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電動ガンの命中精度

市販の電動ガンの命中精度を、さらに高める方法について考えます。

何が命中精度に影響するか

実銃も含めた話ですが、銃の命中精度に影響を与える要素としては、「初速」「弾重量」「弾の回転」「銃重量」「発射反動」「引金の重さ」「射手の伎倆」等が考えられます。

この中から、電動ガンで無視できる要素を除きます。まず、「発射反動」は電動ガンにはないので、除外できます。「引金の重さ」「射手の伎倆」については、別の機会に譲ることにして、「弾重量」は、電動ガンの場合は0.2gが上限で、調整の余地がないのでこれも除外。「弾の回転」も、電動ガンにはライフリングがないので除外。

結局、電動ガンの命中精度に直接影響しそうなのは、「初速」だけとなります。初速は、高い方が好都合です。初速が低いと、的までの到達時間が長くなるため、重力や横風の影響を受けやすくなるためです。

銃身が長いと、初速は上がるか?

初速を高くした方が、命中精度向上に好都合というのは判りました。では、銃身を長くすれば、弾が加速される時間が長くなるので、初速は上がるのでしょうか。

実銃の場合、命中精度を上げるために銃身を長くすることがよく行われています。狙撃銃は、普通の小銃よりも銃身が長いことが多いのも、そのためです。

しかし、電動ガンの場合は、銃身長と初速は、必ずしも比例しません。弾が銃身内で最高速度に達する時の銃身長を「理論腔長」といいますが、銃身長が理論腔長より長いと、弾はそこで加速を止め、逆に減速を始めるからです。

電動ガンはシリンダーから押し出される空気によって、実銃は火薬の燃焼ガスによって弾を前進させます。実銃は燃焼ガスの圧力が十分高く、量も多いため、理論腔長は実在の銃身長よりも遙かに長いものになります。よって、銃身が長い程、初速が上がることになります。しかし、電動ガンの場合は、実銃よりも極端に空気圧・量が少ないため、銃身長と理論腔長は接近します。

理論腔長は、
  理論腔長=シリンダ容積/銃身内径断面積×係数
で計算されます。係数は、現在のホップ付き電動ガンでは0.55〜0.65程度とのことです。

この式を、M4A1に当てはめると、シリンダ容積:17000mm3,銃身内径断面積:29mm2,係数:0.65とすると、381.0mmとなります。但し、ホップを強くすると1割程度短くなるようです(ホップを強めると、そこでパワーロスがあるため)。

東京マルイ電動ガンの銃身長(インナーバレル長)は、下記の通りです。

機種 銃身長 機種 銃身長 機種 銃身長
MP5K 110mm G36C 247mm M14 500mm
MP5K PDW 141mm M4A1 363mm M16A2 509mm
MP5A5 229mm 89式 433mm SG550 534mm
P90 247mm AK47 455mm PSG1 590mm

M4A1の場合、理論腔長を考えると、現在の銃身長は適正値であることが判ります。これを1ランク上の89式用に交換しても、逆に初速が低下し、命中精度に悪影響が出ることが考えられます。

インナーバレルをカスタムバレルに交換すると初速が上がることがありますが、これは純正よりも内径が僅かに小さいため、理論腔長がその分長くなるためです。

アウターバレルの効果

電動ガンは、銃身がインナー・アウターの二重構造になっています。初速に効いてくるのはインナーの方ですが、インナーはそのままでアウターを長くした方が、命中精度が良くなることがあるようです。

これは「整流効果」によるものです。インナーを長くしても初速は上がりませんが、アウターバレル中で整った空気の流れを作ることで弾道を安定させることができるため、インナーバレルから直接大気中に放り出すよりも命中精度は良くなるようです。
(後日、実験によって検証したいと思います)

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