圧力

「力」と「圧力」は非常に混同されやすいです。ここで圧力とは何か、しっかりつかんでください。
ここでは、圧力の基本的な計算のしかたを身につけ、大気圧・水圧のような身近な圧力について見ていきましょう。

圧力と力

同じ大きさの力がはたらくとき、広い面積にはたらいた場合より、小さな面積にぎゅっとはたらいたほうが、
力を受けた物体を変形させたり衝撃を与えたりするには効果的です。
力の効果は、その力を受けている面積に関係がありますね。

教科書でもよく出てくる比較の図です。

同じ重さのビンは同じ大きさの力でスポンジを押しているはずですが、スポンジはビンを逆さにして置いたほうが大きく変形します。

力の効果は面積が小さいほど大きい

単位面積ごとにはたらく力を考えると力の効果が理解しやすいですね。

圧力単位面積あたりにはたらく力の大きさ

圧力は面積が小さいほど大きくなる

足を踏まれるにも、ふつうの運動ぐつで踏まれるのと、ハイヒールのヒールの先で踏まれるのには、痛さにかなり違いがありますね。
わたしたちは受ける力の大きさは直接感じとることはできず、「力」のように感じているのは、実は「圧力」です。

圧力と面積

【例題1】

右図のようなレンガをスポンジの上に置いたとき、
A・B・Cどの面を下にしたときにもっともスポンジが
へこむか?

このような図は圧力の単元では非常によく出てきますね。
その物体の重さ(スポンジを押す力と等しい)はどの面を下にしようが変わらないのに、圧力はどの面を下にするかによってちがいが出てきます。
圧力による力の効果は、スポンジのへこみ具合で知ることができます。
もっともスポンジがへこむ=もっとも圧力が大きい

圧力をもっとも大きくするには、圧力は面積が小さいほど大きいことを思い出して、
A〜Cのうちもっとも小さな面積をもつ面を下にしましょう。

A…10(cm)×20(cm)=200(cm2
B…5(cm)×20(cm)=100(cm2
C…5(cm)×10(cm)=50(cm2…Cがもっとも面積が小さい→下にしたとき、もっとも圧力が大きい

答え…C  計算しましたが、面積の大小は見てわかりますね。

イメージ的にはこんな感じかもしれませんね。

※力の矢印は作用点を無視してかいています。

力は広い面積で分け合ったほうが
圧力は小さくてすむ、ということです。

スキーやスノーボードの板は雪との接地面積を大きくして足が雪にめりこむのを防ぐ効果があります。
また、がびょうは先を針にすることによって力がはたらく面積を非常に小さくしているので、指で押した程度の力でも壁に刺すことができます。

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