■ 毛の色はどんなん? Hair color of the Kishu dog
   白色が紀州犬のメインカラーというわけではない


紀州犬の毛色は、胡麻、赤毛、虎毛、黒毛等の有色と白毛。
第二次世界大戦頃までは、白毛の紀州犬は少なく、“有色犬”がほとんどでした。
ところが、戦後、急速に白毛の繁殖が進み、今ではほとんどが白毛の紀州犬となっています。
その理由は諸説ありますが、元来、猪や鹿の狩猟で使っていた犬ですから、樹木が覆い茂る山中では獲物と間違えて犬を誤射しないように目立った“白”が好まれたと言われています。
また、日本人が昔から、白蛇、白馬等を神の化身や神の使いなどと崇拝したように「白色」を好んだのもその理由の一つかもしれません。
しかし、突き詰めれば本当の理由は遺伝子にあるようです。
有色の雄と有色の雌を掛け合わせると、生まれてくる子犬は
     ほとんどが「有色」であるが「白」も生まれる
有色の雄もしくは雌と白色の雄もしくは雌を掛け合わせても
     「有色」か「白」のいずれかが生まれる
白色同士を掛け合わせると
     「白」しか生まれない
ということらしいです。
 
つまり、野生で自然に繁殖していた時代は、有色犬がほとんどであったというのも納得できますし、人の手が加えられた今日においては、当然白色が増えるということも納得できます。 

 
 
 胡麻毛の有色紀州犬
※画像提供【都多加良荘】

この他に「ブチ」と呼ばれる“斑毛”も存在するのですが、まず、目にすることは出来ません。
天然記念物に指定された昭和9年以降は毛色の統一が図られ、展覧会に出陳しても“優良評価”を得ることが出来ないため、斑毛の犬を好んで飼う人が少ないからです。
ただ、紀州犬の本質を備えた犬も多く、その血統を大切に保存されている方もおられます。
詳しくは古典純血紀州犬・都多加良荘のサイトをご覧ください。
また、紀州犬保存会が主催する展覧会などの供覧犬として希に見ることができます。
 
 展覧会での供覧犬
 
都多加良荘で飼育されている斑毛の紀州犬
画像提供【都多加良荘】



    

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