『私が彼を殺した』		東野圭吾 著		講談社ノベルス

このずっと下に
ミステリーの犯人当てネタバレ推理が載っています。
一読者の推理ですので正しい解答とは限りませんが、
犯人の名前やトリックに触れていますので注意して下さい。



































ネタバレ私の推理

 自殺した浪岡の部屋にあった毒カプセルの薬瓶と薬瓶ごと替えて、犯行後戻すというのがトリックだと思ったので、主要な人物の行動表を作り3時間ぐらいその線で考えた。その場合、雪笹は交換できそうだがバックから取り戻せそうもない、駿河は交換できないし浪岡の部屋に戻せない、神林(兄)は交換も毒入り瓶の回収も浪岡の部屋へ戻すのも可能となった。しかし、兄は浪岡の名前も自殺した事も知らないだろう。前日はレストランからホテルへ直行していて特別な行動はとれないのだ。唯一、穂高邸で浪岡がカプセルを仕掛けるのを見たとき、話し掛けた可能性が残されるがちょっと無理があるし、浪岡の死亡時刻を知らないらしい記述もある。指紋うんぬんからすると始めは瓶ごと交換して、戻すときは中身を交換した事になるのもすっきりしない。何よりも、前日の十カプセルから七カプセル(瓶の6にごみ箱の1で7、ごみ箱の残り1個は猫に)になり、個数が合わないのに気づかれそうだ。

 そこで考えを変えて見直すと、駿河の行動がもっとも怪しく思えてきた。駿河はピルケースを西口絵里から渡されたとき、ポケットに入れている(P101)。この時に毒カプセル入りのピルケースとすり替えたのだ。彼が同じピルケースを買ったのかと思ったら、穂高のピルケースは前の奥さんとペアで買った物だとある(P39)。そして駿河の部屋には穂高の持ち込んだ、別れた奥さんから送られてきた思い出の品の入った段ボール箱がある(P122)。駿河はこの中にあったピルケースを使ったのだ。加賀が指摘する問題の指紋は前の奥さんの指紋なのだ。浪岡の部屋のカプセルが減ったのも彼なら脅迫用にもう一つカプセルが必要だったので分かる。その線から加賀は犯人を推理した可能性がある。神林は浪岡の部屋を知らないし、余分に毒カプセルを持っている。雪笹も毒カプセルを持っているし、駿河の殺意を利用するのならそれも必要ない。ピルケースの入れ替えで指紋の数が少なくなるが、小さなピルケースに触った人全部の指紋が残っている方が不自然だろう。

 少し気になるのは、ピルケースに薬が一錠以上入っていたときどうするつもりだったのかと言う事。渡されたとき個数を確認している(P101)。懐中時計に似たピルケースとあるから幾つも入りそうだ。穂高はピルケースに二錠ほど入れて持つと言っている(P36)。美和子が一錠しか入れなかったのは何故だろう。


ここから数日後追加、
ピルケースに複数のカプセルが入っていた場合も取り替えてしまえばいいのか。騒ぎのどさくさか式の前に足りない分のカプセルを入れて置けばいいのだ。これでもやもやも解決して本当に終わり。




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