電流は+の電気の流れということで、今までいろいろな電気の法則を確立してきました。ここでは電流の正体を見ていきましょう。

放電

放電…電気をおびたものや電気をたくわえたものが電気を失う現象

    放電したときの電気の流れは電流

金属は電気を通しやすいですね。電気を通しにくい物質でも、高い電圧を加えると電気を通すようになります。
ふつう、空気は電気を通しませんが、非常に高い電圧を加える(大量の電気をたくわえる)と放電します。

雷は大規模な放電現象です。冬の乾燥した日に何かにさわろうとしたとき、「バチッ」と火花が飛んで痛い思いをしたことはありませんか?
これもからだにたまった静電気が放電したためですね。

真空放電…気圧が低い状態で放電し、電流が流れる現象

蛍光灯やネオンサインは真空放電を利用したものです。
蛍光灯は水銀の気体を、ネオンサインはネオンを、低い圧力で放電管に封入しています。

陰極線

内部の気圧を低くした真空放電管の−極からスリットを通し、線の形のものが蛍光板にうつります。
−極(陰極)から出るということで、陰極線と呼ばれます。

陰極線−極(陰極)から飛び出す電子の流れ

陰極線の性質

@−極から出て直進する
A−の電気をおびている …電子の流れだから

電子…質量をもった非常に小さい粒
  −の電気をおびている→+極に引かれる

陰極線が曲がるとき

電気の世界では、+と−は引き合います。

電子(−の電気)の流れである陰極線も、
電極板の+極に引かれてまがります。

U字形磁石を近づけると曲がります。

磁界の中で電流が力を受けて動くことを覚えていますか?
電流の流れは+から−なので、陰極線をつくる電子の流れとは逆向きになりますが、左手を使って確認してみましょう。
「電流」と「電子の流れ」は関係がありそうですね。

陰極線がつくる影

スリットをはずし、中に十字板をとりつけて
放電管に数万Vの電圧をかけると、
+極のうしろに十字の影ができます。

−極から飛び出した電子が
十字板にさえぎられるためです。

※テレビのブラウン管は陰極線を利用しています。
電子は「電子銃」から飛び出し、蛍光物質をぬったガラス面にぶつかり光ります。この集合がテレビに映る像となります。

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