銅製の円板に銅製の軸をつけ、円板が自由に回転できるように、軸の両端をとがらせて軸受けにとりつける。
電池の両極とつないだ導線で円板の側面と軸に軽く触れ、電流を流しておく。円板に手で触ったり、風を吹きかけたりすることなく、この円板を図の向きに回転させるにはどうしたらよいか。

ご質問: 真葛さん(2005/2/5)

参考ページ…電流が磁界から受ける力

解説

金属の円板の形を生かしたおもしろい発想の装置ですね。
まず、電流がどのように円板を流れていくかを考えましょう。

銅は電流を通しやすい金属です。導線で道が作られている場合でなければ、軸や円板のどこでも電流は通ることができます。
自分が電流ならば、どんな経路で流れるか想像してみてください。
電池によって電圧がかかっている状態なので、電流は円板上では、電池の−極をめざして最短の道を選んで通っていきますね。

  

電流が円板上でつくる磁界を右ねじの法則によって求めます。
電池側から円板を見て、円板の右から円板の上を通って左にまわる半時計回りの磁界ができていることがわかります。
以下、「右」・「左」は電池側から円板を見たときの向きだとします。

電流(この場合、円板上の電流の通り道)は磁界は強いほうから弱いほうへ力を受けます。
問題文の図のように右から左へ円板上の電流部分が力を受けるようにするには、右より左の磁界を弱くするといいですね。
右の磁界(上向き)を強め、左の磁界(下向き)を弱めるには、上向きの磁界がそばにあればいいです。

  
円板の下に磁石のN極があれば、磁石の磁界は上向きになりますね。
円板上の電流の通り道の左側の磁界は弱め合い、右側の磁界は強め合います。
よって、右から左へ力を受け、円板はその向きにまわり始めます。

円板が少しまわっても、円板を通る電流はやはり最短の道を選ぶので、そこでも右から左に力を受け、結局まわり続けると思われます。
円板の下側に磁石のN極を置く」・「円板の上側に磁石のS極を置く」ことによって、問題文通りに円板がまわりますね。
N極を置く位置は、円板の下側でも、電池よりがいいでしょう。
S極を上に設置するのは、軸につながる導線も力を受けてしまいますし、置きにくい(笑)ので、答えとしてはおすすめできません。

答え

棒磁石のN極を円板の下側から近づける

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