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Note 3 : 北京ヴァイオリン
鑑賞日 | 2003/6/29 |
観賞場所 | ゴールド劇場(名古屋市中村区太閤) |
鑑賞時間 | 14:40〜17:00 |
少し名古屋駅周辺を徘徊、お陰様でいい運動になりました。このあたり滅多に来ないからなぁ・・・見る景色の新鮮なこと。
無事劇場を発見し、開演時間に間に合った時の感動は忘れられません。
あらすじ
ずば抜けたヴァイオリンの才能を持つ少年チュンとその父リウは、ヴァイオリンをもっと勉強し有名になるために北京へやってきた。先生についてヴァイオリンを習い、様々な人に出会い、チュンは成長していく。そしてついにコンクールに出る機会に恵まれるのだが・・・
感想
感動的でそして何より美しい作品でした。
夕日とピアノとヴァイオリンのコントラスト、多くの暖かい人たちに見守られながらの演奏
幸せとは何かってことを深く考えさせられる作品です。オススメです。
この映画はチュン&リウの父子と、ヴァイオリンの先生初めとする人たちのかかわりを描いたものだと思いますので、登場人物について書いておこうと思います。
主人公と愉快な仲間たち
<チュン>
主人公の少年です。純粋で優しくそして強い心をもった少年だとおもいます。もちろん年頃の少年らしく綺麗なお姉さんには目がありません。
最初はわがままで自分勝手な面もあるのですが、先生についてヴァイオリン(それ以外のことも?)を習ったり、周りの人の影響を受けたり、父親のひたむきな姿を見ていくうちに成長していきます。
ラストの駅での演奏は伴奏もなく大舞台での演奏ではありませんが、心のこもった鬼気迫るほどの演奏はきっと聴いていた人々に何かを残したでしょう。すばらしい演奏だったに違いありません。
彼はこのあとどうなるのでしょう?きっとこれからも素晴らしい人たちと触れあいながらヴァイオリンを勉強し、やがては有名になって行くのでしょうね。
<リウ>
お父さんです。チュンのためにお金を貯め北京へ出て全財産を盗られてからも、一生懸命チュンのために働き、動き、チュンをヴァイオリンで有名にしようとします。
とても明るくて、そして強くて、どこか憎めない愛嬌のあるお父さんだと思います。
彼にとってチュンにヴァイオリンを習わせ有名にさせることは、彼の生き甲斐であり、そうしてチュンのために尽くすこと自体が幸せなんでしょうね。物語の中ではホントに楽しそうに動き回っている姿を見ることができます。
作品中である意味一番幸せな人物なのかもしれません。
<リリ>
チュンが最初に北京に出てきたときに出会う綺麗なお姉さん。チュンとは縁があるのか近くに住むことになり、チュンも何度もヴァイオリンを演奏しに行ったりしています。
おしゃれに気を遣うお姉さんでお金使いも男関係も荒い人、でも誕生日すっぽかされたり、二股(三股?)かけられてたりと可哀想なお姉さん
その性格のなせる技かチュンとはいろいろあるのですが、結果的にチュンのことをよく考え、チュンのためにいろいろなことをしてくれる優しいお姉さんです。
チュン&リウの純粋でひたむきな姿と、ヴァイオリンの演奏が彼女の何かを変えたのかも知れませんね。作品中後半の彼女は本当に優しく魅力的で、そして幸せそうに見えます。
<チアン先生>
チュンが最初に付いたヴァイオリンの先生。猫と一緒に住んでいます。
いろいろな意味で変わった先生で、チュンには猫の世話をさせたり、捜し物をさせたり・・・チュンがヴァイオリンを演奏してる最中にも他ごとをやってたり(でも彼はきちんと聴いているのです)するのでチュンも何度か反抗したり喧嘩したりしてます
でも、このころのチュンにとってはこのチアン先生はちょうどよかったのかも知れません。
いい加減に見えて実は音楽のことを本当に好きな先生、チュンに譜面の埃払いをさせながらその譜面にある音楽を教えようとしている姿からも凄い才能をもった先生であることが解ります。
チュンとの最後のレッスンの時、チアン先生は夕日の中でピアノを演奏するのですが、チュンのヴァイオリンとの息のあったハーモニーが夕日の中で静かに流れる、あのシーンは本当に綺麗でした。
<ユン先生>
チュンがチアン先生の次に付いたヴァイオリンの先生。権威のある先生でコンクールで優勝するような生徒を何人も育てています。
周りの人が暖か過ぎるのでどこか冷たいひとに見えてしまうのですが、チュンのために何回も自宅まで来てくれたり、ヴァイオリンを売ってしまったチュンに対して名器と呼ばれるヴァイオリンを使わせてくれたり、コンクールに出すように便宜をはかってくれたりするとてもいい先生です。
登場時に教え子に金目当ての演奏はするな、現状に甘んじるな、自分を向上させることだけを考えろと諭していることからもほんとうに信念のしっかりした素晴らしい先生なのでしょう。
<リンちゃん>
チュンがユン先生に付くことになったとき、先にいた生徒です。チュンのお陰でコンクールに出れなくなりそうだったのでチュンのことをあまりよく思っていません。
そのため、チュンに対してとてもぶっきらぼうに振る舞ってしまうので意地の悪い子に見えてしまうかも知れません。
チュンにユン先生がこっそり買い戻して置いたヴァイオリンを渡すシーンがあるのですが、あのシーンに彼女の優しさがにじみ出ていた様な気がします。
彼女としてはチュンにユン先生を恨ませ、コンクール出場を止めさせるもくろみがあるのですが、チュンにヴァイオリンを渡すその姿はどうしても憎めないのです。
チュンがヴァイオリンが帰ってきたことを本当に喜び、彼女とユン先生に感謝することが出来たなら、物語はもっとおもしろくなっていたのかもしれません。
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