百日紅

ミソハギ科

明るく濃いピンクの花(多分、オオバナサルスベリ)です。


(国道41号線沿いで3月下旬に撮影)

日本の百日紅とは違う種類の百日紅が何種類かあります。

『東南アジア樹木紀行』(渡辺弘之著、昭和堂)で、著者が

「東南アジアの街路樹のなかで、本数がもっとも多いのは、やはりサルスベリだろう。」

と自信を持って書かれている通り、この樹は本当によく見かけます。
タイでは20種ものサルスベリが分布するそうです。

身近なところで4〜5m、高いものは10m、15m、20mにまでなります。
上のほうの鮮やかな花が目印です。花は紫、薄い紫、ピンクなど。
木肌は、すべすべのうらやましいお肌ですね。ちょっと傷やシミがあるのもありますけど。

よく見かけるので写真も多いのですが、20種もあると、特定が難しいです。

上記の本の中には、こう書かれています:

「もっともふつうのものが、樹高20メートルにもなり、五〜六センチの大きなピンク〜赤紫の花をつける
オオバナサルスベリ
である。」

ですが、調べていると他のものも結構多そうなので、とりあえず、
詳細のわかる5種を代表として学名でまとめておきます。
L.はどれも、Lagerstroemia(サルスベリ属)の略です。

L. speciosa (Linn.) Pers อินทนิลน้ำ インタニンナーム オオバナサルスベリ 花房はとんがり帽子状で葉は先が細く尖る。
花色:紫、薄紫、ピンク。暑季(3−5月)に咲く。
L. macrocarpa Wall. อินทนิลบก インタニンボック オオミノサルスベリ 葉、花、実は上記のより大きい。
葉は丸みを帯びている。暑季(3−5月)に咲く。
L. loudonii Teysm.& Binn เสลาใบใหญ่ サラオ・バイヤイ オオバサルスベリ 枝先が垂れ、花房は持ち上がっていない。
花色:薄紫、紫。暑季に咲く(3−6月)。
L. floribunda Jack ตะแบก タベーク   花房は枝先について反り返るようになる。
開花時に落葉し、満開時に芽をふく。
花色・薄紫〜(後に)白。雨季に咲く(6月〜9月)。
L. indica Linn. ยี่เข่ง イーケン   花は小さい。花色:紫、ピンク、白。
名前はindicaだが、原産は中国。

ところで・・

以前住んでいた東北部のロイエットの県花は

ロイエット県のページによると、オオミノサルスベリなのです。

オオミノサルスベリは、花の後、直径2cmほどの実をつけるということでその名があります。

たぶんこれです


(トランで7月末に撮影)


では、花の写真、種を特定できませんが、東南アジアの百日紅 です。

まずは咲き始めた花を上から眺めた写真をどうぞ。

 
(バンコク、サヤームとチットロムを結ぶ高架歩道より、6月に撮影)


続いて、ロイエットにて


トランの公園で
(2月下旬に撮影)

次もトランの公園のですが、こちらは花の色がピンクに近い百日紅です。


こちらもトランにて、3月始めに撮影

 

次はサラオでしょうか、タベークでしょうか・・


3月下旬、花と実が同時に見られました。
オオバナサルスベリと思われます。

 


次の写真は、学名がついているので、どちらの木かはっきりしています。ただ、花がついていません(^^ゞ

オオバナサルスベリです!

それにしても、つる草に寄生されて、サルスベリ特有のつるつるした木肌が見えませんね。

木はとても固く、簡単には伐れないそうです。


雨季に入った6月、
トランの空き地にそびえるように立つ樹(たぶん20m以上)が満開の花をつけていました。
写真を撮ってから、何の樹かなと、そばに寄ると・・・サルスベリの仲間の樹とわかりました。
たぶんタベックと思われますが、どうでしょうか。


ところで、「バナバ茶」をご存知ですか?

私は知らなかったのですが、オオバナサルスベリをフィリピンではBanabaと呼ぶそうで、
その葉を煎じたお茶はカフェインを含まず、血糖値上昇抑制作用があるので、
糖尿病の民間薬となるのだそうです。
ダイエットにもいいそうですよ!

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