給食制度の実現をめざした5年間

「ひらかたの病児保育25年のあゆみ」p27〜30より転載

”病児にもあたたかい給食を!”の声に応えて
 私が、共済会の運営委員になった1989年第18回総会から、1994年の第23回総会までのまる5年間は、給食制度要求の声を上げて実現に至るまでの5年間でした。
 当時、
”病児にもあたたかい給食を!”の要求は非常に切実でした。特に、「朝、子どもの熱が急に高くなり、保育所を休ませなければならないとき、熱のある子どもの口に合う弁当を作るのは大変。その日の病児保育室利用は見合わせる」という利用者の声はたくさんありました。
 第18回総会で給食制度の実現をめざすことを決定し、給食委員会を設置しました。すべての共済会員からのアンケートを実施し、給食実施の賛否や負担費用の限度額などを調査しました。
回答者の96%が給食の実現を強く望んでおり、利用料の値上げ額も1,300〜1,500円程度ならばよいという結果が出ました。
 このような結果をもとに、共済会としては”すべての利用者を対象とした完全給食”をめざすことになり、枚方市(保育課)との話し合いを繰り返しました。しかし、委託契約条項や衛生管理面の問題などがあり、大きな進展もなく2年が経過しました。

外注でなく子どもの病状に合わせた完全給食を!
 1992年1月、市は私たちの強い要求に応えるかたちで、”外注方式”の実施ならば検討するということになり、第21回総会で議論しました。しかし、この”外注方式”は、給食産業や一般の飲食店等から購入するというもので、材料の鮮度や安全性、病児への適合性等の点で問題があり、導入は見合わせることになりました。その後も要求運動を繰り返した結果、状況は急転直下し、給食実現の運びとなったのです。
 枚方市は、平成5年度予算で給食設備費を計上しました。1993年4月より給食制度の検討を開始し、第22回総会で利用料の値上げや制度の概要を決定しました。給食調理室の設備や備品、献立や材料等の購入方法、衛生管理体制、アレルギー児への対応、調理職員の採用、事業計画や精算報告書の作成など、全くはじめての経験ではありましたが、給食委員会や運営委員会を中心に知恵と力を結集し、一つ一つ具体化していきました。
 特に、設備仕様については運営委員OBの山崎さん、献立やアレルギー児対策については同じくOBで栄養士でもある樋口さんの全面的な協力を頂きました。

利用者の願いに応えて発展を!
 まる5年にわたる給食制度実現のとりくみは、私が病児保育室に関わってきた中でもっとも大きな思い出です。この経験の中で痛切に感じたことは、これまで保坂先生や職員の皆さんをはじめ、諸先輩方が築き上げてこられた運動と歴史が如何に偉大なものであったかということでした。
 四半世紀を迎え、全国的にも誇れる枚方病児保育室が、市民や利用者の願いに応え、さらに充実・発展されることを心から期待するものです。


−−給食制度実現までの足跡−−
1989年5月28日第18回総会で給食制度の実現をめざすことを決定。
10月26日第1回給食委員会で設備・財政等の素案を検討。
11月22日第2回給食委員会でアンケート実施と運営面の検討。
1990年2〜3月 利用者へのアンケートを実施。96%が実現を強く要望。
値上げ額も1、300円〜1、500円を許容。
4月11日対市交渉、市は保育行政全般との関係で入口部分で難色を示す。
8月29日対市交渉、「委託事業であるので難しいがメニュープラン等今後検討していく。」と回答。
11月21日第5回給食委員会で他の病児保育の実態調査や人事・メニュー案等を検討。
11月30日対市交渉、「91年度は市長選の年であり、新規事業は難しい。次年度より具体的な検討に入りたい。」との提案。
1991年5月31日対市交渉、「実施する以上は責任のもてる体制で!庁内合意が得られるように検討し予算見積も行っている。」
6月14日第7回給食委員会で医師・職員・共済会が「基本的な考え方」を一致させることを検討。
(設備・人・材料メニュー・予算等について)
7月1日市と懇談会、市は「委託契約」の見直しを提案。
「給食制度実施は委託契約問題のクリアが前提。」とのこと。
11月29日対市交渉、「早く契約問題を解決し早急な実現をめざしたい。」と回答。
1992年1月6日対市折衝、「給食制度の導入は、行政の緊急性・公平性および財政事情などから、現在の状況では時期尚早。
しかし、『外注方式』なら否定はしない」との新提案。
1月28日第8回給食委員会で市の提案内容について検討。
2月27日対市折衝、外注方式の具体的内容について市の見解を聞く。
3月17日第9回給食委員会で外注方式の予算・委託業者について検討。
5月28日第10回給食委員会で総会への「外注方式」の提案内容を検討。
5月31日第21回共済会総会では、当面「外注方式」で実施をという提案賛成意見もあったが、安全面などで否定的な意見も出され検討を継続。
11月26日対市交渉、改めて完全給食の実施を要求。
「担当課として予算要望はするが実現は難しい。」との回答あり。
1993年3月26日枚方市議会で給食室の設備工事予算が可決。
5月30日第22回総会で給食制度の実施と利用料の値上げを決定。
8月24日第16回給食委員会で工事仕様と見積業者4社を決定。
9月30日工事請負業者を決定。
10月2日請負業者と仮契約
10月6日枚方市医師会と賃貸契約変更の手続き完了。
10月20日住宅都市整備公団より給食室改装の許可。
10月22日「給食実施計画書」「工事及び備品消耗品見積書」等を枚方市へ提出し、委託契約の変更手続きを行う。
11月7日給食室新設工事開始。
11月20日給食調理職員の面接・決定。
11月26日給食室新設工事完了と引渡し。
12月〜1月備品・消耗品を購入。
1994年1月9日「給食室びらき」を開催。
1月17日給食制度を開始し、利用料を一律1、300円に変更。
2月7日枚方市保育課の施設監査を受ける。
2月23日枚方市へ委託事業完了精算報告書を提出。