ただ悪い歯を抜かないというのは,激痛や腫脹,ひいては過度の骨吸収を招くので大きな害があります。極力,害が
出ない状態にまで治療してから抜歯時期を将来的に決める方法が,「歯の保存」に沿った治療だと考えます。実際に
わずかな歯根だけでも最高の接着剤を使えば,金属冠を入れて噛めるようになります。歯周病でグラグラでもうまく
治療すれば1〜2年以上もつ場合があります。すぐに抜歯を決めないで,適切な治療を終えてから再度,その時期を
考えることが歯の寿命を最大限に延ばすことになると考えます。
当院では抜歯を決めるのは患者さん自身です。

6)抜歯時期の的確な判断

適合していない義歯は抜歯装置となり,残っている歯が次々に抜けていきます。完全に適合した義歯は歯のグラグラ
を抑え,補強効果となり,残った歯の寿命が延びます。一生適合する義歯は存在しませんが,定期的な調整により,
ひとつの義歯が長く使え,残った歯の保存にもつながります。

5)義歯の適合に気をつける

虫歯の場合とは全く逆です。治療が早ければ早いほど効果が大きく,完全に回復する場合もありますし,抜歯を回避
できます。義歯(入れ歯)の使用を余儀なくされる一番の原因は歯周病であり,QOL(=生活の質)に直結する問題で
もあります。ただ,無麻酔でのいわゆる「歯石取り」を続けてもほとんど効果がありません。本格的な歯周病の検査と
治療が必要になります。歯周病の治療は「先手必勝」に尽きます。歯の保存として劇的な効果を発揮して,患者さん
自身が最も効果を実感できる治療です。

3)歯周病は出来る限り早く治療する

2)歯の神経を大切にする

歯の本数が少しずつ減っていくと噛み合わせにズレが生じてきます。ほぼすべての方がズレたままの噛み合わせで
治療を受けておられます。そのため,治療したにもかかわらず歯が年々減っていったり,あまり噛めないはずです。
それは,残った歯に過剰な負担がかかるために揺れが生じ,それが最終的には全部の歯の揺れへと及ぶためです。
噛み合わせのズレを戻して,過剰な負担から開放すると歯の寿命は延びます。長期の治療になる場合もありますが,
必ずこの治療も合わせておこなわないと,たとえ他の治療がうまくても歯は減っていきます。
この治療は,歯の保存につながる最も効果的な治療の1つとなります。

4)噛み合わせのズレを元にもどす

虫歯は小さいうちに早く削る方が良いという考えは,過去の間違った考えだと現在では世界的に考えられています。
また,虫歯ができた原因を考えずに削る治療は,同じ結果を招きます。個人差を考慮しない治療は,大きく歯を削る
結果となります。どんな虫歯治療でも,回数ごとに歯の量は確実に減っていきます。そのため,出来る限り削る量を
少なくする,または,遅らせることが重要です。金属を使う治療は,通常むし歯以上に大きく削る必要があり,
プラスチックで埋める治療は,むし歯部分だけを削れば良いので,歯の保存に適しています。

1)可能な限り小さく削る

歯の保存」(=歯を抜かないための歯科治療)とは,単に「歯を抜かない」ことではなく,

治療によって歯の寿命を最大限に延ばすことです。そのためには,専門的な知識と技術が必要

になります。何も治療しないと悪化して化膿が広がり,他の歯や顎の骨に悪影響を及ぼします。

     歯の保存

いのうえ歯科

Inoue Dental Office

むし歯が大きくなると単なるむし歯治療ではなく,歯の神経の炎症の有無を判断する必要性が生じます。
その判断はx線写真だけでは判定不能であるため,実際にむし歯を削ってその大きさと症状などから専門的に判断し
ますが,厳密な区別は現在の医療では不可能です。よって,専門医としてわずかにでも可能性があると判断した場合,
当院では神経を取らない治療を第一選択とします。「疑わしきは(神経を)抜去せず!」が歯の保存だと考えます。
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