす光源の性質を演色性といい、一般的に演色性のよいランプは色の見え方が綺麗です。
演色性と分光分布
では、どうして色の見え方に良否が生じるのでしょうか。それは、光源の中に青紫から赤までの光のエネルギーがどれだけ含まれているか、という分光分布によって決まります。これらの光エネルギーが一様に含まれれば、色の見え方が自然光と同じ色の見え方(忠実性がよい)になるということです。
演色性とランプ効率
一般にランプ効率は、黄緑系の光エネルギーが多いほど効率が高くなり、青紫から赤までの光を一様に含む光源は演色性がよい反面、効率が低くなります。
パルック
演色性とランプ効率を両立させることは、かなり難しい問題ですが、初めてこれを実現した蛍光灯が、パルック(色温度5000K)です。緑の光エネルギーによってランプ効率を高め、さらに青と赤の光エネルギーを加え、3色の光のバランスを適切にとることによって、明るさ(ランプ効率)と高演色性能を得ています。さらに、このパルックの主な3つの光の混合比を変えることによって、色温度が低くあたたかみのある光色のパルック電球色(色温度3000K)と色温度が高く清涼感のある光色のパルックday(色温度6700K)などがあります。
平均演色評価数(Ra)の考え方
光源の演色性の程度、つまり色の見え方のよい・悪いを表わす代表的な指数が、平均演色評価数Raと呼ばれるものです。これは、中程度の鮮やかさで明るさが等しい8色の試験色票の色ズレの平均値から出されます。平均演色評価数の基本的な考え方は、基準光(基準に定められた光)で見た各色彩に対し、それぞれのランプで照明したときの各色彩の再現がどれだけ忠実かを示しています。
平均演色評価数(Ra)の数値
あるランプの照明下で各色彩が基準光とまったく同じ色彩に見える場合、そのランプの平均演色評価数Raは100という数値になります。ただし、Raは色の再現の忠実度わ表わした指数で、色の好ましさを表わしたものではありません。このため、Raが低く、色ズレを生じても、色彩によっては好ましく見える場合があります。しかし、人の顔のようにわずかでも色ズレすると不自然に感じたり、不快感を味わう場合もあります。したがって、単に平均演色評価数Raが低いというだけで、そのランプの実用的な価値が低いとはいえませんが、一般的に平均演色評価数Raが80以上あれば、色彩の見え方を実用的に満足させるものだといわれます。
演色性と好ましい色の見え方
光源の分光分布の違いによって、色の見え方は異なります。光源の演色性を定量的に評価する方法としては、「色の見え方の忠実性の評価方法」があります。これは、対象とするランプが基準光に比べ、どの程度忠実に色を再現しているかを定量的に評価する方法で、現在JISで規定されており、平均演色評価数Raの数値で表わすことができます。また、色の見え方の忠実性の評価の他に、「色の見え方の好ましさの評価方法」について研究が進んでいます。この方法は、対象とするランプが基準光と比較すると色ズレを起こしているが、その色ズレが好ましい方向へのズレか、好ましくない方向へのズレかを定量的に評価する方法です。たとえば、ネオピュア電球はRaが80で、一般の電球(Ra100)に比べ色の見え方の忠実度は劣りますが、赤や緑・肌色を鮮やかに好ましく見せます。
演色性とランプの用途
ランプの使用分野や用途に応じて、どのような演色性のランプが適切かについてCIEでは一定の基準を設けています。一般の屋内照明はRa80以上からRa90まで、一般的な作業の工場はRa60以上からRa80まで、粗い作業はRa40以上からRa60まで、美術館、博物館などはRa90以上などとなつております。
ランプの効率
ランプの効率は、ランプの全光束を、その消費電力(ランプ電力)で割った数値で表わし、その数値が大きいほど効率が高いといえます。ランプの種類・大きさ(ワット数)・使用状況によって異なります。
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