感覚器官と神経系

わたしたちのからだは、かなり優秀なネットワークと情報処理のしくみを持っています。
生きていくためにいろいろな優れた器官が毎日はたらいていますが、それらを管理しているのが神経系です。
ここでは、わたしたちがいつもしている「ごくふつうの行動」がどんなしくみで実行されているか、神経系と感覚器官のはたらきをおさえましょう。

神経系

神経系は大きく分けて、まず2つのはたらきに分けられます。
外界の刺激を感じたり、考えたりして判断し、適した行動を筋肉に指令できる中枢神経と、
ただ「伝えるだけ」の末しょう神経とに分かれます。

神経系はからだの内部にしまわれているので、外界のようすは感覚器官を通して知ることになります。

たとえるなら、感覚器官は「センサーまたは入力装置」、中枢神経は「コンピュータ」、
中枢神経の命令に従って
筋肉が起こす反応は「モニター画面の表示・プリンタへの出力」など、
末しょう神経は中枢神経と感覚器官や筋肉をつなぐ「ケーブル」、といった感じでしょう。何ひとつ欠けても困りますね。

もう少しくわしく見ていきます。

中枢神経(情報処理)

…いろいろな感覚の信号を知覚し、判断して反応の命令を出す

せきずい…脳と末しょう神経の中継・反射の命令を出す

脳とせきずいをまとめて中枢神経(または中枢神経系)といいます。
脳は頭部の頭蓋骨の中にあり、せきずいは背骨の中を通っています。

脳のつくり(参考)

大脳…思考・言語・記憶・感覚・運動の中枢

小脳…からだの平衡・手足の運動の中枢

脳幹…生命維持の中枢
 間脳…内臓の活動、体温調節
 中脳…眼球運動、姿勢保持
 延髄…呼吸運動、心臓のはく動

末しょう神経(情報伝達)

感覚器官からの信号を中枢神経に伝えたり、中枢神経からの命令を筋肉に伝えたりします。

感覚神経…感覚器官で受け取った刺激を中枢神経に伝える

運動神経…筋肉に中枢神経からの命令伝える

感覚神経と運動神経をまとめて末しょう神経(または末しょう神経系)といいます。
細かく枝分かれしてからだのすみずみにまで行きわたっています。
(からだの中で神経の分布がないのは、つめと毛髪くらいなものです。)

参考:授業では習いませんが、末しょう神経には、感覚神経・運動神経のほかに「自律神経」という神経もふくまれます。
自律神経は、体内のいろいろな器官の機能を意識せずに調節しています。

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