心臓内の血液の流れはつかみましたか?血液の役目は各細胞に酸素と養分を届け、二酸化炭素などの不要物を受け取ってくることです。
からだをめぐって酸素が少なくなり二酸化炭素がふえた血液も、肺で酸素を補充して、また循環していくようすをおさえましょう。

動脈血と静脈血

「動脈を流れる血液・静脈を流れる血液」と「動脈血・静脈血」は必ずしも同じものではありません。
混同しやすいので、ここでしっかり覚えておきましょう。

全身を回ってきた血液は酸素を細胞にわたし、二酸化炭素を受けとってきているので、肺で血液中の気体を交換します。
※肺は血液のリフレッシュ器官です。詳しくは呼吸系の項目で確認してください。
血液中の酸素が多いか少ないかで動脈血か静脈血かが決まります。

動脈血酸素を多くふくんだ血液(明るい赤色
静脈血…酸素が少なく、二酸化炭素を多くふくんだ血液(暗い赤色

下の図で、肺脈では脈血、肺脈では脈血が流れていることに注目しましょう。

体循環と肺循環

血液の循環はその目的によって2種類の経路があります。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。
肺循環(心臓→肺→心臓の経路)

 小循環とも言います。
 心臓の右心室を出た静脈血が肺動脈を通り、
 肺の毛細血管で二酸化炭素を捨て、酸素を
 受けとり、動脈血となって
、肺静脈を通り、
 心臓の左心房へ帰ってきます。

 ※この経路では動脈に静脈血が、静脈に動脈血が
  流れていることに注意しましょう。
  (参考…1周3〜4秒)

体循環(心臓→全身→心臓の経路)

 大循環とも言います。
 心臓の左心室を出た動脈血が、大動脈から
 それぞれに分岐した動脈を通り、全身の毛細
 血管で細胞に酸素と養分をわたし、二酸化炭
 素などの不要物を受けとって静脈血となり

 静脈から合流して大静脈を通り、心臓の
 右心房へ帰ってきます。

 ※この経路では動脈には動脈血、静脈には静脈血が
  流れています。
  (参考…1周の最短時間約20秒)

どの血管でも血液の流れは一方通行です。
心臓の弁の向きなどを参考に流れる向きを判断し、血液の一連の循環をつかんでください。

セキツイ動物の心臓のつくり

ヒトの心臓は2心房2心室のつくりで、動脈血や静脈血が混じりあうことはありません。
その他の種類の動物の心臓を紹介しておきましょう。

魚類

1心房1心室

心室→動脈→えら→全身→静脈→心房

心臓の中は静脈血しか流れていない

両生類

2心房1心室

心室内で肺からの動脈血と

全身からの静脈血が混じり合い、

効率が悪い

ハチュウ類

2心房2心室
(不完全)

不完全ながら心室が区切られているので、

両生類よりはやや効率がよい

鳥類・
ホニュウ類

2心房2心室

動脈血と静脈血が混じらず、効率がよい

魚類→両生類→ハチュウ類→鳥類・ホニュウ類の順に、単純なつくりから、より分化された能率のよい複雑なつくりになっていますね。

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