「力」ということばはとてもなじみ深いものです。でも、力自体は目に見えなくて、力がはたらいた結果で私たちは力の存在を知ります。
見えない力ですが、がんばってイメージしましょう。

力がはたらいているとき

・物体の形が変わったとき
   ボールがへこんだり、ばねが伸びたりするときなどですね。

・物体を持ち上げたり支えたりするとき
   静止していたり、等速直線運動している物体でも、力がつり合っているときです。

・物体の運動が変わったとき
   止まっている物体が動きだしたり、動いている物体が止まったり、物体の速さや運動の向きが変わるときなどです。

力の種類 

人の力以外にどんなものがあるか、次の5種類を覚えましょう。

はなれて
はたらく力
重力 地球が物体を引く力(=その物体の重さ)  
磁石の力 N極とS極が引き合う力 磁石の同じ極が反発し合う力
磁石と鉄が引き合う力             
電気の力 +と−の電気が引き合う力
同じ種類の電気が反発し合う力        
ふれ合って
はたらく力
弾性の力 変形した物体がもとの形にもどろうとする力
摩擦の力 物体のふれ合っている面と面の間で
物体の運動をさまたげるようにはたらく力  
力の単位

N…「ニュートン」と読みます。

1N=質量0.1kg(=100g)の物体にはたらく重力の大きさとほぼ等しい

(質量1kgの物体にはたらく重力の大きさは約10N)

100gというと、ちょうど1円玉100個ぶんくらいですね。
1円玉を100個持っている人は手に乗せてみてその重み(1N)を感じてみてください。50円玉25枚でもいいです。

(参考)もう少し正確にいうと、1円玉102個で1Nの重力を体感できます。
高校以降の学習では、1kgの物体にはたらく重力の大きさは約9.8Nですが、中学では約10Nとして考えます。

重さをNで表す

100gの物体にはたらく重力=約1N」ということを使って、物体にはたらく重力の大きさが求められます。
求め方がよくわからない人は以下の2式を覚えてしまうとラクです。

200gなら100で割って2N、5kgなら10をかけて50Nという感じですね。
もちろん、どちらかひとつ覚えて1000g=1kgを使って換算してもOKです。

ちょっと練習してみましょう。解答は半角数字で入力してくださいね。

@150gの物体にはたらく重力の大きさは? N

A500kgの物体にはたらく重力の大きさは? N

B20gの物体にはたらく重力の大きさは? N

重さと質量の違い

質量…その物体そのものの量 場所によって変わらない 単位は(グラム)・kg(キログラム)など

重さ…その物体にはたらく重力の大きさ(物体の質量に比例) 単位はN(ニュートン)など

小学校までは重さを「g」「kg」で表すことが多かったと思います。実は「g」「kg」は質量の単位です。
質量とはその物体がもともと持っている固有の量です。(かえってわかりにくいですね…ι)
質量のあるものに対して重力ははたらきます。
たとえば、体重60kgの人の「質量」は60kgで、その人にはたらく重力の大きさは地球上では約600Nとなります。
その人の「重さ」は約600Nというわけです。
月の重力の大きさは地球の6分の1なので、その人が月に行くと「重さ」は約100Nになります。
その人がやせたわけではなく、その人そのもの(質量)は60kgのままですね。
つい「重さ」をgやkgで表してしまいがちですが、違いをしっかりつかんでください。

「重さ」は「力」です。注意しましょう。

その他の力の大きさの単位(参考)

以前の教科書では力の単位はg重・kg重を使っていました。

1kgの物体にはたらく重力は「1kg重」という感じで、どのくらいの大きさの力かが体感しやすい単位です。
N(ニュートン)に慣れないうちは、g重やkg重に換算してみるとわかりやすいこともありますね。
ただ、質量と重さ(=力)を混同してしまいがちになりますから気をつけてください。

中学では 1N=約0.1kg重(または約100g重) で換算します。
1Nは質量100gの物体にはたらく重力とほぼ同じ大きさということです。

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