電力・ジュールの法則
電力
身の回りの電化製品の表示や、電気代請求の通知をじっくり見たことがある人はたぶん少ないでしょう。
消費電力○○Wとか、使用量○○kWhとか書かれていると思います。
わたしたちは「何Wか」でその電気器具の能力を知ることができます。
電力…電気器具の能力の大小を表す
(電力は消費電力ともいう)
単位はW(ワット)、kW(キロワット)
1kW=1000W
かかる電圧がE(V)、流れる電流がI(A)のとき
電力P(W)=電圧E(V)×電流 I (A)
変形すると、
身の回りの電気器具に流れる電流のおよその値は、表示されている消費電力から計算できます。
家庭用の電源は約100Vですので、700Wと書かれている電気ストーブをつけると、I=P÷E=700(W)÷100(V)=7(A)
となり、7Aの電流がストーブの内部に流れていることがわかります。
電力(W数)の大きなものほどはたらきが大きい 【例】
20Wの電球より、100Wの電球のほうが明るい
500Wの電気ポットより、1050Wの電気ポットのほうが発熱が大きく早く水を温められる※余談ですが、各家庭では「契約容量」という、その瞬間流せる最大の電流の総量が決まっています。
30Aの契約をしている家庭では、一度に流れる総電流が30Aを超えるとブレーカーが落ちて停電します。
電力の表示をよく見て、W数の多いものを一度に使わないようにしましょう。
【例題1】電力500Wのオーブントースターを100Vの電源につないだ。
(1) オーブントースターには何Aの電流が流れるか。
(2) オーブントースターの抵抗は何Ωか。家庭用の電源は100Vなので、計算がラクですね。
(1) I=P÷E=500(W)÷100(V)=5(A) 答えは5A
(2) オームの法則を使いましょう。電源Eは100V、電流 I は(1)より5A
R=E÷I=100(V)÷5(A)=20(Ω) 答えは20Ω
電力と発熱量・上昇温度の関係
電力が大きいほうが早く水温が上昇していることから、電力が大きいほうが発熱量が大きいことがわかります。
また、電力の大小に関係なく、水温は通電時間に比例して上昇することもわかります。
発熱量は電力と時間に比例する
水の上昇温度は電力と時間に比例する↑のことはジュールの法則や熱量の公式から導き出されることですが、経験で何となく納得できますね。
電力量(消費電力量)(参考)
使った電気の量は、使用時間が多いほど大きくなりますね。それを電力量という量で表します。
電力に時間(hour)をかけたもので、単位はWh(ワット時)、kWh(キロワット時)を使います。
毎月の電気代はこの消費電力量(kWh)から計算されて請求されます。電力量(Wh)=電力P(W)×時間(時)
【例題2】電力100Wの電球を毎日5時間つけたとき、30日間の電力量は何kWhになるか。
一日では、100(W)×5(h)=500(Wh)
30日間では、500(Wh)×30=15000(Wh)=15(kWh) 答えは15kWh
【例題3】5Ωの電熱線に10Vの電圧をかけた。
(1)この電熱線に流れる電流は何Aか。
(2)この電熱線の電力は何Wか。
(3)この電熱線を15分間電流を流したら、電力量は何Whか。(1)オームの法則で求められますね。
電流 I(A)=電圧E(V)÷抵抗R(Ω)=10(V)÷5(Ω)=2(A)
答えは2A
(2)電力P(W)=電圧E(V)×電流 I(A)=10(V)×2(A)=20(W) 答えは20W
答えは5Wh
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