「ん…汗臭い」
「ひーちゃん」
「でもたまにはこういうのも新鮮だよな?」
「こら、ひーちゃん!!聞こえねー振りしてねーで、返せって俺の服!!」
「なんだよ、いいだろ別に」
「いいわけないだろーが、俺に裸で居ろってのかよ?」
「………誰のせいでこうなってると?」
「うっ……」
「なぁ、京一?」
「…………」
「お・ま・え・が!俺のシャツのボタンを全部飛ばしちゃったからだよなぁ?」
「そ、それは…」
「おまけに所構わずだし!所構わず盛るなっての…まだ明るいんだぞ?
おまけに道場でなんて…」
自分だって抵抗しなかったくせに…
「何だって!?」
「あ、違うゴメン!俺が悪かった!だから構えるのは止めろって!」
「……反省してるよな?」
「つ、つい勢いで…悪気はなかったって」
「当たり前だ。まぁつまり、お前に非がある訳だから服を寄越すのは当然だろ?」
「………ひーちゃんだってあの時は全然気にしてなかったくせに…」
「何か言ったか?」
「べ、別にっっ!でも、それこそ女じゃねーんだからよ、別にちょっとくれー前が開いてたって
…つか、俺的には見せたくはねーけど…」
「ああ、普段なら俺だって気にしないよ。誰かさんが派手に胸元に痕を残したりしてなきゃね」
「……重ね重ねすいません」
「わかりゃいーんだよ。何も裸で居ろとは言ってない。
お前は前が開いてても平気だろ?俺の着てろよ」
「は、はははは…」
「んだよ、そのアヤしげな笑いは…」
「それは、ちょっと…」
「なんだよ、はっきり言え」
「今はやばいかも…」
「はぁ?やばいってなにが?」
「これ…お前の匂いがするし」
「に、匂いってお前…」
「匂いって意外にわかりやすいだろ?さっきまで抱いてた感覚が蘇ってくるってか、
こう、おかしな気分になっちまいそ……痛ぇ!殴るこたねーだろーがっ!」
「お前がおかしなこと言うからだっ!」
「なんでェ、じゃあ、ひーちゃんはどうなんだよ?」
「何が!」
「そうやって…俺の着てても平気?」
「…………っっ!」
「こう、頭の芯が熱くなったり、無茶したくなったり…しねェ?こんな風に?」
「きょういち…っ!」
「へへへへ…ついでだからさ、暗くなるまで待って、ってのも乙じゃねぇ?」
「誰が――――――ッッッ!!」

暗転。