電解質の水溶液に電流を流したときの陽極や陰極のようすを考えてみましょう。

塩化水素の電離

塩化水素を水にとかすと塩酸という水溶液になります。塩酸の中でのイオンの電離のようすを考えてみます。

塩化水素の化学式は HCl だから、電離の式は

塩酸の電気分解

塩酸に電流を流すとどうなるでしょう。

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水溶液中では
 水素イオン(H+
塩化物イオン(Cl-に電離しています。

電極に電圧をかけると…
 陽極(極)には塩化物イオン(Cl-)、陰極(極)には水素イオン(H+)が引きよせられます。

陽極での反応
 塩化物イオン(Cl-)が電子
 陽極にあたえて
塩素原子(Cl)になる。

 (陽極の電子は導線を通って陰極にいきます。)

 陰極での反応
 水素イオン(H+)が電子を
 陰極から受けとって
水素原子(H)になる。

陽極での変化
 塩素原子(Cl)が2個結びついて塩素分子(Cl2 になり、気体の塩素として発生します。

 陰極での変化
 水素原子(H)が2個結びついて水素分子(H2 になり、気体の水素として発生します。

陽極 陰極
Cl-が引かれる

電子を捨ててClになる

2個でCl
2 になる
H+が引かれる

電子をもらってHになる

2個でH
2 になる

陽極には塩素、陰極には水素が発生して、塩化水素を分解しました。

分解でできた分子の数

塩化水素が塩素と水素に分解される化学反応式を考えてみましょう。
化学反応式のつくり方を忘れてしまった人はこちらへ。

その温度で分子の数が同じとき、気体は同じ体積です(参考)。
水素も塩素も同じ量が発生していると考えられますね。
実際は塩素は水にとけてしまうので、気体を集めると水素のほうが多くなります

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