静電気と電流

髪の毛を下敷きでこすって髪の毛を逆立たせて遊んだ経験はありませんか?物体と物体は摩擦によって電気を帯びます。
静電気が流れれば(動けば)放電し、電流(動電気)となります。
ここでは、静電気について考えていきましょう。参考として電流の正体も見ていきます。

静電気

乾燥した冬の日など、静電気を帯びやすくなってイヤですね。静電気は摩擦によって発生します。

静電気…摩擦によって生じる電気(+の電気と−の電気の2種類)
       +と−の電気がふれ合うと静電気はなくなる

電気の力違う種類の電気は引き合い、同じ種類の電気は反発し合う

(参考)毛皮でエボナイト棒をこすったときに毛皮に生じる電気を+の電気、絹布でガラス棒をこすったとき絹布に生じる電気を−の電気と定義したそうです。

バチっとなった瞬間は放電している状態で、この時点で静電気ではなく電流となっています。
雷雲も静電気の現象です。雲がこすれ合うことで静電気が生じ、たまった電気を地上に流したとき、「雷が落ちた」という状況になります。

静電気が発生する理由

どんな物質も、もともと+と−の電気をたくさんもっています。
+の電気と−の電気の量が同じなら、その物質は帯電していない(電気的に中性な)状態です。
物質(とくに不導体・絶縁体)をこすり合わせると、片方の−の電気がはがれて、もう片方の物質に移ります。
−の電気をとられたほうの物質は−の電気が足らなくなるので+に、−の電気をもらったほうの物質は−に帯電します。

はく検電器による帯電の実験

はく検電器とは、近づける物体が帯電しているかどうか、また、どちらの電気を帯びているかを調べる器具です。
表面と「はく」は導体でできているので、自由電子が移動しやすく、+や−に帯電しやすいです。

物体が帯電しているかどうかを調べる

はく検電器に帯電し たものを近づけると、 はくが開きます
帯電したものを近づけると、表面に違う種類の 電気が引かれ、はくは 帯電したものと同じ種類 の電気を帯び、2枚の はくは反発し合います。
物体が帯電していな ければはくは開きません

はく検電器を帯電させる

はく検電器を1種類の電気に帯電させる方法です。
物体がどの種類の電気に帯電したかを調べるのに、帯電したはく検電器を用意する必要があります。

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。
例として毛皮でこすったエボナイト棒を近づけます。
 +の電気が引かれ、はくは−に帯電します。

はく検電器に手をふれて、−の電気をにがします。

はくは電気をにがしたので閉じます。

エボナイト棒を遠ざけると表面に集まった+の
 電気は、はくのほうにも移動します。

この状態で次からの実験をします。

※−に帯電させたい場合は「+に帯電したもの」を近づけます。

同じ種類の電気を帯びている場合

物体とはく検電器が同じ種類の電気を帯びている…はくはさらに開く

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。
例として+に帯電したはく検電器に、
  絹布でこすったガラス棒を近づけます。

表面にあった+の電気ははくに移動して
  はくはもっと開きます。

ガラス棒の+の電気に引かれて表面に
  −の電気が集まります。
  そのため、はくはもっと+に帯電し、
  さらに開いていきます。

ちがう種類の電気を帯びている場合

物体とはく検電器がちがう種類の電気を帯びている…はくは一度閉じてからまた開く

順番にラジオボタンをクリックしてみてください。
例として、+に帯電したはく検電器に、
  先ほどのエボナイト棒を近づけます。

はくにあった+の電気も引かれて移動し、
  はくは帯電しなくなるので一時閉じます。

エボナイト棒の−の電気に引かれて表面に
  +の電気が集まり、はくが−に帯電していく
  ので、はくはまた開いてきます。

帯電列(参考)

摩擦する物質の組み合わせでどちらが+に、どちらが−に帯電するかを並べたものです。
実際は表面などの違いにより、このような系列にならない場合もあります。おおまかな系統として見てください。

遠いほど強く帯電します。
毛皮とエボナイトなら、毛皮(左)が+に、エボナイト(右)が−に強く帯電します。
ガラスと絹布なら、ガラス(左)が+に、絹布(右)が−に帯電します。

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