化学反応式は→の左右で原子の数を合わせることが大事ですが、原子の数が多くなるとモデルではかえって考えにくくなります。
そんなときは数学の連立方程式を使って係数を求めることができます。例題の手順のBからが今回のテクニックです。

【例題4】 ブタン(C4H10が燃焼したときの化学反応式を書け。

@反応前の物質がふくむ原子の種類から、反応後の物質を推測する

反応前…ブタン(C4H10)と酸素(O2)……COHOで推測できる物質はCO2H2O
反応後…水(H2O)と二酸化炭素(CO2

A式にしてみる

 C4H10 +  O2 →  H2O +  CO2

B両辺の原子の数を合わせる

  ・いちばん原子の数が多そうなC4H10の係数を「1」(書かない)とし、その他の項に文字で係数をつけて表してみる。

C4H10 + O2 → H2O + CO2

  ・原子の種類ごとに両辺の数が等しいとして、等式をつくる

C(炭素原子)について
左辺はC4H10の中にCは4個、右辺はCO2の中に… 4= …@

H(水素原子)について
左辺はC4H10の中にHは10個、右辺はH2Oの中に2… 10=2 …A

O(酸素原子)について
左辺はO2の中に2、右辺はH2Oの中にCO2の中に2… 2+2 …B

  ・@ABの等式を連立方程式として解く

@より、c=4  Aよりb=5 これをBに代入すると、 2a=5+2×4=13 だから 

 係数をもとの化学反応式にあてはめてみると、

係数はもっともカンタンな自然数にするべきなので、両辺を2倍して

2C4H10 + 13O2 → 10H2O + 8CO2

 

【例題5】 植物が光合成をしてブドウ糖(C6H12O6)をつくった。この光合成の化学反応式を書け。

難問ですが、上のようにして解いてみましょう。
光合成は水と二酸化炭素から有機物と酸素をつくる変化
です。

@反応前…水(H2O)、二酸化炭素(CO2
  反応後…ブドウ糖(C6H12O6)、酸素(O2

A  H2O +  CO2 →  C6H12O6 +  O2

B aH2O + bCO2 → C6H12O6 + cO2

Cについて b=6 …@

Hについて 2a=12 …A

Oについて a+2b=6+2c …B

  @より b=6  Aより a=6  これをBに代入すると、 6+2×6=6+2c だから c=6

  係数をもとの化学反応式にあてはめて

6H2O + 6CO2 → C6H12O6 + 6O2

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