仕事とエネルギー

「エネルギー」ということばはよく聞きますね。
何かができる能力のように使われていますが、理科でいう「エネルギー」の意味を知るため、まず、「仕事」というものから理解していきましょう。
いっぱんの「仕事」と理科の「仕事」はちがうものですので、混乱しないようにしてくださいね。
ここでは力の単位は「kg重」、仕事やエネルギーの単位は「kg重m」といった、以前の単位を使っています。
必要があれば 
0.1kg重=1N0.1kg重m=1J で換算してください。

仕事

理科でいう「仕事」はいっぱんの「仕事」のようにいろいろな意味をもつ「ことば」ではなく、計算できる「量」です。
物体に力を加えて、力の向きに物体を動かしたとき、その力は物体に仕事をした、といいます。

【例】
物体の重さ(重力)にさからって物体を支えるとき、重力の反対向きに重力と同じ大きさの力が必要ですね。
その力の向きに物体を動かしたときだけ、力は仕事をしたことになります。
水平に持ち運んだだけでは仕事をしていないことになります。
重たい思いは同じなのに、ちょっとソンした気分ですね。

力の向き(上向き)に動かしたとき
力は仕事をしている
水平方向へ動かしたとき
力は仕事をしていない

仕事は加えた力の大きさと力の向きに動かした距離の積で表されます。

仕事(kg重m)=力の大きさ(kg重)×力の向きに動いた距離(m)

※仕事の単位はkg重mだけでなく、g重cmやも使われていましたが、現在はJ(ジュール)が主流となっています。

仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)


【例題1】
定滑車とロープを使って質量20kgの物体をゆっくり2m
持ち上げた。

(1)この物体を重力にさからってゆっくり引き上げるには
  何kg重の力が必要か。

(2)手はロープを何m引き下げたか。

(3)手が物体にした仕事を求めよ。

※定滑車は力の向きを変えるための道具です。

(1)
定滑車は力の向きを変えるだけで力が軽減されるわけではありません。
20kgの質量にはたらく重力は20kg重なので、つり合わせるには20kg重の力が必要ですね。

(2)
定滑車なので、力の向き以外はふつうに引き上げたときと同じです。ロープは2m引きました。

(3)
手の力は下向きに20kg重、動かした距離(引いたロープの長さ)は2mなので、
  仕事(kg重m)=20(kg重)×2(m)=40(kg重m)  手は物体に40kg重mの仕事をしましたね。

仕事率

先ほどの【例題1】で、手は40kg重mの仕事をしましたが、この仕事を10秒でやるのと、20秒でやるのとでは能率がちがいますね。
仕事の能率を比べるときに便利なのが仕事率です。

仕事率単位時間あたりにした仕事

※仕事率の単位はkg重m/秒だけでなく、g重cm/秒W(ワット)馬力なども使われます。

  ※解答は半角数字で入力してくださいね。

摩擦のある面の上で物体をゆっくり引きずったら150g重の力が必要だった。20cm物体を動かすのに5秒かかった。

@この物体と面の間の摩擦力は何g重か。     

g重

A加えた力が摩擦力にさからってした仕事は
 何g重cmか。

g重cm

B加えた力の仕事率を求めよ。

g重cm/秒

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