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東京マルイ 89式5.56mm小銃 レビュー

東京マルイ89式

東京マルイの89式5.56mm小銃

2006年7月、東京マルイから89式小銃の電動ガンが発売されたため、私こと管理人も早速購入しました。
(予約して手に入れたのですが、電動ガンを予約して買うのは、実は初めての経験です)

その出来については、各方面で紹介されていますが、私なりの視点も交えて改めて紹介します。

89式の概要

東京マルイの89式5.56mm小銃・電動ガンは、陸上自衛隊で採用されている89式をモデルに電動化されたものです。まず、自衛隊に訓練用として納入され、続いて一般にも販売が始まりました。定価は、46,800円と電動ガンにしてはかなり高めです。

機関部まわり

東京マルイ製電動ガンとしては、初めてメタルフレームを採用しています。おかげで、不自然に肉厚にならず、実銃が持つスリムなイメージを上手く再現しています。

「89式5.56mm小銃」と刻印されています。最近製造された実銃の刻印は「89R」になっていますが、きちんと漢字で刻印されていた方が、日本の小銃っぽくて良いです。

実銃同様、左側には切替レバー(いわゆるセミフル切替のセレクターレバー)がなく、現在選択されているモードのインジケーターが付くだけです。

右側面です。実銃同様、こちらに切替レバーがあります。反時計回りに、ア(安全)→レ(連発)→3(3点射)→タ(単発)の順に切り替わります。64式はア→タ→レの順だったので、逆ということになります。レバーの動きは硬く、慣れるまでは戸惑うかもしれません。

ア位置から、時計回りに直接タ位置に切り替えられないのも、実銃同様です。

メタルフレームの採用により、弾倉を受ける口がかなり薄くなっていることが判ります。かなり実感的です。

プラフレームでは、こうはいきません。

槓棹は常に前進状態にありますが、引くことは可能です。但し、途中までしか引けません。槓棹を引くと、ホップアップ調整用のダイヤルが、姿を現します。

ホップ調整ダイヤルの形状は、M16ではなく、G3と同様です。調整は、マルイ電動ガンの中でも、やり難い部類に入ると思います。

被筒

実銃は、金属と樹脂の組み合わせとなっていますが、電動ガンは樹脂の一体成形になっています。しかし、塗装が良いせいか、プラの安っぽさは感じません。

被筒に開けられている穴は、一部が塞がっていて、内部が見えないようになっています。ヒューズや電気配線を隠すためと思われます。

被筒内に、AK47S用のバッテリーが入ります。バッテリー交換は、慣れれば難しくありません。

MP5等と同様、被筒はピンで固定しますが、抜け止め防止のピンになっているため、紛失するおそれはありません。

被筒の前半分は、穴が塞がっていないため、バッテリーが丸見えになります。純正バッテリーは黒なのでいいのですが、非純正の場合は、ビニールテープなどを貼り、バッテリーの色が目立たないようにしましょう。

銃身

銃身や消炎制退器、規制子など、この辺の部品は全て金属製です。剣止め(着剣装置)は、わざと形状を変えているようで、すてんがん工廠製の模擬銃剣は、そのままでは付かないようになっています(加工すれば着剣可)。

銃床

固定式の銃床を再現しています。89式の固定銃床は意外と細身なので、ラージバッテリーを入れられなかったようです。長さや形状が、日本人に合うようデザインされているところが、さすが純国産といったところです。

空挺団や戦車隊で使われている折曲銃床仕様も、発売されるといいですね。

上から見ると、左右非対称となっていることが分かります。わざと左右非対称とすることにより、グッと狙いやすくなっています。

床尾板を引っ張って捻ることで、銃床内に予備バッテリーを収納することができます。

モータ駆動用のバッテリーは、被筒内にあるため、電気関係の配線は銃床内にはありません。

照門

実銃同様、左右・上下方向の調整が出来ます。但し、目盛には白が入っておらず、また左右のダイヤルは、実銃にある刻印が省略されています。

握把

左右非対称の握把を、上手く再現しています。電動ガンなので、この中にモータが入っています。左右の幅はさほどでもないのですが、意外と前後に長いので、手の小さい方には握りにくいかもしれません(私も含む)。これは実銃がそうなっているせいなのですが…。

89式を持った後、M4カービンなどを持ってみると、違いがはっきり判ります。日本人は、白人よりも手が小さいことが多いので、もう少し細くしても良かったと思います。

弾倉

実銃の弾倉は、M16と互換で、形状も同一ですが、左側面に残弾確認用の孔が開いています。電動ガンの弾倉もこれを再現しており、しかも孔からは、最近のマルイの得意技でもありますが、ダミーカートが姿を見せていて、非常に実感的です。

従来のM16の弾倉に孔を開けるだけでも良かったのでしょうが、89式は新設計となっています。ノーマル弾倉は、30発詰めたら、本当に30発撃ち切れるようになっています(従来は、何発かが残り、弾倉を抜くとこぼれ落ちていた)。

M16と89式の弾倉の比較です。頂部の形状が見直されているため、M16の弾倉を89式に装着することが出来ますが、その逆は出来なくなっています。

この変更による効果は、歴然です。89式用の弾倉を付けると、本体側のスリットから弾倉を覗くことが出来ます。

しかし、M16用の弾倉を付けると、本体側のスリットが空洞になってしまうことがわかります。興醒めです。この状態でも、弾倉はきちんと固定され、射撃も可能ですが…。

というわけで、89式には89式の弾倉を使いましょう。米軍の補給は、アテにしないということで。

二脚

自衛隊の小銃の特徴である二脚も、省略されることなく、電動ガンに標準で付属します。実銃同様の操作で、脚を展開させたり、小銃本体に取付たりが可能です。

二脚は、反動のないエアガンでも、拠点防衛時に威力を発揮します。銃を安定させることが出来るため、より確実に命中弾を送り込むことが出来るようになります。

二脚を取り外した状態です。実銃の二脚をリアルに再現しています。

取扱説明書

本電動ガンに付属する取説です。陸自の教範風でもあり、今までの電動ガンの取説とは一線を画しています。ここでも、東京マルイのこだわりを感じ取れます。

まとめ

89式の電動ガンを受領したときの最初の感想は、「リアル!」ということに尽きました。二脚や照門の操作など、多くが実銃同様となっていました。元々が、自衛隊の訓練銃という思想で設計されたためですが、それにしても東京マルイの気合いの入り方が、ひしひしと感じられました。

そして、次に抱いた感想が「重い」ということ。実銃の89式は、諸外国の5.56mm口径ライフルと比べて特に重いわけではないのですが、電動ガンは元々実銃よりも1kg程度は軽く作られるのが普通であるため、実銃同様(実際には少し重い)の重量を再現した89式が、どうしても重く感じられてしまうのです。TOPの64式よりも重いですが、これはハイポートで、使う人間を鍛えることで対処します。

電動ガンにここまで感動したのは、初めての経験でした。二脚が標準装備であることを考えると、定価46,800円の価値は十分にあると思います。製造元・東京マルイの渾身の一作でもあり、日本人なら1梃は買うべし!と思います。私は、折曲銃床モデルが出たら、それも買うつもりです。(89式と同じクォリティで、64式も欲しいなぁ…)

なお、実射性能やサバゲで使ってみての感想は、追って報告します。(2006/12/30)

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