比熱を使った熱の移動の問題では、水と鉄球がよく登場します。具体的な問題を見ていきましょう。
鉄球の比熱は0.1とし、熱は外に逃げないものとします。
水と金属球の間の熱の移動
金属球を熱し、別のビーカーの水の中に入れて温度の変化を見ます。
金属球から水へ熱が移動して、水の温度が上がり、金属球の温度が下がります。
水と金属球の温度が等しくなると熱の移動は止まります。
熱が金属球と水の間でしか移動しないとすると、
金属球の失った熱量=水が得た熱量
という関係になります。
公式の確認
熱量(cal)=比熱×質量(g)×温度変化(℃) 鉄の比熱は0.1
とくに水の場合は 水が得た熱量(cal)=水の質量(g)×水の上昇温度(℃)
【例題8】20℃、300gの水に85℃に熱した鉄球を入れたら、水温が25℃で一定になった。 |
水が得た熱量を求めると、 300(g)×(25−20)(℃)=1500(cal)
金属球の失った熱量=水が得た熱量 なので、鉄球の質量をχgとすると、
1500(cal)=0.1×χ(g)×(85−35)(℃)
これを解くと、 χ=250(g) 答えは250g
ここで密度を指定されて、体積まで求める問題もあります。ついでにちょっとやってみましょう。
鉄の密度を約8g/cm3として 体積=質量÷密度 より、 250(g)÷8(g/cm3)=31.25(cm3)
密度を忘れてしまったときはこちらで復習してください。
【例題9】25℃、600gの水に90℃に熱した鉄球500gを入れたら、水温は何℃で一定になるか。 |
一定になったときの温度をχ℃とすると、
水の得た熱量=600(g)×(χ−25)(℃) 鉄球が失った熱量=0.1×500(g)×(90−χ)(℃)
鉄球が失った熱量=水の得た熱量より、 600×(χ−25)=0.1×500×(90−χ)
ちょっと計算がめんどくさいですが、これを解くと χ=30(℃) 答えは30℃
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