第1回 WINAMPでマスタリングしよう!
いきなり余り一般的でないところから入ってしまった。
でも、WINAMPは一般的だからイイか。
でも、WINAMPはDTMソフトじゃないよな。
さて、バンドをやっていると、ライブで自分達が演ったのをCDに録音する機会が多いと思います。
でも、音がショボいので、録った音をもっと良くしたいと思うことは多いですよね。
また、スタジオ等でのデジタルレコーディング、或いはDTMで、ミックスダウンした後に、さらに音に手を加えたいと思うことも多いですよね。
ハードディスクレコーダーや、パソコンでもマスタリングソフト等があれば、音圧を上げたり、臨場感を高めたりすることができると思うのですが、そんなもん持ってない!という場合に簡単にできる、WINAMPを使った方法のご紹介です。
まぁ、これでもできるかな、といった程度のもんですが。
ご存知WINAMPは、有名なフリーのプレーヤーソフトですが、プラグインによる拡張機能は素晴らしく、使い方によっては様々なことができてしまいます。
今回はこれを使ってマスタリングまがい、もどきのことをします。意外とやってる人は少ないのでは?と思います。
ミュージシャンなら本格的なやり方でするでしょうし、リスナーなら特にやる必要も無いし、何より邪道的なやり方・使い方だからです。
金をかけたくないアマチュアミュージシャンの方々などに、特にお薦めします。
1 ソフト(プラグイン)の用意
(1)エフェクター
- @ DSP/Effectプラグイン(WINAMPのプラグイン)
- WINAMPのサイトから、適当なDSPプラグインを拾ってきて、インストールして下さい。これがエフェクターの役割を果たします。本来、これは聴く時に効果を得るためのものですが、これを通した音をWAVファイルに書き出すことが、今回の目的となります。プラグインは、コンプ・リミッター系、空間系等で総合的なエフェクターを選ぶのが良いでしょう。フリー又はデモ版でも使える代表的なものとして「Wide&Dynamix」、「Enhancer」、「Dee」、「iZotope
Ozone」、「Arboretum Realizer」、「WOW Thing」などがあります。素晴らしいプラグインを提供してくれている方々に感謝しましょう。それぞれ特色があるので、作業の前に実際に聴いて試してみて下さい。私の一押しは「DFX」ですが、これはシェアウェアです。但し、バージョン1.2ならデモ版でも使用期限がありませんので、FTPサーチ等で捜してみるのもよいでしょう。また、インストールした複数のDSPプラグインを同時に使いたい場合は、「MuchFX2」というDSPプラグインを使えばできます。
- (注)ヤル前に!
- WINAMPをお持ちでない方は、プラグインのインストールの前に本体をダウンロード、インストールしておくことが必須です。また、WINAMP及びプラグインの一般的な使用方法については、他のサイト等を参照して下さい。
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- A DirectXプラグイン
- CAKEWALKとかのホストアプリ上で使用できるエフェクタープラグインのこと。そもそもレコーディング用途も想定したうえでデザインされているものが多いので、これを使うのは真っ当なことですが、フリーのホストアプリがなかなか無くて、貧乏人には余り使う機会が無いのが実情です。ところが、WINAMPは何とこれを使えるDXホストアプリにもなってしまうのです。WINAMPのDSPプラグインで「AdaptX」というのがあるのでインストールしてみて下さい。これを選択して、追加画面でインストール済のDXプラグインの一覧を見ることができますから、使用するものを登録しチェックを入れればOKです。DXプラグインは、マスタリングに適したものはシェアウェアが多く、また、ここで目的としている適当マスタリングなら上記のWINAMPプラグインで間に合ってしまうともいえるので、特に必要ないかもしれません。しかしながら、エコー、リバーブ、フランジャー、ディストーションなど、単体モノにフリーで音の優れたものがありますので、状況に応じてDSPプラグインと使い分けると良いでしょう。
- (注)「AdaptX」について
- 最新バージョンは3.0のようですが、私の環境では上手く起動しませんでした。そのためバージョン1.0を使っています。しかし、私の環境下では、終了時に必ず落ちます。上記の「MuchFX2」とも相性が悪いようです。(新バージョンでは改善されているらしいが…)2.0は試したことがありません。良いソフトですが、けっこう環境を選ぶようなので、合わない場合は使用をお止め下さい。
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- B VSTプラグイン(番外)
- CUBASEとかのホストアプリ上で使用できるエフェクタープラグインのこと。上記のDXプラグインに、「VST-DX
Wrapper」というDXホストアプリ上においてVSTプラグインを使用できるようにするプラグインがあります。これを導入のうえ、上記の「AdaptX」を用いれば、ややこしいがWINAMPでVSTプラグインが使用できる?かも?無責任ですが、試されたことがある方は、ご一報下さると幸いです。
- (注)当方動作未確認です。悪しからず。
(2)その他
- @ Inputプラグイン(WINAMPのプラグイン)
- ファイルの再生に使われているエンジンで、プレーヤーとしての根幹をなすもの。対応ファイル形式毎にある。通常のものはWINAMPに備わっているので、音質にこだわる人や、マイナーな形式のファイルを再生したい人以外、特にこれを追加したり、交換したりする必要はありません。これからマスタリングしようとしている音源がWAV形式のファイルであれば、そのままイケます。CD(cdda)からやろうとしている人は、デジタル吸出しの「CD
Reader」プラグインをダウンロードして使いましょう。音質の劣化が防げると思います。インストールしたら、Pluginsフォルダの中にある、従来の「in_cdda.dll」を他のディレクトリに移すか、拡張子を.old等に変更するなどして無効にします。そうすると、「in_cdreader.dll」でのCD再生が有効になるハズです。
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- 余談ですが、この「CD Reader」、私の環境(WINAMP2.64)ではCDDBに上手くつながりません。誰か教えて!
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- A Outputプラグイン(WINAMPのプラグイン)
- 音声データの出力に関与します。デフォルトでは「WaveOut」プラグインが選択されていて、通常はサウンドボード経由で音が出るようになっています。これを、WINAMPの設定で、WAVファイルに書き出すプラグインである「DiskWriter」プラグインに変更してみましょう。次に、ファイルを再生してみます。すると、音は出ませんがWAVファイルが新たに生成されます。ここまで、マスタリング方法について具体に述べていませんが、察しがついたと思います。つまり、DSPプラグインのエフェクトを通して再生される音を、「DiskWriter」プラグインでWAVファイルに書き出せば良いのです。以上のように、Outputプラグインについては、今回の作業に関して新たに用意が必要なものは無いともいえますが、音を出しながら、WAVファイルの作成も同時に行いたいという場合も多いので、次のプラグインをダウンロードして使うと便利でしょう。「Simons
Output Switch」です。これには、複数のOutputプラグインを同時に使用可能にする機能があります。
- (注)デフォルトでインストールされているプラグイン
- WINAMPのバージョンによっては、同機能のプラグインであって、名称(もちろん中身も)が異なる場合があります。また、バージョンによっては、一部のファイル形式に関してWAVファイルに書き出せない場合があります。(Inputプラグインの変更で可能となる場合があります。)
2 実施手順
(1)WINAMPでの作業(まとめ)
- @ 音源の用意
- WINAMPで再生できる音声形式のファイル。CDでもOK。
- A DSPプラグインの選択と設定
- 聴きながら音を決めます。厚化粧させない事がポイントです。クセの無いモニター用スピーカーがあればベストなんですが…。また、デジタルクリッピングに注意しましょう。
- B Outputプラグインの設定変更
- 「DiskWriter」プラグインを選択します。
- C 再 生
- WAVファイルが出来上がりました!
(2)WAVファイルの処理
- @ CDに焼く場合
- お持ちのCDライティングソフトをご利用下さい。ちなみにWINAMPでも「VERITAS
CD Recording」プラグインを導入すれば、できるようです。(凄いですよね。但し当方動作未確認)
- A MP3にエンコードする場合
- お持ちのMP3エンコーディングソフトをご利用下さい。もちろんWINAMPでも「午後の喇叭」又は「MP3
Output」プラグインを導入すれば、できるようです。ちなみに、「MP3
Output」には、紛らわしいが同名の別モノのプラグインがあって、こっちのほうはCDリッピングとMP3エンコーディングを同時にこなすという、これまたスグレモノのようです。(いずれも当方動作未確認)
以上で終わりです。
- あとがき(2002年2月)
- なんだかWINAMPプラグインの解説のようにもなってしまいました。しかし、その観点からは内容が不充分です。より詳しく知りたい方のために、今後はWINAMP関係のリンクを充実させて、補足に代えさせて頂こうかな、と思っています。サイト管理者の方々、ヨロシクお願いしますね!
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