■ 日本犬標準 Standard of the Japanese dog
   日本犬保存会が定めたスタンダード

日本犬標準とは、昭和9年(1934)日本犬保存会により
小型、中型、大型の3型に区分して
「日本犬の特徴特質を基として将来作出されるべき日本犬の進路を示すもの」
と制定された指針です。

このページの画像および文章の一部は、日本犬保存会の許可を得て転載しています。
詳しくは日本犬保存会の公式ホームページをご覧ください。

 日本犬標準(中型)原文   解説 
 1.本質とその表現

悍威に富み良性にして素朴の感あり、感覚鋭敏、動作敏捷にして歩様軽快弾力あり。

  日本犬は悍威、良性、素朴の本質が非常に大切です。
悍威とは、気迫と威
厳、良性とは、忠実で従順なこと。
素朴とは、飾り気のない地味な気品と風格。
日本
犬が生まれながらにして持つ根本的な性質の表現。
その表現は、小型犬と中型犬は感覚は鋭敏、動作は敏捷、歩様は軽快で、弾力があります。
大型犬のその表現は、重厚なふるまい。
と、それぞれに定義しています 。
 
 2.一般外貌

雄雌の表示判然とし対躯均整を得、骨格緊密にして筋腱発達し、雄は体高体長の比100:110にして、雌は体高に比し体長稍長し。
体高雄五二糎、雌四九糎とし、上下各三糎の差は許される。
  全体的な外観は、雄は雄らしく、雌は雌らしく。
これを
性徴感(せいちょうかん)といって、とても大切です。
体躯はバランスよくまとまり、骨格は
緊密。
筋腱は発達して体高と体長の比は、100対110という、やや長方形の体型
です。
雌は雄に比べてやや胴長の感がします。
●体高と計り方
体高は、前肢の足元から、肩甲骨上端のやや後方までの高さ。
被毛を圧して測定します。
柴犬の体高 
 雄の標準体高は、39.5cm、雌は36.5cmです。
 平均的には雄が38cmから41cm。
 雌は35cmから38cmの間です。
紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬の体高
 雄の標準体高は52cm、雌は49cm。
 平均的には雄が49cmから55cm
 雌は46cmから52cmの間です。
 甲斐犬と北海道犬は、このサイズより2cm低くなっています。
秋田犬の体高
 雄の標準体高は67cm、雌は61cm。
 平均的には雄が64cmから70cm
 雌は58cmから64cmの間です。
 
 3. 耳

小さく三角形にして、稍前傾して、緊乎と立つ。
  頭に応じた大きさで、内側の線は真っ直ぐ。
外側の線はやや丸みをおびた不等辺の三角
形で、やや前傾してピンと立ちます。 
 4. 目

稍三角形にして外眥上がり、虹彩濃茶褐色を呈す。
  目尻が少し吊り上がり、やや奥目で力強い不等辺三角形。
特に四国犬の目は切れが鋭い。
虹彩は濃い茶褐色が理想です。
 5.口 吻

鼻梁直に吻緊り、鼻鏡緊り良く唇引き緊り、歩牙強健に噛み合せ正し。
  締まりのよい吻出しで、鼻すじは直線。
口元は丸みを帯びて、ほどよ
い太さと厚みを持ち適度なストップがあります。
口唇はゆるみがなく、引き締まった一直線。
鼻の頭は、有色犬は黒色、白色犬は黒っぽい褐色。
歯牙は、歯数42本。
上下の
かみ合わせも正常であることが求められています。
噛み合わせが受け口であったり、著しく下あごが奥まった感じのもの、歯数の足りないものや、舌に斑
のあるものは好ましくありません。 
 6.頭 頸

額広く、頬部良く発達し、頸部逞し。
  額は広く、頬の部分はよく発達し、頸は適度な太さと長さ。
しなやかな力強い筋肉。
額の中央にみられる、縦溝と呼ばれる1本の線は、浅いながらも明瞭にあった方がよく、この縦溝以外に幾本かのしわが出る場合は大きな欠点になります。
 7.前 肢

肩甲骨適度に傾斜して発達し、前腕直に趾緊握す。
  前肢は、肘を胴体に引き付け、体幅と同じ幅で接地します。
前繋は適度な角
度を備えて、指部は緊まりよく握ります。
指の間が開いていると「握りが弱い」という表現になります。
 8.後 肢

力強く踏ん張り、飛節強靭にして趾緊握す。
  大腿部はよく発達し、飛節は適度な角度でねばりのある強さを備え、腰幅と同じ幅で接地します。
趾は締まりよく握ります。
紀州犬によくみられる後肢の距(狼爪・ろうそう)は
生後2〜3日の間に除去します。
 9. 胸

深くして肋適度に張り、前胸発達良し。
  前胸はよく発達し、あばら骨は、適度に張って楕円形(卵型)を示します。
胸深は、
体高のほぼ半分位ですが、浅くても45%以上は必要です。
 10.背 腰

背直に、腰強勁なり。
  背は背部から、腰部尾の付け根までが直線です。
腰部は頑丈で、歩様の時に腰の上下や横ぶれ運動をするものは好ましくありません。
 11. 尾

太く力強く、差尾または巻尾をなし、長さは略飛端に達す。
  適度な太さで力強く、巻尾か差尾になり、下に垂らしたときに長さはその先端がほぼ飛節に達します。
巻尾は、右巻、左巻。
差尾は、巻かずに前方に傾斜したもので、紀州犬によく見られ、先端が天をを目がけて立つ「太刀尾」の犬もいます。
秋田犬は巻尾であることが必須です。
 
 12.被 毛

表毛剛にして直く、綿毛軟にして密生し、尾毛稍長く開立す。毛色は胡麻、赤、黒、虎、白とし、毛質・毛色は日本犬の特質、特徴もつ可し。
  表毛は硬く、直状で冴えた色調を持ち、下毛は綿毛といわれて淡い色調で軟らかく密生した二重被毛となっています。
尾の毛はやや長く開立。
日本犬の毛色には、胡麻、赤、黒、虎、白の五毛色があり、柴犬の理想的な毛色は、赤、胡麻、黒ですが、赤が多く
80%強を占めています。
紀州犬は、白が圧倒的に多く、胡麻等の有色犬もいます。
四国犬は、胡麻が多く、次に赤、わずかに黒がいます。
 

このサイトのTOPはこちら