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GATE社TITANを使ってみる

制御基板

GATE社 TITAN

17年前、私は、セミ/フル/3点射の切替を電子回路化し、またモータをオンオフするスイッチ自体を半導体(MOSFET)したシステムを製作しました。目的がTOP64式のメカボックスをマルイver3(AK47用)に置き換えるためだったので、それが済んでしまったら、目的(情熱)を失い、そのまま17年経ってしまいました…。

時代の流れは怖ろしいもので、17年の間に、私が考えたものよりずっと上を行くシステムが市販されるようになりました。値は張るのですが、興味本位で試してみました。ポーランドのGATE社製です。

特長

このシステムの特長を紹介します。

電子トリガー搭載

TITANも電子トリガー(FET)搭載であり、それによってモータをマイコン制御することが可能になります。すると、プリコック(ピストンを後退位置で待機させること)が可能になってレスポンスが良くなったり、セミオートの制御を電子的に行うことで、東京マルイの電動ガンに付き物だったセミロック(セミオートでトリガを引いても動かない現象の俗称)が原理的に起きなくなったり、など多くの利点を得ることができます。

メカボックス内で完結

制御基板

TITAN組込み後

従前のスイッチユニットの代わりにシステム一式が収まるので、メカボックスに外付け部品がありません。

設計が拙いと、マイコンのプログラム変更(例えば3点射を2点射にしたいとか)の度にメカボックスを開けて…となりますが、これはよく考えられていて、設定はバッテリ電源線経由でパソコンから行うので、設定変更のためにメカボックスを開ける必要はありません。

さらに、プリコックの解除のように、フィールドで頻繁に行う可能性のある設定変更は、パソコンなしで、セレクターとトリガだけで出来るように工夫されています。

設定が豊富

制御基板

USB-Linkの接続:上が電動ガン側

セミ・フルの切替の他、3点射なども出来ます。プリコックも可能。また、トリガーの微調整も出来、引きしろを浅くすることも可能です。

これらの設定は、別売りのUSB-Linkという部品を経由してパソコンと接続し、パソコンのGate Control Station(GCS)というアプリから行うことで可能です。電動ガンとの接続は、バッテリに接続するコネクタと共用です(付け替え)。

難点

続いて、今一つな点を述べておきます。事前に頭に入れておけば、組み込み改造時のストレスも軽減されると思います。

高い

USB-Linkを入れると、3万円を超えます。いくら電子トリガーになってセミオートの切れが良くなるとはいえ、この投資には躊躇する方も多いのではないでしょうか。

USB-Linkがないと使えない

最初にTITANを買う時は、USB-Linkも一緒に買わなければ使えません。最初だけですが、接続して初期化のようなことをしなければならない様子。また、本デバイスを使うには、Gate Control Station(GCS)というソフトをパソコンにインストールしなければならないのですが、どこでダウンロードするのか探すのにも一苦労。

ボルトストップが無効になる

これはHK416やSCARが該当しますが、ノーマルマガジンを撃ち切った後の疑似スライドストップの動作は無くなります。要するに、弾切れの際は、スタンダード電動ガンと同じで、空撃ち状態になります。

使用感

確かにセミオートのキレが良くなっています。プリコック機能を有効にすると、さらにレスポンスが向上した気がします。セミロックは全く発生せず、一撃必殺という場面を逃すことがなくなりそうです。但し、調子に乗って、セミオートで速射して1弾倉撃ち切るようなことをしたら、リポバッテリー(560mH,20C)が温かくなってきたので、程々にしておきます。

まとめ

制御基板

TITANを組み込んだHK416C

高価な投資である上、組み込みのためにメカボックスを開けなければならず、中上級者向けで万人向けでないパーツという印象です。しかし、利点が多いのも事実(特にセミロックから解放されるのは大きい)で、また、いろいろな設定をして楽しむことができるので、興味のある方は試してみてもいいでしょう。

なお、今回の改造で、一番苦労したのは、実はTITANそのものではなく、組込対象のHK416Cの再組み立てでした。部品紛失には細心の注意を払ったので、しなくて済んだのですが、モータ周りの配線が微妙だったり、何より配線を前方へ引き出すのに大苦戦。変な姿勢で作業したせいか、腰が痛くなってしまいました。(2024.2.5)


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