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Note 1 : おばあちゃんの家
鑑賞日 | 2003/6/15 |
観賞場所 | ヘラルドシネプラザ4(名古屋市中区栄) |
鑑賞時間 | 14:50〜16:30 |
あらすじ
都会に住む少年サンウは、母親の仕事の都合により田舎にあるおばあちゃんの家でしばらく過ごすことになった。
テレビも映らず、都会の生活に慣れたサンウはわがままの言い放題だが、どんなことをされても決して怒らず、どんなときもやさしくしてくれるおばあちゃんに次第に心を開いていく
感想
とにかく感動しました。おばあちゃんの孫に対するこれ以上ないほどの愛情と、それに対するサンウの優しさに涙が止まりませんでした。
これはぜったいオススメです。
見どころ
<おばあちゃんの愛は無条件>
最初、サンウはおばあちゃんを嫌って拒否していて可哀想なくらいわがままを言っているんですがおばあちゃんは決して怒りません。
どんなにひどい言葉で罵られても、どんなに冷たい態度をとられても、どんなにつらい目に遭おうとも決して怒ったり落ち込んだりしないのです
そしてどんなときもこれ以上ないくらいの愛情がサンウに注がれます
おばあちゃんの愛情はなんの見返りも求めていませんし、一方的なものなのです。
おばあちゃんの愛は無条件なのです
<ケンタッキーチキンとこだわり>
サンウが田舎の食事を一切口にしないため、おばあちゃんが何が食べたいかと聞いたとき、サンウはケンタッキーチキンと答えます。
もちろん田舎にはそんなものありませんし、おばあちゃんにも全くわかりませんが鶏肉であることはわかります。
おばあちゃんは鶏を煮込んでスープにしてその日の夕食に出すのですが、サンウはこんなのケンタッキーチキンじゃない!って言って怒って悲しんですねてしまい、おばあちゃんは困り果ててしまいます。
おばあちゃんは鶏肉を手に入れるために遠くまで行き、家の物を売りそのお金で生きた鶏を買い、雨に打たれてぬかるんだ道をずぶぬれになって帰宅し、休む間もなく鶏を絞めてそれをスープにして出したのです。
鶏だっておばあちゃんにとってはとても高価な物のはずですし、そしてなによりごちそうなのでしょう。
こんな愛情のこもったスープ、とてもおいしいと思いますし、一口食べれば涙が出るほど素晴らしい物だと思います。
サンウはケンタッキーチキンというカタチにこだわって、このスープを喜べないのですが素直にスープを味わってくれてたらよかったのにと思います。
幸せとチャンスを思いっきり受け止めてあげられるよう、つまらないこだわりにとらわれないよう生きて行ければいいですね。
<携帯ゲーム機>
サンウは携帯ゲーム機に夢中で、おばあちゃんがいくら関わって優しくしようとしても振り向きもしません。
でもこの携帯ゲーム機、途中で電池が切れてしまうのです。
サンウは電池を買おうと飛び出すのですが、携帯ゲーム機の電池は特殊なボタン電池。田舎には売っていません。携帯ゲーム機は使えなくなってしまいます。
後でサンウが地元の子供たちのところに遊びに行くとき、おもちゃを持っていくんですが携帯ゲーム機は使えないので置いて行こうとします。おばあちゃんは携帯ゲーム機を包んでこっそりサンウの荷物に忍ばせます。
帰り道で転んでけがをして暴れ牛に追われてぼろぼろになったサンウがけがを覆おうと携帯ゲーム機の包みを開けるのですが、その包みの中に電池を買えるようにお金が忍ばせてあるのです。
サンウは感動して泣いてしまいます。携帯ゲーム機をおばあちゃんは恨んでいたかもしれないんですが、それでもこんなことができるなんて本当に凄いヒトですね。
どんな物でも恨まず、むしろ優しくし続けると何かを変えられるのかもしれません。
<宝物のポストカード>
サンウは、おばあちゃんが体が痛くなったり寂しくなったりしたときに手紙を出せるようにおばあちゃんに文字を教えようとしますが、おばあちゃんはなかなか覚えることが出来ません。
そのまま別れの日を迎えてしまうのですが、別れ際サンウはポストカードをおばあちゃんに手渡します。
ポストカードはヒーローの絵が描いてあり、サンウの宝物だった物なのですが、ヒーローの絵が描いてある裏にサンウの住所とメッセージが手書きで書かれていておばあちゃんがサンウにメッセージを送れるようになっているのです。
文字が読めなくても解るように、メッセージと一緒に寂しくて泣いていたり体が痛くて寝ていたりしているおばあちゃんの絵がクレヨンで描いてあるのです。
おばあちゃんにとっては最高の贈り物になったのではないでしょうか。サンウのおばあちゃんに対する優しさあふれる贈り物ですがサンウが思っている以上におばあちゃんには嬉しかったはずです。
おばあちゃんのサンウに対する限りない優しさが一番報われた瞬間でした。
なかなか解ってもらえないときにも、いつか解ってくれる時が来ると思ってそのまま優しく接し続けていると自分にとっていいことが起こってプラスになるのかもしれません。
おばあちゃん、でもこのポストカード使えるのでしょうか?多分使えないでしょうね(笑)このカードはおばあちゃんにとって何よりの宝物になるでしょうから。
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