酸性とアルカリ性はまったく反対の性質ですね。酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液をまぜた場合について考えてみましょう。

中和

例として水酸化ナトリウム水溶液にうすい塩酸をまぜた場合を考えてみましょう。

水酸化ナトリウム水溶液に
フェノールフタレイン溶液を加える
アルカリ性なので、赤色になる

少しずつうすい塩酸を加えていく

無色の水溶液ができた
中性になった

アルカリ性の性質がなくなり、塩化ナトリウム水溶液(食塩水)
ができましたね。

アルカリ性がしだいに弱くなって中性になってしまったのは、塩酸中の水素イオン(H+)と水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化物イオン(OH-)が結びついて水(H2O)となり、OH-がなくなってしまったからです。

中和…水素イオンと水酸化物イオンが結びついて水ができる反応

中和を表す式… H+ + OH- → H2O

中和のようすをモデルで見ていきましょう。

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水酸化ナトリウム水溶液があります。
 水酸化ナトリウム水溶液の中ではNa+とOH-に電離しています。
 OH-があるので、液はアルカリ性です。
  

塩酸を加えていきます。
 塩酸はH+とCl-に電離しています。
 液の中でH+とOH-が出会って
 水(H2O)ができます。
 OH-が減ってアルカリ性が弱くなります。

さらに塩酸を加えます。
 液の中でH+とOH-が出会って水(H2O)が
 できます。ついにOH-がなくなり、H+もないので
 液は中性です。
 この状態を「完全に中和した」といいます。

ただの食塩水になってしまいました。
 水を蒸発させるとNa+とCl-がイオンでいられなくな
 り、結びついてNaCl(塩化ナトリウム)ができます。

中和と塩

水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和では、同時に塩化ナトリウムができました。

(えん)酸の陽イオンアルカリの陰イオンが結びついてできた物質

中和では水と塩ができます。水酸化ナトリウムと塩化水素の反応では水と塩化ナトリウム(塩)ができましたね。

だから
HCl + NaOH → H2O + NaCl

塩の種類(参考)

塩は塩化ナトリウムだけではありません。どんな酸とアルカリでどんな塩ができるか少々紹介しておきましょう。

アルカリ 化学反応式
塩化水素
HCl
水酸化ナトリウム
NaOH
塩化ナトリウム
NaCl
HCl + NaOH → H2O + NaCl
塩化水素
HCl
水酸化カルシウム
Ca(OH)2
塩化カルシウム
CaCl2
2HCl + Ca(OH)2 → 2H2O + CaCl2
硫酸
H2SO4
水酸化ナトリウム
NaOH
硫酸ナトリウム
Na2SO4
H2SO4 + 2NaOH → 2H2O + Na2SO4
硫酸
H2SO4
水酸化バリウム
Ba(OH)2
硫酸バリウム
BaSO4
H2SO4 + Ba(OH)2 → 2H2O + BaSO4

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