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スイッチのFET化の長短

電動ガンは、モータを電池で駆動しますが、モータを動かす際に用いるスイッチは、引金に連動しています。このスイッチをFET(半導体)化することの長所と短所について考えます。(2007.7.16初版,2023.8.23改訂)

スイッチ接点の摩耗

電動ガンは、引金に連動したスイッチにより、電流を入切しています。しかし、電流には、スイッチを切っても、しばらくは流れ続けようとする性質(といっても1秒にも満たない時間)があります。そのため、引金を戻してスイッチを切る際、アークを飛ばして電流を流し続けることになります。

アークは、接点を溶かしたり、接点に煤を付着させたりするため、電動ガンを長く使い続けると、接点の接触が悪くなり、引金を引いてもモータが回らない、といったことが起きるようになります。

これを解決する方法として、最近流行しているのが、スイッチのFET化です。FET化すれば、スイッチは無接点化されるため、スイッチの摩耗は無くなります。

FET化の長短

FETというのは半導体素子の一つで、電気信号によりオンオフするスイッチとして使うことが出来ます。このような素子には、他にサイリスタ、IGBTなどがありますが、電動ガン程度の電流をオンオフする場合は、(MOS)FETが適しています。

メリット

スイッチの無接点化
接点が無くなるため、接点の摩耗から解放されます。
セミオートの切れが良くなる?
セミオート時の電流遮断が高速化されるので、セミオートの切れが良くなる可能性があります。
応用が容易
電気信号でスイッチを入切するため、セミオートやバーストの制御が容易に実現可能です。また、時限式や無線操縦も容易になるため、ブービートラップへの応用も可能になります。

但し、現状のスイッチのままでも、モータと並列に環流ダイオードバリスタを接続することにより、アークは飛ばなくなるため、アークによる摩耗は無くなります。

デメリット

FETの取扱い
FETに限らず半導体素子は静電気に弱いため、加工の際には取扱いに注意が必要です。
短絡故障対策
FETに限らず半導体素子は、殆どの場合故障すると短絡モード(オンしっぱなし)になります。そのため、FETが短絡しても、モータが動きっぱなしにならないよう、工夫が必要です。例えば、FETとトリガスイッチを直列に接続するなど。

まとめ

スイッチをFET化することの利点としては、スイッチの無接点化というよりは、応用が容易ということの方が大きいと思います。バースト制御や時限式・遠隔操作などの電子回路と組み合わせず、単純にトリガスイッチのオンオフによって、FETをオンオフさせるだけでは、あまりメリットがないと思います。

FETによるカスタムを検討されている方は、まずは目的をはっきりさせ、長所と短所を天秤にかけて決めるべきでしょう。

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