夏に海水浴に行くと、砂浜は非常に熱いのに、海の水はそこまで熱くなっていません。
同じ熱量を得ても、物質によってあたたまりやすさがちがうからですね。実は、水は大変あたたまりにくく、さめにくい物質なのです。
大陸内部より島の気候がおだやかなのは、急激な温度変化が水によっておさえられているからでもあるのですね。
比熱
比熱
物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量水の比熱は1
比熱は、水と比べたときのあたたまりやすさを表します。
水の比熱はとても大きいです。物質の種類によって比熱が決まっている
比熱を求めればその物質が何であるかがわかります。
(右図参照)比熱の小さい物質ほどあたたまりやすく、さめやすい
小さな熱量で温度がかわりやすいからです。
比熱を使った熱量の公式
水以外の物質についても熱量の公式があります。
熱量(cal)=比熱×質量(g)×温度変化(℃)
水の比熱は1なので、この公式は水についても使えます。実際に使ってみましょう。
【例題6】鉄20gの温度を30℃上げるのに必要な熱量を求めよ。(上部の表を参照)
上の表より、鉄の比熱は0.1だから、公式にあてはめるだけですね。
熱量(cal)=0.1×20(g)×30(℃)=60(cal) 答えは60cal
同じ質量の水(20g)なら、3℃しか上がらない熱量ですね。では、熱量以外のものを求めてみましょう。
【例題7】ある物質200gに2000calの熱量を与えたら20℃温度が上がった。
この物質は何か。(上部の表を参照)比熱がわかれば、物質が特定できます。比熱をχとして、熱量の公式にわかっている数値を入れて方程式をつくりましょう。
2000(cal)=χ×200(g)×20(℃)
これを解くと χ=0.5
上の表から比熱が0.5の物質をさがしましょう。答えは食用油でしたね。
※解答は半角数字で入力してくださいね。比熱は上の表で確認してください。
@25℃のエタノール150gに熱量を与えたら40℃になった。エタノールの得た熱量は?
Aある物質300gに1800calの熱量を与えたら温度が30℃上がった。この物質の比熱は?
Bある質量の鉄に1250calの熱量を与えたら温度が50℃上がった。この鉄の質量は?
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