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Northern Ireland

【北アイルランド】

 アイルランド島の北東部に位置するのがNorthern Ireland【北アイルランド】です。アイルランド島の中にありながらグレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国の一翼を担っていて、アイルランド共和国とは別の国になります。

 アントリム、ダウン、デリー、ティローン、ファーマナーの6つの州とベルファストとデリーの2つの自治都市からなっており、面積は約14,000平方キロでアイルランド島の約6分の1を占めています。

 北アイルランドには古代、アルスター王国という国が栄えていました。そのためしばしば北アイルランドはアルスター(地方)と呼ばれています。しかし今日のアルスター地方は前述の6州にアイルランド共和国に属する、ドネゴール、キャヴァン、モナハンの3州を加えた9州で北アイルランドとアルスターは同じではありません。歴史の背景から非常に複雑な土地になってしまっているのです。

 17世紀初めアルスターで組織的なプランテーションが始まり、数多くのイングランド人ローランドのスコットランド人が入植しました。

 1695年カトリック処罰法が制定されるとゲール人などのカトリック教徒への弾圧が激しくなります。その処罰法はスコットランド系住民の大半が信仰する長老派などの非国教会信者にも適用されました。要するに長老派などの非国教会信者は同じプロテスタントでも支配者階級の宗派であるアイルランド国教会とは差別されたのです。

 弾圧に対し、苦しい生活を送っていたカトリック教徒のゲール人に比べ、やや生活にゆとりのあったスコットランド系住民は財産を売り払い新天地のアメリカへと旅立って行きました。1720年代のことです。彼らはスコッチアイリッシュと呼ばれ、ペンシルバニアを中心にアパラチア山脈付近にかけて定住しました。彼らはカントリーやヒルビリー、フォークミュージックといった音楽の原型を作り出すのに多大な貢献をしました
 そして彼らはアイルランドでのイングランド人の抑圧政策に対し激しい反英感情を持ち続けました。それはやがて独立戦争のときに多くのスコッチアイリッシュの軍人を輩出することになりました。


アメリカ大統領にも多くのスコッチアイリッシュの子孫がいます。
5代モンロー
7代ジャクソン
11代ポーク
15代ブキャナン
17代ジョンソン
18代グラント
21代アーサー
25代マッキンリー
26代セルドア・ルーズベルト
28代ウィルソン
33代トルーマン
34代アイゼンハワー
42代クリントン

ちなみにアイルランド共和国からの子孫からも以下の大統領が誕生しています。
35代ジョンFケネディ
37代ニクソン
40代レーガン